
3つの法人印鑑の違いとは?
法人印鑑には、「実印」、「銀行印」、「角印」の3つがあります。実印は、代表者印、会社実印、法人実印、丸印などとも呼ばれ、契約書や法務手続きなどに使用されます。法人登記を変更することも可能なため、非常に重要な印鑑です。
銀行印は、取引口座を開設する際に必要な印鑑であり、金融機関届出印としても呼ばれます。また、法人銀行印には「会社名」と「銀行之印」という刻印が彫られます。角印は、社印とも呼ばれ、ビジネスシーンで日常的に使われます。
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起業して会社設立する際にどのような印鑑が必要になるのかというと、とりあえずは最低限一つの印鑑が必要となります。
設立登記の際に管轄法務局に代表者印(法人実印)の届出義務があるためです。
ここでは一般的に用意しておくことをお勧めする3つの印鑑について利用目的や効力を解説していきます。
会社設立時に準備しておきたい法人印鑑
法人の届出印は、会社設立時に準備することが推奨されています。特に、実印(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)、銀行印(銀行届出印、金融機関届出印)、角印(社印)の3つは、起業する際に最低限準備しておくべきです。
定款作成時に出資者個人(法人)の実印を使用し、設立後に使用する予定の法人印鑑は、法務局に申請する段階で使用します。
実印:(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)
銀行印:(銀行届出印、金融機関届出印) 角印:(社印) |
起業して会社設立時に最低限準備しておくことをおすすめする印鑑は、実印、銀行印、角印の3つです。
代表印は丸、社印は四角というのは単なる慣例であり、角印も法律で形状が定められているわけではありません。
起業して会社設立する際には、とりあえず3つの印鑑(実印、銀行印、角印)を用意することをおすすめします。
今はECなどで3本セットで安く購入できますので、必要な方は探してみてください。
印鑑をデザインするSirusi
▼デザイン性の高いサイファー印も登場
「サイファー印」とは、デザイン性を重視した印鑑の一種であり、「cipher(暗号)」という意味を持ちます。
この印鑑は、文字同士が繋がりあい、円を作り、文字というよりも不思議な暗号のようなデザインが浮かび上がるようにデザインされています。サイファー印は、会社や事業の屋号で作成されることが多く、文字としての実体を隠しながらも、前衛的でアーティスティックな印鑑デザインとなっています。
「印グラフィー」という名称で販売されているこの印鑑は、モダンなタイポグラフィーを取り入れたデザイン印鑑であり、デザインはこれまでに50万本以上の作成実績があるデザイナー、またはその監修を受けたデザインのみが商品として提供されています。 また、この印鑑は実印や銀行印としても利用可能であり、印鑑作成前のデザイン確認ができ、印鑑10年保証が付いているそうです。
それでは、それぞれの利用目的や効力について詳しくみていきましょう。
実印(代表者印、会社実印、法人実印、丸印)
実印は、代表者印・会社実印・法人実印・丸印などとも呼ばれることがあり、本店所在地を管轄する法務局に登録してあるものが会社の実印になります。
法務局で会社設立の手続をする際に、登録手続をする。
形式的には、法人登記を変更することも可能なとても大切な印鑑であり、実印が押されている書類は、その会社が正式な意思決定に基づいて捺印したものとして扱われます。
実印は会社を代表して使う印鑑ではあるのですが、会社の代表者の個人名は入りません。
会社自体が存続している時に、会社の代表者が交代することもあるためです。
基本的には、丸い印面の中に2重枠で作られることが多いのですが、その外枠には会社名などが入れ、内枠には、代表取締役印といった一般的に定款に記載する代表者の役職名を彫刻することが一般的です。
実印には、18㎜の丸印を用いることが多いが、実印は丸で、後述する社印は四角というのは単なる慣例であり、法律で形状が決められているわけではありません。
とても重要な印鑑で、一般的には厳密に保管されています。
会社を経営する上で、法律上必ず必要とされている印鑑は実印だけですので、日常的に業務で使うために、他の印鑑を作ることをおすすめします。
銀行印(銀行届出印、金融機関届出印)とは?
銀行印は、取引口座を開設する際に、銀行(金融機関)に届け出る印鑑です。
銀行印は、銀行届出印・金融機関届出印などとも呼ばれます。
預金の払い出しは勿論のこと、小切手・手形の発行にも必要となる銀行印は、実印同様、とても大切な法人印です。
会社を設立したばかりで、自分一人で様々な手続きを行っているうちは会社実印と法人銀行印が同一のものでも困ることはないでしょう。
銀行印と通帳さえあれば、金融機関で預金の引き出しができるため、必要に応じて経理担当者に預けることもあるが、金銭的な不正を防ぐためには、「一定額以上の送金・出金手続には役員の承認が必要」等、厳しい内規を定めておくとよいですね。
また、会社の実印(代表者印)を銀行印として届出することももちろん可能ですが、一般的には、会社の実印とは別に銀行印をつくります。
会社実印と法人銀行印が同じものだと、その唯一の印鑑が紛失した場合、あるいは盗難にあった場合、会社としての意思決定も、会社のお金を管理することもできなくなってしまいます。
また、上述のように、会社の実印は極めて効力が大きい印鑑であり、銀行印と同一にしてしまうと悪用のリスクが高まるからである。
角印(社印)とは?
