シリーズBってなに?投資ラウンドと合わせて資金調達手法を分かりやすく解説!
スタートアップにおいて、シリーズAに続く投資ラウンドが「シリーズB」となります。
この記事では、「シリーズB、また投資ラウンド」に関して解説していきます。わかりやすく説明していきますので是非ご覧ください。
そもそも投資ラウンドとは
投資ラウンドとは、「投資家が企業に対して投資(出資)をする段階」のことを意味します。これはもともと、投資する側の人間が投資先企業のファイナンスステージを把握しやすいように、アメリカで生まれたファイナンス(資金調達)の仕組みで、商品・サービスやビジネスモデルが確立しつつあるミドルステージの段階で行われることが多いです。
企業は、事業を維持/拡大する上で“運転資金”が必要になってきます。このため、経営者は“Debt デット(お金を借りて資金を調達する方法)”、“Equity エクイティ(新株の割当と引き換えに資金を調達する方法)”、“補助金(国や自治体などから開発資金等を支援してもらう方法)”などを行うことで資金を調達します。
例えば、エクイティでの資金調達の場合、ハイリターンを狙う投資会社であるVC(ベンチャーキャピタルやCVC)や、個人投資家であるエンジェル投資家などが資金調達したい企業へ投資する際に「投資ラウンド」という概念が出てきます。
投資ラウンドの種類
投資ラウンドの種類には、エンジェル、シード、シリーズA、B、C..などがありますが、それぞれシード、アーリー、ミドル、レイターの4つの事業ステージ内に属するものです。
シリーズBは、スタートアップ企業における投資ラウンドの一つであり、シリーズAに続く資金調達の段階を指します。
シリーズBラウンドは完成したプロダクトやサービスを保有しており、それらがリリースされ、既に一定の顧客を獲得し、収益も得られている状況にあるケースがほとんどです。一般的に、シリーズBのスタートアップは、一定の収益を生み出しており、ビジネスが軌道に乗り始めた段階にあるとされます。そのため、販路の拡大を目的としたエクイティファイナンスが必要な段階とされています。(参考:スタートアップのPre-Money Valuationの 決定に関する展望)
商品やサービスが確立してきて、顧客も増加するフェーズで、売上なども伸びてきている状態のため、銀行からの借入で資金調達も行えますが、さらに大胆に踏み込んでいくことで、市場のシェアを高め、上場に向けて売上やユーザー数を大きく進捗させるフェーズです。
ビジネスモデルもある程度確立されている状態となるため、シリーズBでの資金調達時には商品やサービスの更なる向上(拡充)や上場に向けた人材採用の強化、販促・広告宣伝費(テレビCM、タクシー広告など)を目的として、一概にくくれないものの、数億円~10億円程度の調達額になるのが一般的です。
”調達金額の相場”については、2019年~2021年におけるスタートアップの資金調達情報のうち、当社が運営するSTARTUP LOGが取り扱った国内版データがありますので、ぜひ以下をご参照下さい。
バリエーションに関しては、以下の記事を参照ください。
投資ラウンドごとの資金調達方法とその特徴
シリーズBの資金調達の相場としては、数億円から30億円程度が一般的であり、事業によっては50億円規模になることもあります。会社の規模は中人数以上のチームを抱えるほどになり、シリーズAにおける経験や反省点を活かし、商品・サービスの質が向上していきます。
経営者が資金調達を行うタイミングは、
・自社製品が市場で顧客を獲得できるかどうか、”仮説検証”を行いたい場合
・”仮説検証”を終えた自社製品を一気にスケールアップしたい場合
などが挙げられます。
シード期の資金調達方法については、下記の記事で詳しく取り上げていますので、ぜひご覧ください。
シードの資金調達手法 J-KISS (日本版 Keep It Simple Security,コンバーティブルエクイティ)とは?
アーリー期の ”Product Market Fit” とは、自社製品の顧客が明確となり、資本投下した場合に利益が見込める状態です。顧客獲得コスト(CVC)を顧客生涯価値(LTV)が上回っており、”Unit Economics”(一顧客獲得した時に得られる収入が顧客獲得コストを上回っている状態)を達成している(もしくは達成する見込みが限りなく高い)状態がミドル期移行の目安となります。
またミドル期の段階では、ビジネスモデルも固まりつつあり、アーリー期の段階よりも事業計画の数値のブレも少なくなってきます。プロダクトの機能も拡充され、アップセルや更なる顧客獲得が投資家より求められます。最近では、複数のVCや事業会社からの資金調達に加えて、海外VCからの調達も珍しくなくなりました。大型調達に成功して企業価値が10億ドル(日本円にして約1,100億円)を超える ”ユニコーン企業” も登場しています。
レイタ―期になると、次の段階としてIPO(上場)が選択肢となります。
当然、上場すれば株式市場から資金調達を行える他、国内での認知度向上や従業員のモチベーションアップなどのメリットもあります。
しかしながら、上場するデメリットとして、オーナーの発言権が希薄になることや社会的責任・プレッシャーが大きくなるようなことが挙げられます。
なので、上場するかM&AでEXITするかの判断は、経営者の意向やマーケット環境に応じて投資家との間で決められることになります。
おわりに
シリーズBはシリーズAからの成長する中で、ベンチャーキャピタルや(実績も十分であれば)国や地方自治体などからの補助金、金融機関からの融資などで資金調達を行えます。ここまでご覧いただき感じられた方もおられるかと思いますが、シリーズBへ進んでいる時点である程度の優良企業と言ってよいもので、例えばアメリカでは1,000社に数社程度がないと言われています。
EXPACTでは、特にスタートアップ企業への補助金活用や資金調達を強みとしており、実績・経験も多数ございます。資金調達成功に向けて、パートナーを探している、また詳しく話を聞いてみたいという方はお問い合わせください。