第100代の総理大臣になった岸田文雄氏。安倍政権や菅政権で成長戦略として強化されてきたスタートアップ支援を引き継ぎ、さらに強化することが期待されています。「成長なくして分配なし」と総裁選でも主張し、成長と分配の好循環を生み出す政策を掲げました。
いくつかの成長戦略か掲げられる中で、「スタートアップへの徹底支援」もその一つとなっており、オープンイノベーションへの税制優遇や政府からの資金調達支援などを具体策として提示されています。
▲PR TIMES「岸田内閣総理大臣がCIC Tokyoを訪問し、スタートアップ創出元年にあたりスタートアップとの意見交換を実施」より引用
岸田氏は政調会長の時代から、アメリカや中国などに比べて日本では起業文化がいまだ育っていないことに危機感を持っており、すでにスタートアップ支援の仕組みや補助金・助成金の設置も行われていますが、総理になることで更なる強化が期待されます。
また岸田総理が掲げている『リスキリング』は、働く人のスキルアップデートや学び直しを支援するための政策です。所信表明演説では、個人のリスキリング支援として、5年間で1兆円を投じることを表明しています。リスキリングにより、成長産業で働く人を増やし、賃金の向上や働き方の変革を促すことを目指しています。こちらの具体的な施策や労働移動円滑化の指針は、23年6月までに策定される予定です。
岸田総理が掲げる『スタートアップ支援強化』の施策
2022年は「スタートアップ創出元年」として、官民を挙げてのスタートアップ支援強化を岸田総理大臣自身が表明しています。2022年6月までに、「スタートアップ5カ年計画」をつくることも同時に表明されました。
実際に2022年2月10日に日本最大級のイノベーションセンターであるCIC Tokyoを視察するとともに、スタートアップ4社との意見交換を実施しました。視察では、イベントスペースやコワーキングスペースをはじめとしたコミュニティ構築のための様々な工夫を見学しました。意見交換では、起業家をはじめとした人材育成、政府支援や政府からの調達の意義について議論を行っています。
▲ 首相官邸HP「令和4年2月10日 スタートアップ企業との車座対話」より引用
政策の内容は今後の発表になりますが、『科学技術立国』の実現に向けて、10兆円規模の大学ファンドの創設や、研究開発などを行う企業への税制優遇、科学技術とイノベーションへの投資への拡大を発言していることからも、創薬やバイオテクノロジー、再生可能エネルギーなどに加えて、菅政権から引き継がれたデジタル庁を軸に、デジタルインフラの社会実装やデジタルサービスの拡大が行われるものと考えられます。
スタートアップやベンチャー企業にとっても、さまざまな業種・業態でチャンスが回ってくるものと思います。
現状のスタートアップ支援策について
上記の政策動向を踏まえた国内の資金調達トレンドとしては、「オープンイノベーション促進税制」により大企業からスタートアップへのエクイティ投資は引き続き拡大していくと考えられています。また中小企業の事業再構築・生産性向上への支援も継続されるとみられ、”事業再構築補助金”や”ものづくり補助金”の維持 or 拡大される見通しです。
またリモートワークによる地方移住を促進するため、補助金が維持拡充されると考えられています。そのため、”地域創生起業支援金”は、維持拡大されるとみられ、地方の重要な中小企業への就業や起業をする移住者を支援する補助金である”移住支援金”は、最大100万円、単身者の場合は最大60万円の範囲内で、都道府県が設定する金額が引き続き給付される見込みです。
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デジタル技術の社会実装についても言及されているため、社会実装を強力に後押しする”ものづくり補助金”や”地域・企業共生型ビジネス導入創業促進事業補助金”やそれらに類似する補助金を活用することで、地方の社会課題に対してデジタル技術を用いて課題解決に導く動きは、引き続き政策として維持継続されると考えています。
概算要求
スタートアップ育成5ヵ年計画
まとめ
2022年6月には『スタートアップ5カ年計画』が表明されるということもあり、スタートアップ支援は岸田政権の目玉政策になると見られています。EXPACTとしても、今後の『スタートアップ支援』の動向には注目していきたいと考えています。
EXPACTでは、特にスタートアップ企業への補助金活用や資金調達を強みとしており、実績・経験も多数ございます。資金調達成功に向けて、パートナーを探している、また詳しく話を聞いてみたいという方はお問い合わせください。