令和6年度 経済産業省 概算要求について(抜粋)
経済産業省の概算要求において、経済産業省はスタートアップ関連や研究開発予算を中心に予算発表を行いました。環境対応やエネルギーの安定供給、新しいエネルギー分野への強化を目的としており、脱炭素やグリーントランスフォーメーションの推進、福島第1原子力発電所の廃炉、再生可能エネルギー関連の取り組みなどが主な内容として挙げられています。また、スタートアップの育成や新しい技術・仕組みの創出、ディープテックの技術活用、研究者と経営人材の仲介にも注力しています。経産省のスタートアップ関連や研究開発予算を中心にお届けします。
経済産業省は、環境対応、エネルギーの安定供給、新しいエネルギー分野への強化を目的に予算編成を進行中です。主な取り組みとして、脱炭素、グリーントランスフォーメーションの推進、福島第1原子力発電所の廃炉、再生可能エネルギー関連の洋上風力発電や太陽光の導入、次世代燃料の供給網整備、半導体工場の国内立地支援等が挙げられます。
また、スタートアップの育成、新しい技術や仕組みの創出、ディープテックの技術活用、研究者と経営人材の仲介にも注力しています。新しい技術や仕組み、価値観の創出に向け、スタートアップ(新興企業)の育成や新陳代謝の促進にも重点的に取り組む。社会課題解決への貢献が期待されながら、企業内に埋もれている「ディープテック」の技術活用やカーブアウト」を通じて、親会社から独立した新会社が手がける研究開発の支援、研究者と経営人材の仲介も行う。
2024年度税制改正において、イノベーションボックス税制の創設を要望し、これにより研究開発の成果からの所得に対する税率を優遇する制度を目指しています。この税制はヨーロッパやアジアでの導入が進む中、日本の研究開発拠点の競争力を高めるためのものです。さらに、オープンイノベーション促進税制やパーシャルスピンオフ税制の恒久化も要望されています。
上記よりスタートアップの育成や新しい技術の創出に注力していること、そして2024年度の税制改正に関する要望があることを示しています。特に、スタートアップや新技術の育成、税制改正に関する部分は、日本の経済成長やイノベーションの推進において重要な要素となるでしょう。
スタートアップの育成と技術活用:
①新しい技術や仕組みの創出
②ディープテックの技術活用
③研究者と経営人材の仲介
④企業内の「ディープテック」技術の活用や「カーブアウト」を通じた新会社の研究開発支援
2024年度税制改正(令和6年度税制改正)
①イノベーションボックス税制の創設(研究開発の成果からの所得に対する税率の優遇)を要望
②オープンイノベーション促進税制やパーシャルスピンオフ税制の恒久化の要望
③中堅・中小企業のM&A促進税制
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住民非課税世帯に対する給付金
2023年11月に、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり7万円を給付する方針がの閣議決定されました。
この給付金は、過去2年の税収増を国民に還元するためのもので、具体的な支給開始時期は2023年内から2024年の年明け頃とされています。
なお、この給付金は、既に支給されている電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金(地方交付金)3万円に加えて支給されるもので、所得税が非課税で住民税が課税の低所得者世帯には10万円が支給される予定です。
政府が、所得税と住民税の減税が及ばない非課税の低所得世帯に各7万円の給付金を早く配るため、実務を担う自治体に裏付けとなる2023年度補正予算を年内に組むよう催促する異例の通知を出したおり、一部の自治体では12月の補正予算で議決が行われ、早ければ令和5年12月末頃から順次振込予定である。
- 給付金の決定: 2023年11月に、日本政府は住民税が非課税の世帯に対して、1世帯あたり7万円の給付金を支給することを閣議決定。
- 支給目的: この給付金は、過去2年間の税収増を国民に還元するために行われます。支給開始時期は2023年内から2024年の年明け頃とされています。
- 追加支給: この給付金は、既に支給されている電力、ガス、食料品価格高騰支援給付金(3万円)に加えて支給されるものです。所得税非課税で住民税課税の低所得者世帯には合計で10万円が支給される予定です。
- 給付金の詳細: 住民税の「均等割」のみを納めている世帯にも一律10万円が支給されます。18歳以下の子ども1人当たり5万円が上乗せされます。これにより、所得税と住民税の両方が非課税の世帯と同水準の支給を目指します。
- 資金源と時期: 2023年度予算の予備費が資金源として使われ、2024年2月から3月に給付が開始される予定です。
- 給付対象者: 均等割のみを納めている世帯は約500万人と推計されています。
- その他の減税措置: 政府は所得税と住民税を合わせて1人当たり4万円の定額減税を2024年6月から実施する計画です。
分類 | 給付金額 | 条件・詳細 | 備考 |
---|---|---|---|
所得税と住民税が非課税 | 7万円 | 3月の物価高騰支援給付金3万円を加えて合計10万円支給 | 18歳以下の子ども1人当たり5万円上乗せ |
住民税の均等割だけ納めている | 10万円 | 一律支給 | |
所得税や住民税の納税義務が定額減税の4万円に満たない | 定額減税との差額補填を1万円単位で給付 | ||
所得税と住民税を納税 | 1人当たり4万円の定額減税 | 2024年6月から実施 |
ただし、現時点では国から自治体に対して具体的な内容や手続きについては示されておらず、詳細が決まり次第、各自治体のホームページや広報紙等でお知らせされる予定です。
給付金の申請方法や必要書類などの詳細は、お住まいの市区町村の発表を確認ください。
