CAGR, CMGRってなに?言葉の意味や計算式、CAGRとの違いまで分かりやすく解説!
皆様は「CMGR」または「月平均成長率」という言葉を耳にしたことはありますか?
また、「CMGR」の意味やよく似た言葉である「CAGR」との違いを疑問に思ったことがないでしょうか?
この記事ではこれから起業される方や既に起業されている方に向けて、CMGR(月平均成長率)の意味や計算式、CAGRとの違いに関して解説していきます。
この記事を読めば、CAGRを理解して、ビジネスや投資に役立てることができるようになります!
ぜひ、ご覧ください。
CMGRとは?
「CMGR」はCompound Monthly Growth Rateの略で、日本語にすると「月平均成長率」と訳されます。
読み方はそのまま「シー・エム・ジー・アール」と読みます。
「CMGR」とは、過去数ヶ月の成長率から1ヶ月あたりの平均を割り出したものを指します。
「CMGR」を算出することで、過去数ヶ月間で1ヶ月あたりどの程度成長したのかを測定することができます。
会社の売上だけでなく、利益や資産の伸びを測定することも可能です。
そして、算出した「CMGR」は、施策やサービスの妥当性や継続の可否を判断する際の重要な判断材料になります。
また、投資家がバリュエーションを決める際の重要な指標にもなります。
特に、スタートアップ企業は急速に業績が変化するため、後述する「CAGR」に比べて「CMGR」が使われる場合が多くなります。
CAGRとの違い
「CMGR」と似た言葉に「CAGR」という言葉が存在します。
「CAGR」とはCompound Annual Growth Rateの略で、日本語にすると「年平均成長率」になります。
「CAGR」の読み方は「シー・エー・ジー・アール、または、ケーガー、カーガー」と読みます。
「CAGR(年平均成長率)」は、過去数年の成長率から1年あたりの平均を割り出したものを指します。
「CMGR」はCompound Monthly Growth Rateと月平均を計算します。
一方で、「CAGR」はCompound Annual Growth Rateと年平均を計算します。
「CMGR」と「CAGR」では期間が違うことになります。
CMGR (Compound Monthly Growth Rate) とは?
- 定義: CMGRは「月平均成長率」として知られ、ある期間にわたる月ごとの平均成長率を示す指標です。
- 特徴: CMGRは短期間の成長を評価する際に有効であり、特に急速に変動する業績を持つスタートアップなどでの使用が推奨されます。
CAGR (Compound Annual Growth Rate) とは?
- 定義: CAGRは「年平均成長率」として知られ、ある期間にわたる年ごとの平均成長率を示す指標です。
- 特徴: CAGRは長期間の成長を評価する際に有効であり、安定した業績を持つ成熟した企業や、長期的な投資判断の際に使用されることが多いです。
CAGRの計算方法
「CAGR」は年間毎の業績など、より長期的な視点で判断する場合に用いられます。
例えば、事業計画の作成時に将来予想をするときや複数の企業の成長性を比較するときに用いられます。
CAGR=(N年度の売上÷初年度の売上)^ {1÷(N-1)}-1
この式を使用すると、特定の期間における年ごとの平均成長率を計算することができます。
CMGRの計算方法
「CMGR」は以下の計算式で算出されます。
CMGR=(N月度の売上÷初月度の売上)^ {1÷(N-1)}-1
=(N月度の売上/初月度の売上)1/経過月数-1
この式を使用すると、特定の期間における月ごとの平均成長率を計算することができます。
「CMGR」を測定したい期間の最終月をN月として、上記の計算式に値を当てはめれば計算することができます。
ただし、(N-1)は経過月数を表していることに注意が必要です。
初月が4月で最終月が7月の場合、N=7で経過月数=7-1=6ではなく、7月は4月から数えて4ヶ月目なのでN=4となり、経過月数=4-1=3となります。N月=7月のように、安易に月をそのまま代入しないようにしましょう。
上記の計算式を用いて、売上や利益、コストのCMGRも計算することができます。
また、「CMGR」はエクセルを用いて計算されることが多くあります。そこで、次にエクセルでの「CMGR」の計算方法を紹介します。
CAGR, CMGRをエクセルで求める方法
エクセルで「CMGR」を計算する方法は、主に2種類あります。「CAGR」も同様の計算式で計算してください。
- 数式を用いる
- POWER関数を用いる
1. 数式を用いる
1つは前セクションで紹介した計算式を直接エクセルに入力する方法です。
上記の計算式の「N月度の売上」「初月度の売上」「N年」の部分に、実際の数値が入っているセルや数値を置き換えることで、下の様に計算できます。
今回は下の計算式をエクセルに入力し、計算しました。そのまま計算式をコピーして、エクセルで使っていただけます!
