カスタマーサクセスとは何か?意味や具体的な施策、成功事例をわかりやすく一挙解説!
皆様は「カスタマーサクセス」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?
この記事ではこれから起業される方や既に起業されている方に向けて、「カスタマーサクセスの意味や具体的な施策、成功事例」に関して解説していきます。学生の方でも理解できるようにかみ砕いて、かつ詳しく説明しています。よろしければ是非ご覧ください!
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、「顧客が製品・サービスを使うことで、望ましい結果を達成することを支援するビジネス手法」のことを指します。
カスタマーサクセスとは、顧客が製品・サービスを使うことで望ましい結果を達成することを支援するビジネス手法です。顧客の課題を事前に予測し、能動的にソリューションを提供することで、顧客満足度と顧客維持率を高め、結果的に収益と顧客ロイヤルティの向上につなげます。
従来のカスタマーサポートが顧客から課題を与えられ対応するのに対し、カスタマーサクセスは顧客の課題を先回りして解決することが大きな違いです。ストック型ビジネスが主流になり、新規顧客獲得コストが高まっていることから、カスタマーサクセスの重要性が高まっています。
1つはストック型ビジネスが主流になっているからです。ストック型ビジネスモデルでは、顧客が継続的にサービスを利用してもらうことを前提としており、顧客のリテンション率を高める為にはカスタマーサクセスが必須と言えます。
もう1つは世の中にモノが溢れかえっているからです。サービスや商品が多くある現代は、過去に比べて新規顧客獲得コストが高くなっています。既存顧客に継続的にサービスや商品を使ってもらうことで、企業の利益向上に繋がります。
実際に、今日成長している企業には、カスタマーサクセスに多く投資している企業もあります。下の調査では、成長中の企業は成長が鈍化している企業に比べて、21%もカスタマーサクセスを優先している傾向にあると報告されています。
参考)What Is Customer Success? (hubspot.com)
カスタマーサクセス成功に向けた具体的な施策
次の5つのステップが、カスタマーサクセス成功に向けた具体的な方法になります。
各ステップの詳細を見ていきましょう。
1. 顧客にとっての成功を理解する
まず始めに、顧客が何を欲しているかを正確に理解する必要があります。顧客が何を求めるのかを正確に把握することで、サービスやカスタマーサクセスのプロセスを効果的に構築することができます。
サービス利用開始時のアンケートなどで、早期に顧客の最終目標や欲していることを明確にしましょう。
2. 顧客をセグメント化する
次に、顧客をセグメント化します。顧客の中にも様々な種類の顧客が存在し、顧客に応じて求めるものやレベルも変わります。
各セグメントには、独自の成功の定義があり、それらを事前に理解することで、カスタマーサクセスプログラムをより効果的にすることが可能です。
3. カスタマーサクセスジャーニーマップを作成する
カスタマーサクセスは、1人の従業員や1部門だけでは成し遂げられません。異なるグループ間で連携が必須であり、抜け漏れや最適なサポートができないリスクが伴います。
カスタマーサクセスジャーニーマップでは、カスタマーサクセスプロセスのすべてのステップを描きます。つまずく可能性のある箇所や各段階での顧客の求める成果、使用するツールなどの情報をまとめておく必要があります。
そして、カスタマージャーニーマップを元に、顧客とのタッチポイントごとに付加価値を提供する具体的な方法を示し、実行できるように整備します。下の表がカスタマージャーニーマップの例です。
出典)https://www.persol-pt.co.jp/salesmarketingservice/blog/customer-success_launch/
4. 積極的に顧客をサポートする
顧客と積極的にやり取りを行い、その度に関係に価値を加えることができれば、顧客の満足度向上に繋がります。具体的には以下のような付加価値を提供することが可能です。
- 顧客の現状確認(課題の把握)
- アップセル・クロスセル提案
- 新たな機能や情報の提供
- トレーニングの提供