※大阪府豊中市、広島県福山市、東京都八王子市、愛知県岡崎市、神奈川県横浜市、熊本県熊本市、大阪府大阪市、愛知県名古屋市、北海道札幌市、福岡県福岡市、京都府京都市、神奈川県川崎市、埼玉県春日部市
住民税非課税世帯への7万円給付には、オンラインを活用した申請と給付の仕組みが準備されており、ファストパス制度の導入が想定されています。ファストパス制度とは、ディズニーランドなどでアトラクションに並ばずに乗れるチケットを想像する人が多いかもしれません。
今回話題となっているファストパス制度とは、自治体からの通知に含まれるQRコードをスマートフォンで読み込み、オンラインで申し込む仕組みです。例えば、品川区ではオンライン申請により、最短で6日で給付できた事例もあるということです。また、郵送が不要な「スーパーファストパス」制度の準備も進めている。自治体から案内が来る前に対象者が自らネットで申請作業を進めることができる仕組みを想定している。
オンライン以外での申請方法や必要書類については、市区町村からの発表を待つことが必要です
また、子育て世帯には、子どもの数に応じて追加支給が検討されています。
外国の方は、以下の英語をご覧ください。
デジタル社会の実現・生成AIへの対応 【1,591億円(366億円)】
省電力や高度な計算能力の確保に繋がる先端半導体やパワー半導体、先端的なパッケージング技術、製造装置・部素材等の製造基盤整備、国際連携による次世代半導体等の研究開発を支援する。
GXを実現する半導体の製造サプライチェーン強靱化支援事業【1,078億円(新規)】
➢ チップレット設計基盤構築に向けた技術開発事業【20億円(5億円)】
➢ 省エネAI半導体及びシステムに関する技術開発事業【50億円(34億円)】(エネ特)
※ 経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業【9,582億円(R4補正)】
※ ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業【4,850億円(R4補正)】(一部GX)
※ 先端半導体の国内生産拠点の確保【4,500億円(R4補正)】
デジタル技術の社会実装に向けたドローン航路や自動運転支援道の設定等についての先行地域での取組(デジタルライフライン全国総合整備計画の策定・実施)を含む人流・物流分野のデジタル化・標準化や東京圏・大阪圏を補完・代替するデータセンター拠点の整備、PHR(Personal Health Record)を活用したサービスの創出、プログラム医療(SaMD)の開発・実用化等を推進する。
➢ 産業DXのためのデジタルインフラ整備事業【33億円(24億円)】
➢ 次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト【35億円(31億円)】(エネ特)
➢ 無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業【51億円(65億円)】(エネ特)
➢ 独立行政法人情報処理推進機構運営費交付金【69億円の内数(70億円の内数)】
➢ データセンターの地方拠点整備【15億円(1億円)】
➢ ヘルスケア産業基盤高度化推進事業【13億円(9億円)】
計算資源の拡充や生成AIに係る競争力のある基盤モデル開発促進、量子技術の産業化に向けた情報処理基盤の構築、生成AI等の活用も踏まえたデジタル人材の育成、未踏事業による若手人材育成を行う。
また、G7サミットで合意されたDFFT具体化に向けた国際枠組みの立ち上げ、セキュアなソフトウェア・IoT機器の流通促進、サイバー対処能力の向上などを通じた国際競争力のあるデジタル社会実現を目指す。
➢ IoT社会実現に向けた次世代人工知能・センシング等中核技術開発【38億円(35億円)】
事業名: IoT社会実現に向けた次世代人工知能・センシング等中核技術開発事業
事業目的: 少子高齢化と社会の変革に対応し、様々な社会課題を解決するためのAI技術を広範に実装。具体的には、次世代AI基盤技術、AIリモート技術、センシング技術の開発を進め、Intelligence of Things社会を構築することを目指す。
成果目標: 平成27年度から令和6年度までの10年間の事業。令和7年度には15件のアウトプットを、令和11年度までには27件のアウトプットと短期・長期アウトカムの創出を目指す。
事業概要:
(1)次世代AI基盤技術開発:「人と協調できるAI」と「容易に構築・導入できるAI」の技術開発。
(2)革新的リモート技術開発: AI技術を活用した新しいリモート化技術の高度化。
(3)革新的センシング技術開発: 超微小量センサや過酷環境用センサの開発、信頼性評価・向上技術の確立。
➢ 生成AIに係る情報処理基盤産業振興事業【4億円(新規)】
事業名:
生成AIに係る情報処理基盤産業振興事業
要求額:
令和6年度で3.7億円(新規)
事業目的:
生成AIのインパクトを活用し、経済・社会・国民生活を高度化させるための産業基盤を確保。これには、生成AIの基盤モデルの開発と、その計算資源の高度化が必要とされる。
成果目標:
2024年から2026年の3年間で、特定分野での基盤モデルの開発と事業化を目指す。最終目標としては、事業に関連する売上高で予算額を上回り、生成AIの産業基盤を確保すること。
事業概要:
生成AIの基盤モデル開発に取り組む企業を段階的に選定し、グローバル市場で競争力のある企業のみを継続的に支援する。
➢ 量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業【15億円(10億円)】(エネ特)
➢ 地域の中堅・中核企業の経営力向上支援事業【27億円(25億円)】
事業名: 地域の中堅・中核企業の経営力向上支援事業
事業目的:
①地域経済の持続的な成長と良質な雇用の創出を促進するため、地域の中堅・中核企業の経営を強化。
②人材の獲得とデジタル人材の育成を推進。
成果目標:
①新事業計画の策定と達成、売上計上の増加を目指す。
