EXPACTはドローン事業に新規参入します
EXPACTは、ドローン関連の設備導入支援実証実験予算の獲得、実証実験のサポート、システム開発支援を行ってきました。今後、大きな成長が期待されるドローン事業に新規参入します。モノの移動や空飛ぶクルマによる人の移動といった、新領域におけるドローンやエアモビリティの社会実装を通じて、社会課題の解決を促し、スーパーシティの実現に貢献していきたいと考えています。
ドローンの将来性
(参照)内閣官房:有人地帯での目視外飛行(レベル4)実現のための制度について
ドローンの性能向上(ハード/ソフト)は目覚ましく、農業分野や空撮分野においては既に定着。今後、インフラ点検、物流にも活用が拡大することが期待されています。インプレス総合研究所によると2020年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は1,841億円と推測され、2019年度の1409億円から432億円増加しています(前年度比31%増)。2021年度には前年度比25%増の2,305億円に拡大し、2025年度には6,468億円(2020年度の3.5倍)に達すると見込まれます。(参考:インプレス総合研究所)
産業分野別に見ると、特に、農業、土木・建築、点検、公共といった分野では、ドローン活用の効果が明確化してきており、現場実装の段階に進みつつあります。また、2020年度は特に物流分野の動きが際立っており、2022年度のレベル4(有人地帯の目視外飛行)実現に向けた新しい取り組みが多数見られました。携帯電話の上空利用の緩和に伴う携帯電話ネットワークを使った長距離フライトや短時間に長距離を移動するVTOL型ドローンによる輸送、オンライン服薬指導と併せた処方薬輸送などの実証実験が数多く実施されています。(参考:インプレス総合研究所)
https://www.youtube.com/watch?v=E8AB-jEBST0
橋梁、鉄塔、基地局、発電施設、プラント、工場やビル、船舶といったインフラや設備点検の現場では引き続きドローンの活用が普及していくとみられます。そうした状況をうけて、一部のドローンのサービス事業者からソリューションが提供されており、順調にインフラや設備点検分野での利用が拡大していくことが予想されます。特に小型ドローンを活用した点検は、従来の人による点検が困難であった天井や屋根裏空間、細い配管ダクトの中などの点検を可能にし、ドローンが専門的に行う新たな点検分野市場として大きな拡大が期待されます。一方で、その他の分野においては、昨年度から引き続き業務フローの再構築や運用ノウハウの蓄積、マニュアル作成、人材の育成などに時間を要しています。これらの課題が徐々に解決されることで、市場が拡大していくとみられます。(参考:インプレス総合研究所)
周辺サービス市場では、ドローンの産業利用が進むにつれて、バッテリー等の消耗品や定期的なメンテナンス、業務環境に即した保険のバリエーションの増加などにより機体市場の拡大に合わせて引き続き成長していくと予想されます。また今後、導入されるドローン操縦ライセンスの動きに伴い、スクールの動きが活発になるとみられます。各ユーザー企業における運用管理やソフトウエア開発などのドローンに特化した人材の要求が高まっており人材サービス市場の拡大も予想されます。(参考:インプレス総合研究所)
加えて下記にある通り、レベル4の社会実装に向けて操縦ライセンスや機体認証、運航管理方法(運航管理システム/UTMの活用)が進みつつあります。
レベル1 | 目視内での操縦飛行 |
レベル2 | 目視内での自動・自律飛行 |
レベル3 | 無人地帯※での目視外飛行 ※有人地帯において飛行経路下の第三者の立入管理を行った場合も含む。 |
レベル4 | 有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし) |
(参照)内閣官房:有人地帯での目視外飛行(レベル4)実現のための制度について
レベル4の社会実装により、従来はパイロットが1機をマニュアル操縦(目視)していたラジコンのような運航体制から自律飛行を前提とした複数機の遠隔飛行に大きく移行していくことになります。それによって、投入人員あたりの運航可能な機体数が増大することでドローン運用の生産性が大きく向上するものと考えております。
また4Gおよび5Gの更なる普及により、通信速度の向上や通信エリアの拡大により低遅延かつ大容量に裏付けされた動画のリアルタイム配信(4G / LTEによる映像伝送)、迅速な遠隔操縦が可能になります。すなわち現地におらずとも、遠隔でドローン管制(運航管理)が可能になります。参考:日本初のドローン向け新料金プラン「LTE上空利用プラン」の提供を開始
レベル4等の社会実装によってCO2排出等の環境負荷低減、移動課題の解決、日本の生産性や付加価値の向上につながると考えており、このタイミングでのドローン事業参入に至った。
今後、広域にわたって侵入者や不審車両などを監視し、異常検知時には迅速な状況把握が求められる警備分野や、土砂災害などの大規模災害時にも迅速な状況把握が求められる災害対応分野、小口輸送の増加や積載率の低下などエネルギーの効率化が求められる物流分野、効果的かつ効率的な点検を通じた長寿命化やコスト削減が課題となるインフラ点検分野などにおいて、運用負担が少ないドローンのレベル4運航によってオペレーションの省人化や省エネルギー化の実現が期待されている。
