【挑戦支援資本強化特例制度】日本政策金融公庫の資本性ローン(デッドファイナンス)とは?
挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)は、日本政策金融公庫が提供する特例制度の一つです。創業間もない企業や新規事業展開、事業再生などに取り組む企業を対象に、無担保・無保証人で資金を調達できる制度です。
日本政策金融公庫の提供している「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」を利用することによって、ベンチャー企業・スタートアップ企業の新事業展開・海外展開・事業再生等の取り組りやベンチャーキャピタルなどと組み合わせることで資金調達力の強化を図れます。
今回はこの資本性ローンについて詳しく解説します。
資本性ローンとは
「資本性ローン」とは無担保、無保証人での借り入れることができる融資です。別名、メザニンファイナンスとも呼ばれています。
メザニンファイナンス
- デットとエクイティの中間に位置する資金調達方法
- 劣後ローン、優先株式などが該当する
- リスク・リターンの面でデットとエクイティの中間的な性質を持つ
- “メザニン”とは建物の中二階を意味する言葉に由来
メザニンファイナンスの特徴
- ミドルリスク・ミドルリターン
デットよりリスクが高く、エクイティよりリスクが低い
デットよりリターンが高く、エクイティよりリターンが低い - 返済順位がデットに劣後する
デフォルト時の回収可能性がデットより低い - 経営権への影響が株式発行より小さい
- 議決権付与が制限される場合が多い
メザニンファイナンスは、デットとエクイティの中間的な性質を持つため、資金調達の選択肢が広がるメリットがあります。一方で、コベナンツの制約や高いリターン要求などのデメリットもあります。
企業は状況に応じて、デット、エクイティ、メザニンを適切に組み合わせることで、望ましい資本構成を実現できます。メザニンファイナンスは、そのための有力な選択肢の一つとなっています。
主な特徴
- 無担保・無保証人での融資が可能
- 借入金でありながら、金融機関の査定上は自己資本とみなされる
- 返済期間が長期(5年1か月~15年)で、元金返済は期限一括
「資本性借入金」とも呼ばれていて、借入をしていても金融機関から「自己資本とみなされるもの」を言います。借り入れることで、業績の悪化によって失われつつある資本を回復させることができます。資本扱いされるのはあくまで金融機関が融資を行う際の審査にのみで、会計上は負債扱いになるので、完全に資本として扱うことができるわけではない点に注意しましょう。
日本政策金融公庫の資本性ローン(デッドファイナンス)
融資限度額 | 4,000万円 | |||||||||||||||||||||||||
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ご返済期間 | 5年1ヵ月以上15年以内 | |||||||||||||||||||||||||
ご返済方法 | 期限一括返済(利息は毎月払) | |||||||||||||||||||||||||
利率(年) | ご融資後1年ごとに、直近決算の業績に応じて、貸付期間ごとに3区分の利率が適用されます
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担保・保証人 | 無担保・無保証人 | |||||||||||||||||||||||||
その他 |
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融資条件など |
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申請条件
- 事業計画書の提出が必要
- 税務申告1期以上で所得税等の完納が原則
- 四半期ごとの経営状況報告などの特約締結
資本性ローンは、創業間もない企業や新規事業展開、事業再生に取り組む企業の資金調達手段として活用できます。自己資本の確保が難しい状況でも、この制度を利用することで財務体質の強化を図ることができます。
まとめ
「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」によって、ベンチャー企業・スタートアップ企業の新事業展開・海外展開・事業再生等の取り組りやベンチャーキャピタルなどと組み合わせることで資金調達力の強化を図れます。
なお、技術・ノウハウ等に新規性がみられる企業という要件がついており、基本的には有名エンジェルもしくはベンチャーキャピタル、大企業等からの出資もしくは大型の補助金獲得、知財の保有等の対外的な信用力を示す必要がありますのでご注意下さい。
メリットとして、金融機関に対しては資本とみなされることで資本の充実による債務格付の向上、資金調達余力が増す等のメリットに加え、元金返済が期限まで据え置かれるのが大きな特徴です。
バーンレートを少しでも下げる必要のあるスタートアップにとっては使わない手はありません。
まず、国民生活事業の4,000万円を申請し、次のラウンド以降は中小企業事業の別枠3億円にもチャレンジしましょう!
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