②地域の人材獲得の継続と地方と東京圏の人の移動の均衡を目指す。
③企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みと人材の貢献を増加させる。
事業概要:
①地域の中堅・中核企業の新事業展開をサポートし、ネットワーク構築を支援。
②地域の人材獲得や中小企業の経営課題の解決をサポート。
③デジタルスキルの標準化と地域のデジタル人材育成を強化。
➢ 国立研究開発法人産業技術総合研究所運営費交付金【654億円の内数(618億円の内数)】
※ 経済環境変化に応じた重要物資サプライチェーン強靭化支援事業【9,582億円(R4補正)】(一部GX)
※ ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業【4,850億円(R4補正)】(一部GX)
➢ 規制改革推進のための国際連携事業【2億円(1億円)】
➢ 産業サイバーセキュリティ強靭化事業【28億円(24億円)】
➢ サイバーセキュリティ経済基盤構築事業【22億円(20億円)】
➢ サプライチェーン・中小企業サイバーセキュリティ対策促進事業【2億円(新規)】
➢ 独立行政法人情報処理推進機構運営費交付金【69億円の内数(70億円の内数)】
イノベーションの推進
① スタートアップ育成・新陳代謝の促進 【168億円(141億円)】
スタートアップ等へのリスクマネー供給の強化をはじめとした資金供給・人材確保・出口戦略の強化に向けた環境整備等を推進する。
また、未踏事業の育成規模拡大やIT分野以外への横展開、カーブアウトした企業等が行う研究開発等の支援、研究者と経営人材のマッチング、女性を含む起業家の育成、革新的な医療・スタートアップの研究開発支援、海外ビジネス拠点の創設等を通じた国内外のスタートアップの協業などを推進する。
さらに、自動車部品サプライヤー等に特化した事業転換支援やWeb3.0推進に向けた事業環境整備を進める。
➢ GX分野のディープテック・スタートアップ支援事業【407億円(新規)】(GX)(再掲)
※国庫債務負担行為(5年):2,034億円
➢ 独立行政法人情報処理推進機構運営費交付金【69億円の内数(70億円の内数)】(再掲)
➢ ディープテック・スタートアップの起業・経営人材確保等支援事業【31億円(20億円)】
ディープテック分野の技術やアイディアを基盤とした起業と初期段階での成長をサポートし、ディープテックのスタートアップエコシステムの広がりを目指す。主に大学や研究機関などの技術や人材と、経営のマッチングを促進する。
主な活動
①若手のディープテック人材の発掘と起業家育成。
②事業会社の技術を利用したカーブアウト(独立新事業の創出)の促進。
③大学からのスタートアップでの経営人材の確保。
成果目標
令和5年〜9年間の事業を通じて、短期、中期、長期の各段階で、資金調達や起業、シリーズBの資金調達などの目標を設定。
大学発のスタートアップ数を2027年度に4,000社以上とすることを目指す。(令和4年度は3,782社)
実施機関
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主に実施。
➢ 国立研究開発法人産業技術総合研究所運営費交付金【654億円の内数(618億円の内数)】(後掲)
➢ ユニコーン創出支援事業【12億円(7億円)】我が国の経済成長を持続させるため、スタートアップがイノベーションの中心としての役割を果たすことが重要である。
政府は、スタートアップが成長できる環境を整備するため、積極的にリソースを投入する必要がある。
このプロジェクトの目標は、世界クラスのスタートアップを育成すること。具体的な目標として、令和15年度までにJ-Startup選定企業の女性起業家の割合を20%以上にし、令和9年までにリーガルサポートを受けたスタートアップが30件の規制改革を利用することを挙げている。
事業概要としては、スタートアップの支援プログラム「J-Startup」の運営、女性起業家支援、リーガルサポートの提供、そしてスタートアップの海外展開支援プログラム「J-StarX」の実施や、JETROの「Global Acceleration Hub」でのサポートが含まれる。
➢ 医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靭化事業【42億円(40億円)】
事業名: 医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靱化事業
要求額: 令和6年度で42億円(前年度は40億円)
事業目的:
世界最高水準の技術を用いた医療提供と経済成長への寄与を目的に、先進的な医療機器やシステムの開発と普及を推進。
高齢化と介護ニーズ増加を踏まえて、ロボット技術を活用した介護機器の開発を支援し、介護の質と生産性の向上を目指す。
成果目標:
医療機器に関して、令和11年度までに国内5件、令和14年度までに米国4件の実用化。
ロボット介護機器に関して、令和9年度までに30%の実用化、令和16年度までに5%の海外展開。
事業概要:
国際競争力を持つ先端医療機器・システムの開発支援。
未来の医療機器向けの基盤技術研究開発を支援。
医療機器の実用化推進のためのガイダンス策定。
ロボット技術を活用した介護機器の開発支援とその安全性・効果の評価。
➢ 医工連携イノベーション推進事業【20億円(19億円)】
事業名: 医工連携イノベーション推進事業
主な目的:
日本の「ものづくり技術」を活用して、医療現場の課題に対応する医療機器の開発・事業化を推進。
医療機器産業の活性化と医療の質の向上を実現。
国際競争力のある医療機器の開発やベンチャー企業の参入を促進。
成果目標:
短期: 本事業の助成終了時に採択企業の100%が製造販売業許可を取得。
長期: 助成終了後の5年で、採択課題の30%以上の製品を上市。
事業概要:
医療機器開発・事業化の支援:
ものづくり企業やベンチャー企業との連携で、医療現場ニーズに応じた医療機器の開発・事業化をサポート。ベンチャーキャピタルが難しいアーリーステージの活動も実施。
医療機器開発支援ネットワークの充実:
知財・法務などの課題や新規参入、国際展開に関する課題を対応。全国展開する「医療機器開発支援ネットワーク」を利用して、伴走コンサルタントなどの支援を行う。
地域連携拠点の自立化推進:
地域のシーズとニーズのマッチングを推進し、医療機器開発エコシステムの形成をサポート。
➢ 予防・健康づくりの社会実装に向けた研究開発基盤整備事業【18億円(14億円)】
➢ スタートアップ知財支援基盤整備事業【3億円(2億円)】(特許特)
➢ CASE対応に向けた自動車部品サプライヤー事業転換支援事業【7億円(6億円)】
事業名:
CASE対応に向けた自動車部品サプライヤー事業転換支援事業
要求額:
令和6年度で6.7億円(前年度は6.0億円)
事業目的:
・2023年とその後の方針やグリーン成長戦略に基づき、自動車のライフサイクル全体のカーボンニュートラル化と2035年までの乗用車新車販売での電動車100%化を目指す。これらの目標に向け、影響を受ける中堅・中小の自動車部品サプライヤーの事業転換を支援する。
成果目標:
短期: 年間1,200社に対して、実地研修・セミナー、専門家派遣の支援。
中期: 令和8年度までに、事業転換を進める中堅・中小企業数を累計1,000社以上に。
長期: 2035年までに乗用車新車販売での電動車100%実現。
事業概要:
・全国の支援拠点で、中堅・中小自動車部品サプライヤーに向けたCASEの潮流や電動化への対応の啓発を行う。
・研修・セミナーの開催、戦略策定、技術開発、人材育成、設備投資等の課題に対する分析・相談を提供。
・サプライヤーの経営課題に応じて専門家を派遣し、適切な支援を実施。
② イノベーションエコシステムの構築 【1,030億円(895億円)】
バイオ分野等をはじめとした、若手研究者に対する支援や新産業・革新技術創出に向けた研究開発の促進、衛星コンステレーション構築等の宇宙開発を抜本的に加速するためのJAXAによる弾力的な資金供給能力の強化、ディープテック分野の人材発掘・起業家育成等の支援の強化、「日本型標準加速化モデル」の実現を通じた研究開発成果の社会実装・市場創出の促進等を進める。
➢ 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業【57億円(53億円)】
➢ 再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業【41億円(37億円)】
➢ 新産業・革新技術創出に向けた先導研究プログラム【28億円(19億円)】
事業名: 新産業・革新技術創出に向けた先導研究プログラム
事業目的: 新産業創出や社会課題解決のための革新的技術や解決策の発掘・育成。技術分野の状況や市場を俯瞰し、国家プロジェクトの立ち上げや共同研究を円滑化・洗練化することを目的としている。
成果目標: 平成30年度から令和9年度までの10年間。令和6年度には8件の委託テーマと15件の懸賞金応募を、令和11年度には累計20件の国家プロジェクト化と累計15件の共同研究を目指す。
事業概要:
(1)委託型: 革新的なシーズを発掘するため、大学・企業等からの情報収集や政策ニーズを基に研究課題を公募。平成30年度より、15~20年後の社会実装を視野に入れた先導研究を実施。
(2)懸賞金型: 技術や社会課題の多様な解決策を発掘するために、R5年度からコンテスト形式の研究開発方式を試行導入。
➢ 国立研究開発法人産業技術総合研究所運営費交付金【654億円(618億円)】
➢ 宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業【27億円(19億円)】
事業名:
宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(SERVISプロジェクト)
事業目的:
超小型・小型衛星を多数打ち上げて運用する衛星コンステレーションのビジネスを推進し、宇宙産業の革命を進める。
地上の先進技術を活用して宇宙部品を実用化し、宇宙活動の自立性を維持する。
成果目標:
- 令和4~6年度:宇宙部品試験データの取得・共有の仕組み構築。
- 令和3~7年度:超小型衛星の汎用バスの実用化数を2件。
- 令和6年度:衛星コンステレーションビジネスの事業化を5件。
- 令和4~6年度:衛星データを活用したソリューションの事業化を3件。
事業概要:
- 宇宙部品の試験環境を整備し、データ取得・共有を効率化。
- 民生技術を活用して、超小型衛星の汎用バスを開発・実証支援。
- 小型衛星の量産や衛星ソフトウェア化などの要素技術の研究・開発。
- 衛星データの利用環境を整備し、そのデータを基にソリューションの開発を支援。
➢ ディープテック・スタートアップの起業・経営人材確保等支援事業【31億円(20億円)】
➢ 官民による若手研究者発掘支援事業【17億円(13億円)】
➢ 国際ルール形成・市場創造型標準化推進事業【25億円(22億円)】
➢ エネルギー需要構造高度化基準認証推進事業【25億円(25億円)】(エネ特)
子どもたちの多様な学びのニーズを満たす教育イノベーションの実現、アート・ファッション・コンテンツ等の海外展開支援を進めるとともに、「未来社会の実験場」としての大阪・関西万博において、健康・医療などの分野で我が国の新しい技術・システムを世界に発信する。
➢ 学びと社会の在り方改革推進事業【10億円(新規)】
事業名: 学びと社会の在り方改革推進事業
主な目的:
①DXの進行と将来予測の困難さを背景に、協働や主体性などの能力を育てることを重視。
②民間教育サービスの促進と教育DXを進め、多様なニーズのある子どもたちの成長をサポートし、日本経済の成長を目指す。
③学校等で「学びと社会の在り方改革」・教育DXの実証を行い、成功事例を全国で展開する。
成果目標:
①「未来の教室」スクール事業: 短期的には実証事業の成功を、最終的には全国での展開を目指す。
②学びのイノベーション企業創出支援事業: 短期的にはEdTech企業の事業進展10件、中長期的には国内外展開の事例を目指す。
事業概要:
①「未来の教室」スクール事業: 学校外での学びの場(サード・プレイス)を提供し、全国的に展開。教育活動資金の確保や教育DXの事例を実施。
②学びのイノベーション企業創出支援事業: 教育スタートアップとサポーターを結集し、アクセラレーションプログラムや海外展開支援を提供して、学びのイノベーション企業のエコシステムを構築する。
➢ コンテンツ海外展開促進事業【13億円(11億円)】
事業名:
コンテンツ海外展開促進事業
事業目的:
①アニメ、ゲーム、マンガ、音楽、映像などのコンテンツ産業は成長の可能性があり、IP活用やソフトパワー発揮などで経済波及効果やサービス収支改善が期待される。
②日本のコンテンツは国際的に評価が高いが、ポストコロナ時代の変化した競争環境や国内市場の縮小を考慮し、デジタル・グローバル対応が急務。
③この事業は、コンテンツ事業者のビジネスモデル変革を支援し、海外展開を促進することを目的とする。
成果目標:
令和14年度までに、日本のコンテンツ産業の「海外市場規模」を7兆円にする。
事業概要:
コンテンツ産業の海外展開を推進するための取組として:
①海外進出のための「場の整備」
②海賊版対策の推進
③政府間対話を基にした国際連携の推進
➢ 国際博覧会事業【44億円(24億円)】
➢ ヘルスケア産業国際展開推進事業【5億円(4億円)】
事業名:
ヘルスケア産業国際展開推進事業
要求額:
令和6年度で5.4億円(前年度比4.1億円)
主な目的:
アジア・アフリカの新興国や途上国に焦点を当てて、日本のヘルスケア産業の海外展開を促進する。
新興国のヘルスケア課題の解決に貢献し、成長する海外のヘルスケア市場を活用して、日本のヘルスケア産業を活性化させる。
成果目標:
アジア・アフリカ健康構想の実現と、海外でのヘルスケア事業の成功を新規に形成し、持続的な海外市場獲得を目指す。
事業概要:
アウトバウンド: 新興国でのヘルスケア事業の展開や市場創出に向けた実証調査を実施し、現地の関係者や政府とのネットワークを構築・強化。
インバウンド: 日本への医療渡航に関する調査やプロモーション活動を推進。
構造的課題への対応
① 人手不足への対応、賃上げ、人への投資 【66億円(65億円)】
中小企業等の自動化・IT化の推進支援、「物流の2024年問題」対応のための支援・制度整備及びフィジカルインターネットの実現、介護における公的保険外サービスの振興による健康増進・介護離職防止、高度外国人材の受入れ拡大に向けた取組を行う。
➢革新的ロボット研究開発等基盤構築事業【11億円(10億円)】
※ 中小企業生産性革命推進事業(IT導入補助金)【2,000億円(R4補正)の内数】
事業名:
革新的ロボット研究開発等基盤構築事業
事業目的:
人手不足対応と生産性向上を目的に、ロボットの幅広い産業への導入と社会実装の加速。
成果目標:
- 2024年度までに、施設管理、小売、食品製造のロボットフレンドリー環境に関する標準規格を3件策定。
- 10台以上の遠隔監視・操作が可能な自動配送ロボットの実用化件数を2件。
- 未導入領域へのロボット実装の要素技術を2件創出。
- 2029年度を目途に、ロボットの動作効率を1.5倍向上。
事業概要:
- ロボットの未導入領域での導入に向け、ロボットに適した環境を実現するための研究開発。
- 産業界と大学や研究機関との協力で、産業用ロボットに関連する技術の研究開発を推進。
補助:
2/3を民間企業等から、国定額補助やNEDOからの国交付を利用。
実現を目指す分野:
ビル清掃、惣菜の盛り付け、自動配送ロボットの公道走行など。
➢ 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業【7億円(7億円)】
➢ ヘルスケア産業基盤高度化推進事業【13億円(9億円)】(再掲)
事業名:
ヘルスケア産業基盤高度化推進事業
主な目的:
・社会全体での健康への投資を促進し、適切なヘルスケアサービスの創出と利用環境の整備。
・5年間の事業を通じて、国内ヘルスケア産業の成長と国際的な競争力を確保することを目指す。
事業概要:
委託事業:
①健康経営の普及や効果的な取り組みの評価・分析、健康への投資の価値の可視化。
②介護保険外サービスの信頼性確保と新たな介護サービス受け皿の整備。
③PHRを活用した個人に即したヘルスケアサービスの創出と普及の環境整備。
補助事業:
企業と保険者の連携による従業員の健康増進取り組みの促進。健康経営顕彰制度の事務局運営や健康経営度調査の設計のための経費を補助。
➢ 技術協力活用型・新興国市場開拓事業【39億円(39億円)】
➢ 製造業における外国人材受入れ支援事業【3億円(3億円)】
➢ 少子化対策関連サービス需要創出・基盤強化事業【0.4億円(新規)】
事業名: 少子化対策関連サービス需要創出・基盤強化事業
主な目的:
①短期的に家事支援サービスを福祉厚生サービスとして提供する企業を増やす。
②長期的には、家事支援サービスの普及を拡大する。
③このサービスの普及によって、新しい市場の創出や産業の発展を促進し、家事の負担を軽減して、仕事と子育ての両立をサポートし、少子化対策に貢献することを目的とする。
成果目標:
家事支援サービスの企業向け福利厚生への導入を促進し、新たな市場の創出や産業の発展と、少子化対策の好循環を実現する。
事業概要:
家事支援サービスを提供する事業者が、企業向けの福利厚生サービスの導入を推進する際の経費の一部を国から補助を受けることができる。
補助金等による賃上げ支援、人的資本経営コンソーシアムの活動拡大、出向起業の促進、フェムテックの利活用による女性活躍の推進、健康経営の更なる推進、リスキリングと労働移動の円滑化の一体的支援等による人への投資を進める。
➢ 中小企業取引対策事業【36億円(24億円)】(後掲)
