2021年1月4日、菅内閣総理大臣は記者会見で、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)各知事の緊急事態宣言発出要請を受け、特措法に基づく緊急事態宣言が1月7日(木)に発出されました。
飲食店には時短営業で午後8時まで、同じく劇場や遊園地などにも午後8時の閉園を求め、スポーツやコンサートなど大規模イベントは収容人数の50%程度、または最大5,000人に制限されます。
緊急事態宣言の1回目は2020年4月7日に東京都など7都府県を対象に初めて発令され、その後全国に拡大。段階的に解除し、5月25日に全面解除されました。
*追記:今までに計4回の緊急事態宣言が発令されています。
- 第一回:2020/4/7~5/25
- 第二回:2021/1/8~3/21
- 第三回:2021/4/25~6/20
- 第四回:2021/7/12~9/30
この記事では、緊急事態宣言下における補償と現在コロナ禍でも使える補助金一覧を解説します。
そもそも緊急事態宣言とは
自然災害、感染症のパンデミック、原子力事故などの災害や、戦争、テロ、内乱、騒乱など、健康・生命・財産・環境などに危険が差し迫っている有事に際し、国家・地域の政府などが、法令などに基づいて特殊な権限を発動するために、或いは、広く一般・公衆に注意を促すために、そのような事態を布告・宣言することです。(Wikipedia)
首相が緊急事態である旨を宣言し、期間や区域を設定します。
その後、対象となった各都道府県の知事は、学校や保育所、介護施設などの社会福祉施設について使用の制限や停止を要請することができます。また、劇場や映画館、ホテルや旅館、博物館や美術館、夜の街のお店などの営業・イベントについても制限や停止を要請することができます。
ただし、「生活必需品」を扱うところは基本的に対象外となります。百貨店やスーパーマーケット、薬局など食品や医薬品、衛生用品、燃料等の売場は営業が可能です。
なお、今回は映画館や劇場などは休業要請の対象とならない方向で小中学校の一斉休校はせず、16日からの大学入学共通テストは予定通り実施される方針です。
(※1月8日現在。最新のニュースを常に確認下さい)
休業時の補償は?
菅内閣総理大臣は営業時間の短縮に応じた飲食店などに支払う補償金については、協力に応じた店舗への補償金を現在の最大4万円から6万円に上積みする一方、政令を改正し、知事の要請に応じない店の名前を公表できるようにします。緊急事態宣言下の休業を巡り、都道府県知事が現行の「指示」よりも法的拘束力のある「命令」を事業者に出せるように改正し、従わない場合は50万円以下の過料とする方針です。
協力金6万円報道 https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4167520.html
東京都給付金報道 https://news.yahoo.co.jp/articles/430a8b31022d2185cc0a72ced286bf7aceec9f5c
また飲食店の『取引先』にも給付金が支給される話がでています。
https://expact.jp/kyuuhukininnshokuten/
また2021年1月10日時点では、地方創生臨時交付金を活用して対象店舗に月最大60万円を給付する枠組みがあり、1月11日までの年末年始に限り、月最大120万円に倍増しています。緊急事態宣言の再発令に伴い、年末年始の措置が切れた後の支援も手厚くする見込みではあるようです。
参考記事
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021010401089&g=pol
国の補償に加えて、各都道府県でも補償が出る可能性はありそうです。
第1回目の緊急事態宣言では、協力要請に応じた場合、東京都は「感染拡大防止協力金」を支払いました。
具体的な金額は、
・単独店舗の事業者の場合は50万円
・複数店舗を持つ場合は100万円
また休業補償ではないものの、売上が急減した中堅・中小企業に最大200万円、個人事業主に最大100万円の現金を「持続化給付金」として支給されました。
給付対象は新型コロナウイルスの影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している法人や個人事業主です。
<参考>
東京都の前回の給付金はこちら
営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(11月28日~12月17日実施分)」について
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/11/25/29.html
コロナ禍で使える補助金とは
一部ではありますが、企業向けの補助金を紹介します。各補助金事業は締切また予算上限がありますので、各補助金事業の管轄庁に確認を取って下さい。
①持続化給付金
法人最大200万円、個人事業者最大100万円が支給されます。
②新型コロナウイルス感染症特別貸付
政府系金融機関・民間金融機関の両方で実施する実質無利子・無担保・据置最大5年の融資の上限額が拡充されています。再度の相談も可能です。日本公庫国民事業、民間金融機関→最大4000万円(拡充前3000万円) ・日本公庫中小事業、商工中金(危機対応融資)→最大2億円(拡充前1億円)となります。
③新型コロナ対策資本性劣後ローン
日本公庫及び商工中金が、金融機関が資本とみなせる資本性劣後ローンを供給し、 民間金融機関からの円滑な金融支援を促しつつ、事業の成長・継続を支援します。
貸付限度:日本公庫国民事業7,200万円、日本公庫中小事業・商工中金7.2億円 ・貸付期間:20年、10年、5年1ヶ月(期限一括償還)
④雇用調整助成金
「新型コロナウイルス感染症の影響」により、「事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、「労使間の協定」に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものです。
また、事業主が労働者を出向させることで雇用を維持した場合も、雇用調整助成金の支給対象となります。
⑤IT導入補助金、持続化補助金
デリバリーやEC販売を開始するための、システム導入をIT導入補助金で支援されます。また、小規模事業者であれば、店舗の改装や機器の導入を行う際に、持続化補助金が活用可能。さらに、持続化補助金を活用する場合、最大50万円まで感染防止対策費を10/10補助し、事業再開を支援されます。
最後に
緊急事態宣言発令に伴い、飲食店などへの営業時間短縮要請については、1月8日~31日に閉店を午後8時に2時間前倒しする方針になっています。居酒屋などで20時までというと相当早い閉店と言う印象ではありますが、首相は飲食店に対する休業・営業時間短縮要請を念頭に「限定的、集中的に行うことが効果的だ」と述べています。
今後補償内容は随時更新されることが予測されますので、常に最新の情報を入手して下さい。
2021年度の補助金や給付金に関して、ご不明な点がございましたら、是非お気軽にお問い合わせください。