加えてスーパーシティによる更なる規制緩和、先端的サービスの社会実装、データ連携がドローンの社会実装を後押しするものと考えており、そうしたスーパーシティに関わる実証実験(PoC)等にも積極的に関与していきたいと考えております。
進む規制緩和
ドローンが道路、河川、国立・国定公園、国有林野、港湾等の上空を通過する場合において、行政の担当課や土木事務所、最寄りの警察署など様々な届出が必要でしたが、ドローンが上空を単に通過する場合は、原則、手続不要となり、飛行申請や関係機関との調整も大幅に簡略化されつつあります。
グレーゾーンの解消(ドローンの飛行と土地所有権の関係)
民法においては、「土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。」(第207条)と規定されているが、その範囲は、一般に、当該土地を所有する者の「利益の存する限度」とされていました。このため、第三者の土地上空をドローンが飛行することが直ちに所有権の侵害に当たる訳ではないものとの法的解釈が示されました。
この場合、土地所有者の「利益の存する限度」の具体的範囲については、一律の高さとして設定することは困難であり、当該土地の建築物や工作物の設置状況、事業活動の状況など具体的な使用態様に照らして判断することになるとの考え方が示されたため、従来から民法 第207条の規定を盾に上空使用権を定義し、上空の利用に当たっては土地所有者の許可と使用料の支払が必要と主張していた一部企業のビジネスモデルは修正が余儀なくされました。
参考:https://www.truebizon.com/sorashare-start
いわゆる“上空通過権”について
民法上、土地上の空間の一定範囲に設定される用益物権としては、区分地上権と地役権があるが、以下のとおり、それぞれ一定の制約があり、無人航空機の飛行に関してこれらの権利を設定することはできない。
・第 269 条の2(区分地上権):工作物を所有するためのもの
・第 280 条(地役権):他人の土地を自己の土地の便益に供するためのもの
また、土地所有者が同人の利益が存しない土地上の空間を利用する契約を締結した場合であっても、そのことをもって当該契約の相手方が当該空間の排他的な利用権を取得したことにはならず、第三者が当該空間において無人航空機を飛行させることを妨げることはできないと解される。
一律の高度以下の飛行には所有者の同意が必要なのか
土地の所有権の及ぶ土地上の空間の範囲についての基本的考え方は、上記の通りであり、当該土地の使用態様の如何にかかわらず、無人航空機が土地の上空を飛行 するに当たって当該土地の所有者の同意が必要となる高度についての一律の基準は存在しない。
当社の基本的な考え方:恐らく現行の規制に照らすと地表から150m未満かつ建物等(電線、鉄塔、山林等含む)の第三者保有の物件から30m以上の距離を保った飛行経路においては、航空局の許可を受けることが可能であり、利用権の支払等は発生しないものと解釈している。(上記について明確な基準が更新された際は、記事をアップデート致します。上記考え方に異論がある事業者様、弁護士様等いらっしゃいましたら、お問い合わせフォームまでご連絡をよろしくお願い致します。)
参考:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kogatamujinki/kanminkyougi_dai16/betten4.pdf
地元の理解と協力の重要性
無人航空機の飛行に関する法制度の面からの整理は、上記の基本的考え方の通りであるが、今後無人航空機が様々な用途で用いられ、その飛行エリアや頻度が増加することが予想される中、土地所有者をはじめとする地域の理解と協力を得ることは極めて重要である。 このため、無人航空機の運航者には、適切な機体の使用、安全なルートの設定、万が一事故が発生した場合の賠償資力の確保など対策を講じた上で、地域の関係者に 丁寧に説明し、理解と協力を得る取組が求められる。 また、民間企業や自治体等が、第三者的な立場から、無人航空機の運航者と地域の間に立って、これらの取組を行うことは、一定の意義がある。
そのため、自治体との調整や住民説明(回覧板や住民説明会の実施)は引き続き必要であると考えております。(理解が得られれば、利用権の支払等は不要)
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まとめ
以上より、ドローンのハード/ソフト両面の進化、スーパーシティの取り組みや規制緩和など様々な要因から時代の変化をいち早く捉え、最短でキャッチアップしていくため、ドローン関連企業である株式会社トラジェクトリーや株式会社スカイピーク などドローン事業にて先端を走る企業と連携しながら、まずは静岡県内におけるドローン事業の立ち上げを行うとともに、従来通りドローン関連の新規事業を模索する中小企業やスタートアップの支援も継続していきたいと考えております。また実証実験等を行うパートナー企業も募集しておりますので、興味がある事業者様は是非ともお問い合わせいただければ幸いです。