
エクイティ・ファイナンスの革命的手法になるか?!
「株式投資型クラウドファンディング」を徹底解説
企業の資金調達方法は大きく3種類あります。
①アセット・ファイナンス
今ある「資産」を資金に変換し資金調達する
※売掛債権流動化(ファクタリング)等
②デット・ファイナンス
誰かから借りる「負債」によって資金調達をする
③エクイティ・ファイナンス
誰かから投資をしてもらう「資本」によって資金調達をする
今回は③エクイティ・ファイナンスの中でも、新たな手法として注目が集まっている
『株式投資型CF(クラウドファンディング)』について解説します。
株式投資型CF(クラウドファンディング)
そもそも株式投資型クラウドファンディングは、
企業自らが直接個人投資家から出資を募る仕組みとなっています。
通常のクラウドファンディングと構図自体は全く一緒で、株式投資型クラウドファンディングのリターン内容が、株式等(もしくは新株予約権 / Stock Option)というだけです。
エクイティ・ファイナンスについては、これまでVC(ベンチャーキャピタル)や一部の有名エンジェル投資家、上場企業 / 大企業など限られた人にしかできませんでした。
しかし、株式投資型クラウドファンディングが登場したことで、一般の個人投資家が未上場のベンチャー企業に直接エンジェル投資ができるようになりました。
運営会社(後述します)の審査を通過した個人投資家から、一口数万円からインターネット上で簡単に不特定多数から出資を受けられる新しい仕組み
で、個人投資家側は破綻リスクを負うものの、IPOやM&AなどのEXIT時に大きなキャピタルゲインを得られる可能性があります。
低金利が続く中で、貯蓄から投資へ向かう個人投資家の受け口として徐々に人気が出てきています。
クラウドファンディングには様々な種類があり、
金融商品取引法の対象となるものと、
金融商品取引法の対象外となるものがあります。
●金融商品取引法の対象外●
・寄付型
・購入型
〇金融商品取引法の対象〇
・融資型
・ファンド型
・株式投資型
上記の分類になります。
金融商品取引法の対象外となる寄付型・購入型には規制がなく、消費者契約法、特定商取引法、割賦販売法等を守っていれば、自社サイト上にプラットフォームをつくって資金調達を行うことができます。
融資型・ファンド型・株式投資型は、金融商品取引法の規制対象になるため「第二種金融商品取引業」という免許が必要です。
細かく分類すると、融資型とファンド型は同じ二種免許でも異なる免許となり、株式投資型については「第一種少額電子募集取扱業」の免許が必要です。
いずれも「運営会社」に仲介してもらう必要がありますが、運営会社は金融庁をはじめ関係各所の厳しい審査を通過して認定されるため、まだ多くはありません。
FUNDDINO | 株式会社日本クラウドキャピタル | プロ投資家向け「FUNDINNO PLUS+」が累計成約額100億円突破 | 国内シェア首位。大型ラウンド(〜10億円超)にも対応。 |
イークラウド | イークラウド株式会社 | 大和証券と連携。全26案件で目標額達成、M&Aイグジット実績あり | 審査通過率2%前後。上場企業グループの信頼性が強み。 |
ユニコーン | 株式会社ユニコーン | 取扱案件を年2〜3件に厳選し審査重視方針を継続 | 最低投資額5万円。観光Techやヘルスケアなどテーマ特化。 |
資金調達したいベンチャー企業は、運営会社のサイト内で出資を募っていきますが、こちらも運営会社ごとに審査を通過する必要があります。将来性や事業内容、ビジョンや経営メンバーの資質など、審査項目は多岐にわたります。
しかし、
自己資金を超える投資金額を負債もなく資金調達できる可能性があるため、ベンチャー企業の課題である“資金繰り”を円滑に、ビジネスを成長軌道に乗せるための新たな資金調達手段として注目されています。
制度改正で広がる選択肢
2025年2月施行の政令改正により、ECFで企業が発行できる上限が 1億円未満→5億円未満へ引上げ。
非上場株式PTSの規制緩和が進み、AngelbankやFUNDINNOが流動性市場の開設を計画。
参入要件が緩和され、新規プラットフォーム(CF Angels など)の登録が増加中。
起業家向けチェックポイント
調達規模と成約スピード
- 1〜5億円超を短期間で集めたいなら、案件数・投資家会員数が多いFUNDINNOが最有力。
- 5,000万〜1億円程度で少人数株主に抑えたい場合はイークラウドやユニコーンが適合。
株主数と管理負担
FUNDINNO/Angelbankは名義集約スキームを採用し、株主総会の運営負担を軽減。
直接株主型のユニコーンでは、株主管理を見据えた株主対応体制が必要。
出口(イグジット)実績
- イークラウドはM&Aで倍率2.69倍の償還事例あり。
- FUNDINNOはIPO(琉球アスティーダスポーツクラブ、2021年)と未上場株取引市場を有する点が優位。
投資家向け注意点
個人投資家の年間投資上限は、年1社当たり50万円・合計100万円(FUNDINNO等)とプラットフォームにより異なる。株式投資型クラウドファンディング(ECF)では、原則として「同一企業につき年間50万円まで」 と法律で定められています。プラットフォームごとに追加の年間合計上限(例:FUNDINNOの100万円など)を設けている場合がありますが、法令上は「1社あたり50万円」が基本ルールです
特定投資家への移行で上限撤廃
資産1億円以上・年収1,000万円以上など一定の要件を満たして「特定投資家」に移行すると、年間投資額の上限はなくなります。FUNDINNOなど主要プラットフォームは同制度に対応し、審査通過後は1社あたり50万円制限が適用されません。2025年改正で一社あたりの発行上限が広がった一方、ハイリスク商品である点は変わらず、案件ごとの情報開示と株式の流動性を必ず確認すること。
新株予約権という新しい資金調達
FUNDDINO新株予約権や株式投資型クラウドファンディングに近い手法として、有償の転換価格調整型新株予約権で調達するJ-KISS、なども注目を浴びています。
J-KISS(コンバーティブル エクイティ) は、
スタートアップが「簡単に早くシンプルに」資金調達を行える手法の一つになります。
詳しくはこちら
https://expact.jp/j-kiss/
シードの資金調達手法 J-KISS (日本版 Keep It Simple Security,コンバーティブルエクイティ)とは?
FUNDDINO型新株予約権も2019年にリリースされ、今後個人投資家の新たな資金の受け口として更に活況になるであろう手法と考えられます。
どのような資金調達であっても実現に向けては、事業内容や企画の影響も大きく左右するもののため、一度株式投資型クラウドファンディングについて知りたい、聞いてみたいという方はお問い合わせください。
EXPACTでは、エクイティのみならず補助金、銀行借入等の資金調達支援を行うコンサルタントが在籍しています。
ご興味がある方は、是非ともお問合せください。
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