
令和4年度補正予算が発表!主な補助金へ新枠増設、引き上げ、対象範囲拡大も。
政府は先月まとめた総合経済対策の裏付けとなるおよそ29兆円の補正予算案を閣議決定。総合経済対策は物価高対策を中心に10月末にまとめられ、8日夕方、政策実行の財源となる2022年度第2次補正予算案が持ち回り閣議で決定されました。
一般会計歳出およそ29兆円のうち、22兆8500億円を新たな国債の発行で賄います。残りについては、想定よりも増加している税収およそ3兆円や前年度予算の剰余金2兆円余りが充てられます。政府はこの補正予算案を今月中旬に臨時国会に提出し、年内の成立を目指します。
予算案は、エネルギー価格の負担軽減策を柱とする総合経済対策の裏付けとなるもの。
コロナ対策を中心とした2022年度補正予算の国債追加額22・0兆円を上回る異例の規模で、借金頼みの財政支出に歯止めがかからない。
政府は当初予算と第1次補正で計39・6兆円の国債発行を決めており、今回の追加発行により総額は62・4兆円規模となる。2021年度の補正後予算 総額65・6兆円に迫る勢い。コロナの影響が最も大きかった20年度は112・5兆円だった。
日本政府は先月、財政投融資を含む財政支出39兆円の経済対策を閣議決定。電気、ガス、ガソリンの価格の負担軽減策のほか、妊娠・出産時の支援として今年4月以降に生まれた子ども1人あたり計10万円相当を支給する少子化対策なども含まれる。うち、約29兆円分を今年度一般会計の第2次補正予算案に計上する予定。(参照:朝日新聞)
第2次補正予算案の歳入は国債のほか、22年度の一般会計税収見込みの上ぶれ分約3・1兆円を財源に充てる。このほか、21年度決算の剰余金なども活用する。(参照:読売新聞)
経済産業省が中小企業の賃上げを促す支援策として、22年度第2次補正予算案に計1兆1190億円を計上する。賃上げを条件とした補助金の拡充、コロナ禍が続く中小企業の資金繰りに活用する。
補助金拡充では、新分野への展開や業態転換などを後押しする事業に5800億円、新商品開発に向けた設備投資やIT化を支援する事業に2千億円をそれぞれ充てる。賃上げを条件に補助率を高くするなどの優遇策を設ける見込み。
資金繰り支援は財務省の計上分212億円も含め2981億円、「ゼロゼロ融資」の返済本格化に備え、期間の長い融資に借り換える際の融資保証を支援する。(参照:共同通信)
また日本政府は、2022年度第2次補正予算案に半導体支援策を計上する。
日米が連携する次世代研究拠点の整備に約3500億円、先端品の生産拠点の支援に約4500億円を盛る。製造に欠かせない部素材の確保にも3700億円を充て、計1.3兆円を投じる。政府は、半導体や蓄電池、医薬品などを「特定重要物資」に指定して、海外に拠点を置く工場などの「脱・中国依存」を進めたい考え。
「特定重要物資」は、「国民の生存に直接的な影響が生じる」「供給が特定の少数の国に偏っていて、供給が途絶えた場合に甚大な影響が生じる」などのおそれがあるもの。政府は、基本指針に基づき、対象となる物資の選定を進めている。
経済安全保障上の重要性が高まる半導体の国内供給網の構築を進める見込み。日米連携の研究拠点は年内の設置をめざす。微細なほど性能が高まる回路線幅が2ナノ(ナノは10億分の1)メートル以降の先端半導体を20年代後半から開発・量産できる体制の構築が目標。
参加する日本企業などの詳細は月内にも公表される見込み。東京大学や産業技術総合研究所、理化学研究所などが名を連ねる予定。
先端半導体の生産拠点の確保には4500億円を積む。国内誘致の支援額は21年度補正予算(6170億円)と合わせて1兆円を超える見込み。すでに補助を決めた台湾積体電路製造(TSMC)、キオクシア、米マイクロン・テクノロジーに加えて、データセンターや人工知能(AI)など最先端技術に必要となる半導体の製造も支援する。
約3700億円を計上する部素材や製造装置の確保策では、シリコンウエハーや炭化ケイ素(SiC)などの供給網の強化を促す。
経済産業省が半導体支援を拡充するのは経済安保上の重要性からだけでなく、歴史的な円安が投資を呼び込む好機とみている。大規模投資をきっかけに地域の雇用、賃金増加といった経済の好循環を生み出す狙いがある。
第2次補正予算案は蓄電池、永久磁石、レアアースなどの供給網の多様化にも1兆円規模を計上する。いずれも経済安全保障推進法上の「特定重要物資」に指定する見通しだ。岸田文雄首相は半導体を含む次世代分野に3兆円を投資すると表明。電池やロボットにも1兆円弱を投じる見通し。(参照:日経新聞)
令和3年度補正予算が発表!主な補助金へ新枠増設、引き上げ、対象範囲拡大も。
日本政府(岸田政権)は11月18日、新型コロナウイルスへの対策を含め、各施策を盛り込んだ補正予算を臨時閣議で決定しました。