CMGR =(N月度の売上÷初月度の売上)^ {1÷(N-1)}-1
=(E2/B2)^(1/(4-1))-1
なお、CMGRについては%表記に設定し、少数第二位を四捨五入しています。
2. POWER関数を用いる
「CMGR」を計算するもう1つの方法として、^ 演算子(べき乗)を計算するPOWER関数を用いた計算です。POWER関数を用いた「CMGR」の計算式は以下のようになります。
CMGR=POWER(N月度の売上/初月度の売上,1÷(N-1))-1
=POWER(E2/B2,1/(4-1))-1
この計算式に適切なセルと数値を当てはめることで、下の様に計算できます。
紹介した2つの式に大きな違いはないので、使いやすい方を覚えておけば大丈夫です。
また、「CMGR」の計算式やエクセルでの求め方はCAGRと基本的に変わりません。月→年に変えれば、上記の計算式や関数でCAGRも求めることができます。
ChatGPTで計算する際のプロンプト(例)
以下のプロンプトを使用して、CAGR(年平均成長率)を自動で計算するコードを生成できます。CAGRは、ある投資や事業の初期価値と最終価値、そして投資期間から計算されます。
—————————————————————————————————————————————
python
def calculate_cagr(initial_value, final_value, years):
“””
この関数は初期値、最終値、および年数を使用してCAGR(年平均成長率)を計算します。
:param initial_value: 初期投資額または事業の初期価値
:param final_value: 最終投資額または事業の最終価値
:param years: 投資期間または成長期間(年単位)
:return: CAGRの値(%)
“””
cagr = ((final_value / initial_value) ** (1 / years) – 1) * 100
return cagr
# 例: 初期値が1000、最終値が2000、期間が5年の場合
initial_value = 1000
final_value = 2000
years = 5
cagr = calculate_cagr(initial_value, final_value, years)
print(f”CAGR: {cagr:.2f}%”)
このコードは、指定された初期値、最終値、および年数に基づいてCAGRを計算し、結果を%で表示します。プロンプトに従って初期値、最終値、年数を入力すれば、自動的にCAGRが計算されます。
具体的なサンプル: スマートフォン市場の成長(仮定)
背景:
2010年代初頭、スマートフォン市場は急速に成長していました。多くの企業がこの市場に参入し、新しい製品やサービスを提供していました。
CMGRの計算:
2010年のスマートフォンの売上は1,000万台で、2011年の売上は1,500万台でした。
CMGR = ((1,500万 – 1,000万) / 1,000万) / 12 = 約4.17%
この計算により、2010年から2011年にかけての月平均成長率は約4.17%であることがわかります。
CAGRの計算:
2010年の売上は1,000万台、2013年の売上は3,000万台でした。
CAGR = ((3,000万 / 1,000万) ^ (1/3)) – 1 = 約44.2%
この計算により、2010年から2013年にかけての年平均成長率は約44.2%であることがわかります。
結果:
CMGRとCAGRの計算結果から、スマートフォン市場は月ごと、そして年ごとにも急速に成長していることが確認できます。このような高い成長率を持つ市場には、新しいビジネスチャンスや投資の機会が多く存在しますが、同時に競争も激しくなる可能性があります。
CMGRとCAGRの実践的な活用法
- スタートアップの成長評価
CMGRは特にスタートアップ企業の初期段階での成長を評価するのに適しています。月単位の成長率を見ることで、ビジネスモデルの有効性や市場への浸透度をより細かく分析できます。 - 季節変動の影響を考慮した分析
CMGRを使用することで、季節変動の影響を受けやすいビジネスでも、より正確な成長トレンドを把握できます。例えば、夏季に売上が伸びる業種でも、年間を通じた成長率を適切に評価できます。 - 投資判断への応用
CAGRは長期的な投資判断に役立ちますが、CMGRと組み合わせることで、短期的な成長のダイナミクスも考慮した、より包括的な投資分析が可能になります。
実務での活用例
- 製品開発サイクルの最適化
テクノロジー企業が新製品のユーザー獲得率をCMGRで追跡し、製品開発サイクルの最適化に活用する例。 - マーケティング効果の測定
Eコマース企業が月次のCMGRを用いて、マーケティングキャンペーンの効果を迅速に評価し、戦略を調整する例。 - 投資ポートフォリオの管理
投資家がCAGRを使用して長期的な投資パフォーマンスを評価し、ポートフォリオのバランスを調整する例。
企業での活用事例
注意点と限界
- データの質と量
CMGRもCAGRも、使用するデータの質と量に大きく依存します。短期間のデータや異常値を含むデータは、結果を歪める可能性があります。 - 成長の持続可能性
高いCMGRやCAGRは必ずしも持続可能な成長を意味しません。急激な成長の背後にある要因(一時的なブームや非持続的な投資など)を慎重に分析する必要があります。 - 業界特性の考慮
業界によって適切な成長率は異なります。成熟産業と新興産業では、同じCMGRやCAGR値でも意味合いが大きく異なる場合があります。
Q&Aセクション: CMGRとCAGRに関するよくある質問
Q1: CMGRとCAGRの主な違いは何ですか?
A1: CMGR(Compound Monthly Growth Rate)は「月平均成長率」として知られ、特定の期間における月ごとの平均成長率を示す指標です。一方、CAGR(Compound Annual Growth Rate)は「年平均成長率」として知られ、特定の期間における年ごとの平均成長率を示す指標です。
Q2: CMGRやCAGRを計算する際のデータ期間はどれくらいが適切ですか?
A2: CMGRは短期間の成長を評価するため、数ヶ月から1年程度のデータを使用するのが一般的です。CAGRは長期間の成長を評価するため、数年間のデータを使用するのが適切です。
Q3: CMGRやCAGRが高い場合、それは必ずしも良いことを意味しますか?
A3: 必ずしもそうとは限りません。高い成長率は事業の拡大を示す一方で、過度な成長は持続性に問題がある場合もあります。成長率を評価する際は、その背景や業界の平均成長率との比較など、他の要因も考慮することが重要です。
Q4: CMGRやCAGR以外に、ビジネスの健全性を評価するための指標はありますか?
A4: はい、他にもROE(自己資本利益率)、ROA(総資産利益率)、営業利益率など、多くの財務指標がビジネスの健全性を評価するために使用されます。
Q5: CMGRやCAGRの計算に使用するデータはどこで入手できますか?
A5: 企業の公式な財務報告書や年次報告書、四半期報告書などから、必要なデータを入手することができます。また、業界団体や市場調査レポートなどからも関連データを取得することが可能です。
終わりに
最後までご覧いただきありがとうございました。
今回は、「CMGR」(月平均成長率)の意味や計算式、「CAGR」との違いを紹介しました。
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