※ 中小企業等事業再構築促進事業【5,800億円(R4補正)】
※ 中小企業生産性革命推進事業【2,000億円(R4補正)】(再掲)
➢ 多様な人材の活躍による企業価値向上促進事業【5億円(6億円)】
事業名: 多様な人材の活躍による企業価値向上促進事業
事業目的:
急速に転換する産業構造において、多様な人材の活躍を通じてのイノベーション創出と企業価値の向上が必要。
これを実現するため、多様な経験や発想を持つ人材の活躍ができる環境を提供する。
主要な取り組み:
①自ら起業する意向のある人材への出向等の支援。
②フェムテックを活用した女性の両立支援。
成果目標:
①出向起業スタートアップの累積創出が50社以上。
②フェムテック等のサポートサービス実証事業におけるプレゼンティーイズムの損失割合を40%以下にする。
事業概要:
①出向起業補助金: 大企業の人材が自ら起業する際の事業費に対する補助を行う。
②フェムテックの利活用:健康課題を持つ女性の就労継続のため、フェムテックの活用に関する実証事業に補助を提供。
➢ ヘルスケア産業基盤高度化推進事業【13億円(9億円)】(再掲)
※ リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業【753億円(R4補正)】
② 地域の中堅、中小企業・小規模事業者の発展、投資環境の整備 【1,143億円(936億円)】
半導体等の経済安全保障上重要な産業の立地に伴う水需要の増加等に対応した工業用水道の整備を支援する。
➢ 工業用水道事業費【47億円(20億円)】
中小企業・小規模事業者の事業再構築・生産性向上、環境変化に対応した資金繰り支援、親族内承継やM&Aを含む第三者承継を契機とした変革の推進、イノベーション支援等による成長志向の中小企業創出、経営者保証に依存しない融資慣行を推進する。
さらに、日本・地域経済を牽引する中堅企業の国内投資・イノベーション・人材確保に対する支援を行う。
➢ 中小企業信用補完制度関連補助事業【70億円(35億円)】
事業名:
中小企業信用補完制度関連補助事業
事業目的:
日本全国の51の信用保証協会が、資金繰りに困難を抱える中小企業のための民間金融機関からの融資を保証することで、中小企業の資金繰りをスムーズに進める目的。
成果目標
①経営安定関連保証等対策費補助事業で、中小企業の資金繰りの円滑化。
②信用保証協会が提供する経営支援を通じて、中小企業の経営改善。
事業概要:
①経営が困難な中小企業に対する融資を全国の51の信用保証協会が保証し、もし債務不履行が生じた場合はその損失の一部を補填。さらに、経営者保証改革の推進と新制度の導入に伴い、保証料の補助と損失の一部補填が行われる。
②中小企業の経営支援を推進するために、信用保証協会が専門家を派遣し経営支援を行うことを後押し。
➢ 中小企業活性化・事業承継総合支援事業【223億円(157億円)】
事業名: 中小企業活性化・事業承継総合支援事業
事業目的:
財務上の問題を持つ中小企業の収益力改善・事業再生を支援。
後継者が不在の中小企業の事業承継・事業引継ぎを支援。
地域の経済と雇用の基盤を維持・強化。
成果目標:
中小企業活性化事業: 二次破綻率を3年のモニタリング期間で1.9%以下にする。
事業承継総合支援事業: 全国の支援センターで3,300件の成約を目指す。
事業概要:
中小企業活性化事業:
認定支援機関に設置された協議会での専門家相談、再生計画の策定支援、ガバナンス体制の整備支援を行う。特に、民間ゼロゼロ融資の返済に伴う再生計画策定の増加が予想されるため、前年度より予算増額。
事業承継総合支援事業:
全国の認定支援機関に設置された支援センターで、後継者不在の企業と事業譲受希望者のマッチング、事業承継診断・計画策定の支援、M&A支援機関の登録制度の整備などを行う。サプライチェーン事業承継の促進や事業承継機運の高まりによる対応案件の増加が予想されるため、前年度より予算増額。
➢ 後継者支援ネットワーク事業【6億円(2億円)】事業名: 後継者支援ネットワーク事業
要求額: 令和6年度で5.5億円(前年度は2.1億円)
事業目的:
地域の中小企業の後継者が新規事業や事業再構築を推進することを支援し、地域経済の再生と、国内外で活躍するビジネスリーダーの育成を目指す。多様な支援機関が後継者支援に関与し、後継者支援のエコシステムを生み出すことを期待。
成果目標:
令和9年度までに、50件の新規事業展開や事業拡大を達成。
事業概要:
全国大の後継者向けピッチイベントを開催。
地域の支援機関を活用し、後継者を発掘し、地方大会の参加者を増加させる。
大会参加者は、経験豊富な経営者から事業計画のアドバイスを受けることで、そのスキルを向上させる。
決勝大会で優れた成果を上げた後継者は、継続的な経営指導を受ける体制を確立。
➢ 成長型中小企業等研究開発支援事業【134億円(133億円)】
事業名: 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)
事業目的:
中小企業が下請け構造を超え、持続的な成長を実現するための研究開発と事業化の支援。
中小企業のイノベーションを自立的に創出するエコシステムの形成。
成果目標:
短期的: 個々のプロジェクトの研究開発達成度を50%以上。
長期的(事業終了後5年):
事業化を達成するプロジェクトが50%以上。
補助事業者全体の付加価値額が15%以上向上。
給与支給総額が7.5%以上向上。
補助事業の総売上累計額が総予算投入額の150%。
事業概要:
①中小企業と研究機関の連携による研究開発や試作品開発を最大3年間支援。
②研究開発成果の販路開拓も支援する。
③中小企業のイノベーション創出を強力に支援する活動の普及・拡大の実証事業実施。
➢ 独立行政法人中小企業基盤整備機構運営費交付金【212億円(183億円)】
➢ 日本政策金融公庫補給金【151億円(146億円)】
※ 中小企業等事業再構築促進事業【5,800億円(R4補正)】(再掲)