角印は、日常的に多く使う印鑑で、社印などとも呼ばれることがあります。
「○○株式会社之印」というように記載され、会社の「認印」というと、この印鑑のことをいうことが多いです。
領収書、見積書、請求書など、実印を押すほどではない書類に押印が必要な場合に利用されます。
認印とはいえ、契約書に角印を押印した段階でその契約は有効になるため、社内での保管、管理には注意が必要です。
社員の誰もが捺印できるものであってはなりません。
角印に決まった形式はありませんが、一般的には正方形の四角い形状をしていることが多いです。
法人印鑑の使い分けについて
法人印鑑の中でも、特に実印と銀行印の使い分けは重要です。実印は契約書や法務手続きなど、重要な書類に使用されますが、銀行印は取引口座開設や手形、小切手などで使用されます。実印は法人登記に必要であり、登録後にはその会社の実印になります。
一方、銀行印は金融機関に届け出る必要があり、外側の円には「会社名」、内側の円には「銀行之印」という刻印が彫られます。
角印は、会社名だけが刻まれたシンプルな印鑑で、日常的な書類に使用されます。ただし、実印や銀行印とは異なり、法的効力を持たないため、重要な契約書などに使用することは避けるべきです。
3つの法人印鑑、「実印・銀行印・角印」は、それぞれ異なる使い方や効力を持っています。
法人の届出印を作成の注意点
法人用の印鑑として登録しなければ、法人の印鑑としての効力を持ちません。どのような印鑑が法人用の印鑑に適しているかについては、上記記載の内容を確認してください。以前は商業登記法第20条で印鑑届出書の提出が義務付けられていましたが、令和3年(2021年)2月15日に商業登記規則が改正され、オンラインで登記申請した場合は、印鑑届書の提出が任意になりました。一方で口座開設や銀行融資の際には必要となりますので作成と登録をしておくのが無難です。
法人印鑑は通常5種類があり、それぞれの用途や形状が異なります。書類や手続きによって使い分けることが重要です。
会社を設立する際や法人成りをする際には、実印・角印・銀行印と呼ばれる印鑑3点セットを準備することが推奨されます。
電子印鑑も選択肢の一つ
電子印鑑とは、パソコンなどからPDFファイルなどの電子文書へ捺印できる『印鑑データ』のことをいいます。クラウドで捺印することが可能になるため、時間や場所を選ばず、スムーズな捺印が可能になります。無料サービスも多数出ていますが、無料で作れるものは悪用が容易にされてしまうことや、認証能力が低いと判断されることもありますので、取引先の信頼を得るためにも有料サービスがおすすめです。
電子印鑑の制度は現在整備中でもあります。注意しておきたいのは、先に紹介した代表印や角印と法的効力に差はないとされているものの、印鑑の役割は、「本人性の証明」と「書類の非改ざん性の証明」であること、つまり契約なり受発注なり押印する書類内容を会社として認めるという証になりますので、ビジネスでのやり取りに使用する際にはセキュリティ面が担保された電子印鑑を使用しましょう。
無料でWordやExcel、PDF文書に電子印影を押印したい場合
WordやExcelの場合、オーソドックスな作り方はメニューの「挿入」から「テキストボックス」を選択し、テキストボックスに名字等文字を記載(印鑑と同様縦書きが基本です)。大きさなどを調整し再度「挿入」から「図形」に進み、楕円を選択すると、名字が印鑑の形になりますので、あとは色を入れて印鑑のように仕上げれば完成です。
PDFの場合、「Acrobat Reader」での押印が便利です。PDFファイルを開き、メニューにある「注釈」から「スタンプ」を選択して名字を登録するだけです。「スタンプ」機能の中に電子印鑑のひな型が用意されていて「承認済」などバリエーションが豊富なので、使い勝手が良いです。「スタンプパレット」機能を使えば、名前や社名などをカスタマイズして独自の印影も作成できます。
まとめ
法人印は何のためにあるかというと、『証明』です。会社の設立や各契約や受発注の書類が本物であることの証明になるので、役所でも取引先でも相手に合わせた対応ができることが望ましいです。電子印鑑のみで対応しようと思っていても取引先が導入していなければ契約を交わすことができませんので、将来的には電子が中心になっていきそうではあるものの、紙でも電子でも対応できるよう会社設立時に準備出ていることがベストですね。
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