中でも新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが減少した事業者に最大250万円を支給する「事業復活支援金」に、2021年度補正予算案として約2兆8000億円を計上する方針を発表しました。他、新たにデジタル化やグリーン化を支援する「生産性革命推進事業」として、約2000億円なども盛り込まれています。
本記事では、個人事業主や創業間もないスタートアップ、ベンチャーなども利用可能な通年募集される主な補助金の動向から、注目度の高い新たな補助金まで網羅的に解説していきます。補助金一覧をご覧ください。
事業復活支援金 【2.8兆円】
コロナの影響で1カ月の売り上げが50%以下に落ち込んだ事業者に対し、地域や業種を問わず、事業規模に応じて最大250万円、個人事業主に同50万円を支給する方針。
来年3月までの事業見通しを立てられるよう、5カ月分を一括して支払うことで、事業者を下支えし経済の底割れを防ぐのが狙いとのこと。
■事業目的・概要
新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、地域・業種を限定しない形で、来年3月までの見通しを立てられるよう事業規模に応じた給付金を支給します。
■対象者
コロナの影響で、2021年11月~2022年3月のいずれかの月の売上高が50%以上または30%~50%減少した事業者
中堅・中小・小規模事業者、個人事業主(フリーランスを含む)が対象。
■開始時期
補正予算成立後、所要の準備を経て申請受付開始予定
■補助額・補助率
5か月分(11~3月)の売上高減少額を基準に算定。上限額は、売上高に応じて、三段階に設定(売上30~50%減少の事業者に対しては上限額を6割として給付)。
事業再構築補助金(中小企業等事業再構築促進事業) 【6,123億円】
事業再構築や生産性向上に取り組む中小企業も支援するのが狙いとされており、コロナで売り上げが落ち込み、新分野への展開などの設備投資を行った場合、最大8000万円を支援する事業再構築補助金に約6100億円を計上。
2022年度は、新たに「業績が厳しい事業者向けの特別枠」「グリーン分野での取り組みを重点的に支援する特別枠」が新設される予定です。
■事業目的・概要
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、中小企業等が、新分野展開や業態転換などの事業再構築を通じて、コロナ前のビジネスモデルから転換する必要性は、依然として高い状況にあります。こうしたことから、令和2年度3次補正予算で措置した中小企業等事業再構築促進事業について、必要に応じて見直しや拡充を⾏いながら、中小企業等の事業再構築を支援し、日本経済のさらなる構造転換を図ってきたところです。本事業について、引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者への重点的支援を継続しつつ、売上高減少要件の緩和などを⾏い、使い勝手を向上させます。
特に、ガソリン車向け部品から電気自動車等向け部品製造への事業転換のように、グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象に、従来よりも補助上限額を引き上げ売上高減少要件を撤廃した新
たな申請類型を創設することで、ポストコロナ社会を見据えた未来社会を切り拓くための取組を重点的に支援していきます。
■対象要件
(1)2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること(グリーン成長枠を除く)
(2)事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること
■補助額・補助率
申請類型 | 補助上限額 (※1) | 補助率 |
最低賃金枠 (最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保 が困難な特に業況の厳しい事業者に対する支援) | 500万円、1,000万円、 1,500万円 (※2) | 中小3/4、中堅2/3 |
回復・再生応援枠 中堅2/3 (引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り 組む事業者に対する支援) | ||
通常枠 (事業再構築に取り組む事業者に対する支援) | 2,000万円、4,000万円、 6,000万円、8,000万円 (※2) | |
大規模賃金引上枠 (多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上 げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向 上させる事業者に対する支援) | 1億円 | 中小2/3、 中堅1/2 (※3) |