※ 中小企業生産性革命推進事業【2,000億円(R4補正)】(再掲)
➢ 地域の中堅・中核企業の経営力向上支援事業【27億円(25億円)】
➢ 地域の社会課題解決企業支援のためのエコシステム構築実証事業【7億円(新規)】
事業名: 地域の社会課題解決企業支援のためのエコシステム構築実証事業
要求額: 令和6年度で6.7億円(新規)
背景:
地方公共団体の社会課題対応が増加し、地域中小企業による持続的な課題解決やインパクト投融資を求めるエコシステムの必要性が高まっている。
目的:
社会課題解決と収益性を両立させる事業モデルの普及と、関連するステークホルダーとの協業推進。
成果目標:
短期: 指針に基づいたエコシステムの協業が有効と認識する関連プレイヤーの割合を80%にする。
長期: 社会課題解決と収益性を両立する企業の割合を60%にする。
事業概要: 令和5年度中に策定する社会的インパクトの評価指針に基づき、地域のソーシャルビジネス支援エコシステムを構築。エコシステムの中心となる中間支援団体を通じて、複数の社会課題解決事業モデルを実証する。
➢ 産学融合拠点創出事業【2億円(2億円)】事業名: 産学融合拠点創出事業
要求額: 令和6年度で2.0億円
事業目的:
オープンイノベーションの推進と、多対多の産学連携マッチングの拠点を創出。大学を地域オープンイノベーション拠点としてのハブにする。
成果目標:
短期: 令和7年度までに、産学連携プロジェクトを60件、産学官連携のネットワーク参加機関を130機関にする。
中期: 令和7年度までに、大型産学連携プロジェクトを38件、大学発ベンチャーを10件にする。
長期: 令和7年度までに、産学連携プロジェクトの資金調達を112.5億円、令和12年度までに、運用資金の民間資金の割合を90%以上にする。
事業概要: 地域と大学の産学官のネットワークを強化し、自治体や経済団体とも連携してモデル拠点を創出。地域産業のニーズと大学の技術をマッチングさせるイベントを支援。特色・強みがある地域オープンイノベーション拠点を評価し選抜して、信用力を高め、連携を促進する。
加えて、中小企業等の海外展開支援及び海外進出先での事業を担う現地人材の育成等を行う。貿易プラットフォームの活用促進に向けた支援や貿易手続データ連携のための国際標準の改定に向けた働きかけ等により高効率なサプライチェーンを構築し、輸出入コストの引き下げによる日本の立地競争力を強化する。
また、海外からの資金や高度な人材、革新的な技術等の取り込みにつながる対日投資を促進する。
➢ 現地進出支援強化事業【45億円(35億円)】
➢ 技術協力活用型・新興国市場開拓事業【39億円(39億円)】
➢ 独立行政法人中小企業基盤整備機構運営費交付金【212億円の内数(183億円の内数)】
➢ 貿易プラットフォーム活用による貿易手続きデジタル化推進事業【15億円(新規)】
➢ 独立行政法人日本貿易振興機構運営費交付金【295億円の内数(266億円の内数)】
最重要課題:福島復興の更なる加速【910億円(753億円)】
福島第一原子力発電所の廃炉の安全かつ着実な実施、安全性確保及び風評対策を徹底したALPS処理水の海洋放出を行う。
また、特定帰還居住区域をはじめとした帰還困難区域の避難指示解除に向けた取組の推進、事業・なりわい再建、新産業創出、交流人口拡大、芸術文化を通じた復興を進める。
➢ 廃炉・汚染水・処理水対策事業【176億円(149億円(R4補正))】
※ ALPS処理水の海洋放出に伴う影響を乗り越えるための漁業者支援事業【500億円(R4補正)】
※ ALPS処理水風評影響対策事業【300億円(R3補正)】
➢ 原子力災害による被災事業者の自立等支援事業【27億円(16億円)】(復興特)
➢ 福島国際研究教育機構関連事業【83億円(88億円)】(復興特)
➢ 福島イノベーション・コースト構想推進施設整備等補助金【51億円(52億円)】(復興特)
➢ 福島イノベーション・コースト構想推進基盤整備事業【9億円(9億円)】(復興特)
➢ 原子力被災地域における映像・芸術文化支援事業【3億円(3億円)】(復興特)
➢ 福島医薬品関連産業支援拠点化事業【20億円(20億円)】(復興特)
➢ 福島県医療機器開発・安全性評価センター整備事業【2.8億円(3.2億円)】(復興特)
➢ 自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金【130億円(141億円)】(復興特)
➢ 地域の魅力等発信基盤整備事業【4億円(2億円)】(復興特)
➢ 原子力損害賠償廃炉等支援機構交付金【470億円(470億円)】(エネ特)
内閣府 スタートアップ関連予算
スタートアップ・科学技術・イノベーションへの投資:
予算: 67,867億円 + 事項要求59,067億円
目的: 「第6期科学技術・イノベーション基本計画」および「統合イノベーション戦略2023」に基づき、新資本主義の実現と持続的経済成長を目指す。知や先端技術の創造とイノベーション・エコシステム形成を推進し、科学技術立国の再興を目指す。
原子力政策: 安全確保、国民理解、平和利用等の取組を実施。
知的財産政策: 知的財産の創造、保護、活用に関する施策を推進。知的財産戦略本部の運営やクールジャパン戦略も進める。
規制改革: 規制改革推進会議を通じて、経済社会の構造改革に必要な規制の改革を継続。
健康・医療戦略:
「健康・医療戦略」と「医療分野研究開発推進計画」に基づく、健康長寿社会形成に向けた先端的研究開発と新産業創出の推進。
医療分野の研究開発に資するデータ利活用基盤の構築。特に、新しい健康・医療・介護システム実現に向け、匿名加工医療情報や仮名加工医療情報の積極的利活用を推進。
➢ ムーンショット型研究開発事業【3.8億円(3.8億円)】
事業名:
ムーンショット型研究開発事業
要求額:
令和6年度で3.8億円
事業目的:
我が国が直面する少子高齢化や地球温暖化問題等の困難な課題解決を目指し、世界のトップ科学者と関係府省が連携して挑戦的な研究開発を進める。