- コンテンツ共有 (ブログやポッドキャストなど)
- ユーザー勉強会
- 顧客の良い出来事を祝う
5. 継続的な改善のために指標を監視する
カスタマーサクセスにおいて、サービスを導入後にサービスが効果を発揮していることを確認する必要があります。この時に、会社と顧客の両方の成功を測定する指標を測定する必要があります。
会社への影響を測定するために使用できる代表的な指標は「顧客生涯価値(LTV)」と「解約率」があります。
顧客への影響を分析する代表的な指標は、「顧客推奨度(NPS)」や「ヘルススコア」があります。
その他にも顧客の状況を測定するKPI(指標)を監視するとよいでしょう。
例えば、ログイン回数などのKPIを監視することで、ユーザーのログイン回数が減っていれば何かしらの対策を打つ、といった判断に活用できます。
そして、これらのKPIを元に継続的にサポートすることが重要になります。
LTVや顧客推奨度(NPS)などについては下の記事に記載されているので、合わせてご覧ください。
カスタマーサクセスの成功事例
➀BtoB事例
- アドビ株式会社
企業HP)https://www.adobe.com/jp/information/tokyo-office.html
Adobeは、主に画像関連ツールやPDFを提供する世界的な企業です。
Adobeは大企業から個人までを顧客としている為、 顧客の利用状況を自動的に分析する仕組みを作成し、適切なタイミングで最適なサポートを実行しています。
全てのユーザーに同じアクションをするのではなく、利用ログやユーザーの状況等の情報から、ユーザーに最適な対応を実現しています。
- 株式会社ヤプリ
企業HP)https://yappli.co.jp/
株式会社ヤプリは、アプリをワンストップで開発・運用・分析できるプラットフォームを提供する企業です。
ヤプリでは、多くのSaaS企業と同様に、解約率をKPIとして設定しており、「オンボード部」「カスタマーサクセス部」「コミュニケーション部」の3部門でカスタマーサクセスを支えることで、顧客をサポートしています。
実際に、ヤプリの解約率は約1%未満と顧客満足度が非常に高いです。
- Salesforce
世界的なCRMソフトウェア企業。
カスタマーサクセスに年間5億ドル以上を投資している。
顧客のライフサイクル全体を通じて成功を支援する取り組みを行っている。
➁BtoC事例
- オイシックス・ラ・大地株式会社
企業HP)https://www.oisixradaichi.co.jp/company/
オイシックス・ラ・大地株式会社は、食材宅配のサブスクリプションサービスを提供している企業です。
オイシックスでは広告を打っても、広く魅力が伝わらない課題を抱えていました。そこで、カスタマーサクセスに注力し、ユーザーへのヒアリングを徹底して行いました。
結果的に、利用者の声を商品に反映させることで顧客の成功体験を実現し、継続率の上昇や売上増へとつながったそうです。
- Spotify Technology SA
企業HP)https://www.spotify.com/jp/
Spotify Technology SAは、音楽ストリーミングサービス「Spotify」を提供する会社です。
「Spotify」はユーザーの選曲履歴を蓄積することで、おすすめの曲を提案する機能の精度を高め、ユーザーが新しい音楽に出逢えるチャンスを提供しています。
また、サービスの利用を助け、顧客エンゲージメントを高める為にSpotify公式コミュニティを運営しています。アドバンスユーザーが他のユーザーの質問に回答するサポート機能や、音楽について他のユーザーと意見を交換できるチャット機能など多岐に渡る機能を有しています。
- Netflix
動画配信サービスの大手企業。
視聴履歴に基づいた個人向けのコンテンツ推薦に注力。
ユーザーエンゲージメントを高めるため、UIやコンテンツラインナップを常に改善。
カスタマーサクセスは顧客満足度と収益向上に大きく貢献する重要な取り組みです。様々な業界や規模の企業で成功事例が見られます。
終わりに
最後までご覧いただきありがとうございました。今回は、カスタマーサクセスの意味や施策、具体的な成功事例などをご紹介しました。
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