グリーン成長枠 (研究開発・技術開発又は人材育成を⾏いながら、 グリーン成長戦略「実⾏計画」14分野の課題の解 決に資する取組を⾏う事業者に対する支援) | 中小1億円、中堅1.5億円 | 中小1/2、 中堅1/3 |
(※1)補助下限額は100万円 (※2)従業員規模により異なる (※3) 6,000万円超は1/2(中小のみ)、 4,000万円超は1/3(中堅のみ)
■開始時期
令和4年以降(補正予算成立後、詳細調整)
■対象経費
建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービ ス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費(一部 の経費については上限等の制限あり)
生産性革命推進事業 【2,001億円】
■事業目的・概要
新型コロナウイルス感染症の影響を受けつつも、生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者を支援し、将来の成長を下支えします。
そのため、中小企業・小規模事業者の設備投資、IT導入、販路開拓を支援する中小企業生産性革命推進事業について、現⾏の通常枠の一部見直しを⾏うとともに、新たな特別枠を創設し、成長投資の加速化と事業環境変化へ
の対応を支援します。加えて、事業承継・引継ぎ補助金を新たに追加し、中小企業の生産性向上や円滑な事業承継・引継ぎを一層強力に推進します。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)
中小企業等のグリーン、デジタルに資する革新的製品・サービスの開発又は生産プロセス等の改善に必要な設備投資等を支援するとともに、赤字など業況が厳しい中で生産性向上や賃上げ等に取り組む事業者を支援します。
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
通常枠 | 750万円、1,000万円、1,250万円 (※従業員 規模により異なる) | 原則1/2 (※小規模事業 者・再生事業者は2/3) |
回復型賃上げ・ 雇用拡大枠 | 2/3 | |
デジタル枠 | ||
グリーン枠 | 1,000万円、1,500万円、2,000万円 (※同上) |
小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)
小規模事業者が経営計画を作成して取り組む販路開拓等に加え、賃上げや事業規模の拡大(成長・分配強化枠)や創業や後継ぎ候補者の新たな取組(新陳代謝枠)、インボイス発⾏事業者への転換(インボイス枠)といった環境変化に関する取組を支援します。
補助上限額 | 補助率 | |
通常枠 | 50万円 | 2/3(※成長・分配強化枠の 一部の類型において、赤字事業 者は3/4) |
成長・分配強化枠 | 200万円 | |
新陳代謝枠 | 200万円 | |
インボイス枠 | 100万円 |
【2023・令和5年】最大250万円の補助が受けられる 小規模事業者持続化補助金 (賃金引上げ/後継者支援/創業/卒業/インボイス)とは!?
サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)
業務効率化やDXのために導入する IT ツール等の費用を補助します。インボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応も見据え、補助率の引上げ、クラウド利用料を2年分まとめて補助、PC 等のハ ード購入を補助するなど、企業間取引のデジタル化を強力に推進します。
商業集積地・サプライチェーン等で密に連携した複数の中小・小規模事業者による IT ツール・機器の導入を支援するため、複数社連携型 IT 導入枠を設け、データ共有・ 活用などの取組も支援する。
■補助額・補助率
Tツール (会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等) | ~50万円(補助率3/4)、50~350万円(補助率2/3) |
PC、タブレット等 | 10万円(補助率1/2) |
レジ | 20万円(補助率1/2) |
■補助対象
ITツール(会計ソフト、受発注システム、決済ソフト等)、PC、タブレット、レジ等
まとめ
昨年度に引き続き、事業再構築補助金やものづくり補助金、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金などは継続される見込みです。また新たに発表された事業復活支援金は、随時情報を確認し、速やかに交付が受けられるように準備しておきましょう。