成果目標:
平成30年度からスタートし(終了時期未定)、短期的には進捗や成果をマネジメント会議で確認。2050年までの長期目標は、地球環境の再生と持続可能な資源循環の実現。
事業概要:
未来の産業や社会を変える大規模な構想を掲げ、世界のトップ研究者を集める。制度的な見直しやポートフォリオ・マネージメントを導入して、挑戦的かつ透明な研究開発を推進。経済産業省はNEDOの基金を通じて、該当分野の研究開発を支援。
➢ 健康・医療分野におけるムーンショット型研究開発等事業【1億円(1億円)】
事業名:
健康・医療分野におけるムーンショット型研究開発等事業
事業目的:
野心的な目標に基づいて、困難だが社会的に大きなインパクトが期待される課題を解決するための研究開発を推進。
2040年までに、疾患を予防・克服し、100歳まで健康に生活できる持続可能な医療・介護システムを構築。
成果目標:
短期: 優れた進捗を持つプロジェクトの採択(目標9件)
長期: 2040年までに、100歳まで健康的に生活できる医療・介護システムの実現。
事業概要:
国立研究開発法人日本医療研究開発機構に基金を創設し、政府の複数の部門と連携して研究開発を推進。
産学官の連携による医薬品・医療機器の研究開発も行う。
事務的経費を計上して、研究開発を効果的に進める。
税制優遇・税制改正
2024年度税制改正
①イノベーションボックス税制(研究開発の成果からの所得に対する税率の優遇)の創設を要望
経済産業省、厚生労働省、農林水産省の3省は、令和6年度税制改正において、国内で開発された知的財産から生じる所得に対する優遇税率を適用する制度(イノベーションボックス税制)の創設を要望している。この制度は、我が国の研究開発拠点としての立地競争力を向上し、民間企業の無形資産投資を後押しするためのもの。具体的には、民間企業の課税所得のうち、我が国で開発した知的財産に由来する所得に対して優遇税率を適用する新たな措置を創設することを目指している。
現行の研究開発税制では、研究開発を行う企業が、法人税額(国税)から、試験研究費の一定割合(2~14%)を控除できる制度があります。控除できる金額は、原則として、法人税額の25%が上限となっている。この制度は、民間企業の研究開発投資を維持・拡大することにより、イノベーション創出に繋がる中長期・革新的な研究開発等を促し、我が国の成長力・国際競争力を強化することを目的としている。
②オープンイノベーション促進税制やパーシャルスピンオフ税制の恒久化の要望
これらの税制は一般的には新たなビジネスモデルや技術開発を促進するためのもので、その恒久化は企業の研究開発活動やイノベーションを継続的に支援するための要望と考えられている。
オープンイノベーション促進税制は、大企業がスタートアップに投資することを奨励するための制度で、投資した金額の一部を所得控除することができる。この制度は、スタートアップの成長とイノベーションを促進することを目指している。
パーシャルスピンオフ税制は、企業が自社の一部事業を新たに設立する子会社に移管する際、親会社が子会社の株式の一部を保有し続ける形態の事業再編を指す。この税制は、配当や譲渡損益に対する課税を対象外とする措置が講じられている。現状、パーシャルスピンオフ税制は、令和6年3月31日までの間に産業競争力強化法の事業再編計画の認定を受けた場合の時限的措置とされているが、令和6年度の税制改正によって期限の延長又は制度の恒久化が期待されている。
③中堅・中小企業のM&A促進税制
2024年度の税制改正において、政府与党は中小企業のM&A(合併・買収)に関する税負担を軽減し、後継者不足問題の解決を図る。M&Aによる株式取得額の最大100%を税務上の損金として扱えるように変更し、従業員2000人以下の中堅企業も同様の税優遇を受けることができる。現行の制度では中小企業が他社をM&Aした場合、株式取得額の70%を損金に算入できるが、これを拡大し、中小企業同士のM&Aでは、2社目で90%、3社目以降は100%を損金算入する。中堅企業による中小企業の買収では、1社目は優遇せず、2社目以降は同様の水準に設定する。
損金算入が多いほど法人税が減るため、この制度は税負担の軽減に繋がる。条件として、過去5年以内に1億円以上のM&Aを行い、経営強化計画の認定を受けることが必要。また、経産省は益金への繰り入れ期間を現行の5年から20年に延長することを求めている。
この政策の背景には、中小企業の深刻な後継者不足問題がある。中小企業庁の試算では、2025年までに70歳を超える中小企業経営者が245万人に達し、うち127万人が後継者未定となっている。M&Aによる事業継続、販路開拓、業務効率化の促進が期待される。また、中堅企業への支援は、投資拡大や人材育成を後押しする目的もある。
予算の執行にあたって
こうした、経済産業省の各種予算事業の執行において、補助金や委託費は、今年度に引き続き「GビズID」や「Jグランツ」といったツールを利用する電子申請を基本とする。
また、政府全体の方針に従い、行政事業レビューの取組を着実に行うとともに、EBPM(Evidence Based Policy Making)を推進する観点から、複数事業について、外部有識者の力も借り、政策の立案・実行・効果検証において参照すべきデータの特定・収集・ダッシュボード化によるEBPMの基盤整備を進める。
なお、平成30年度以来、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)と連携して、年間3~5件程度の予算事業等について、統計分析等の手法で定量的に効果検証を実施している。こうした活動を継続し、予算等の政策効果の把握に努める。
参考資料
令和6年度 経済産業省関係 財政投融資要求概要(PDF形式:240KB)
令和6年度 経済産業省関係 概算要求等概要(PDF形式:1,047KB)
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