
スタートアップ企業にとって『ブランディング』とは何か?
ブランディングの目的は、お客様に自社の商品・サービスを「選んでもらう」ことです。選ばれるためには、自社の強み・他社との違いを「ブランドコンセプト」として明確にする必要があります。
このブランドコンセプトをアピールするために、ネーミング・ロゴ・パッケージを変えることも多いのですが、ネーミングやロゴはお客様にブランドコンセプト(差別化のポイント)をアピールするためのツールにすぎません。
「ブランド」というのは、
商品・サービスのデザインやCI、働いている人やオフィスの雰囲気、商標、名称、キャッチフレーズ、広告のボディコピーなど、様々な要素が組み合わさって出来上がるものです。
ブランドがあることのメリットは数多くありますが、
「差別化が出来る」、「商品価値を高められる」などの効果が、
企業にとっては一番のポイントになるのではないでしょうか。
では、『ブランディング』とは何か?
ブランディングとはブランドの構築・確立をするための一連の取り組みのことです。
TVや広告を打つことも、SNSで情報発信することも、
ロゴを作ったりボディコピーを作ることもすべてブランディングです。
ブランドづくりのために最も重要なこと
「そもそも、御社が企業として大切にしていることは何ですか?」
簡潔に答えられない経営者の方は、ブランドづくりに苦労するのではないかと感じます。
いま、企業から発信される情報は数多く、
収集が付かない環境といっても過言ではありません。
以下はクリエイターの塩谷舞さんが取りまとめた、
『企業から出る「ことば」と、その担当者』の一覧です。
経営理念 ▶ 広告会社のコピーライター・経営者
キャンペーンのコピー ▶ 広告会社のコピーライター・社内のマーケター
経営者のSNS運用 ▶ 経営者本人
経営者のスピーチライター ▶ 経営者本人
プレスリリース ▶ 広報担当者
メディア対応 ▶ 広報担当者
オウンドメディア ▶ 広報担当者・外部の編プロ
SNS運用 ▶ マーケター・SNS得意な大学生
採用広報 ▶人事と広報
カスタマーサポート ▶カスタマーサポート担当
炎上時の謝罪文 ▶ 広報担当者・経営者・外部の有識者や弁護士
担当者、見事にバラバラや……!
ということで、
情報発信ツールは多い、担当者も多い、意見が一貫してないと、
もはや受け手側がどう受け止めていいかわからない状態になっています。
(そうでない方ももちろんいらっしゃいますが)
特に『意見が一貫していない』部分に関しては核心的な部分です。
解決策としては、
『そもそも、御社が企業として大切にしていることは何か?』
という質問にシンプルな回答を出せるようになることが重要です。
そのためには“軸”が必要です。
どのような媒体であっても、誰が発信しても
『その企業らしい』と感じられる“軸”。
つくり方を突き詰めるとキリがないのですが、
一番は“ストーリー”があると解決しやすくなります。
簡潔にいうと、
① 世の中(業界)はどのようになっていて
② その世の中(業界)の課題とは何があり
③ その解決策を提示する
④ だから選ばれている(選ばれたい)という実績や想い
という構成にまとまると何か見えてくるのではないでしょうか。
“軸”をつくる方法は一つではありません。
上記は一例ですが、あくまで参考までに留めて下さい。
ある大学で行なわれた驚きの授業
山形県に、東北芸術工科大学企画構想学科という
商品開発や広告・マーケティング、PR・広報について学べる学部があります。
学長は『くまモン』を世に送り出した小山薫堂さん。
そこで「ブランディングとは何か?」を講義したのですが、
参考となるはずなので紹介します。
その日学長は大鍋に入ったカレーを授業に持ち込みました。
「食べたい人いますか?」と聞くと、
昼食後の3限目ということもあり、手を上げる生徒はいません。
「では、ここでこのカレーを作って下さった方に入場していただきましょう」
と、教室に入ってきたのは一人の女性。
「このカレーのポイントは?」
「こんな風につくりました」
「このカレーはご家族のどなたが好きなんですか?」
「次男が好きでいつも食べていました」
「次男の方は何をされていらっしゃいますか?」
「野球選手です」
「お名前は?」
「平凡な名前なのですが、鈴木一朗(イチロー)と言います」
そこで生徒の反応が一気に変わりました。
持ち込まれたカレーは、イチロー選手が「世界一好き」とルーティンで食べていたカレーだったのです。
最後に学長は生徒に聞きました。
「このカレーを食べてみたい人?」
生徒全員が手を上げました。
学長が一言
「これがブランディングです」
企業ブランドのつくり方
このエピソードから読み取る、「ブランディング」の定義とは、
“商品(あるいはサービス)の裏側にあるストーリー”を伝えることです。
講義室にあるカレーそのものは、授業がはじまる前と後で何も変わりはありませんが、
生徒にとって、「食べてみたいという思い」は大きく変化しました。
このカレーのストーリーに「共感・感情移入した」のです。
有形・無形に限らず、あらゆる商品(サービス)には、必ずストーリーがあります。
商品(サービス)のあり方(コンセプト)、込められた作り手の想い…。
既存顧客はなぜその商品にたどり着き、継続して利用するのか。
ストーリーを伝える手段(ツール)は世の中に多くあります。
ホームページ、SNS、採用広報、広告、パブリシティ記事・・・
何を使うか、どう使うかも重要ではありますが、
“御社だからこそ提供できる商品価値とは何か”。
を整理し、体系立てて物語をつくりあげ、
ストーリーを伝えることからブランドづくりを考えてみてはいかがでしょうか。
まず徹底的な自社分析を行い、自社の強み、経営理念や行動指針を明確にしたうえで、ブランドコンセプトを設定。
コンセプトに基づき、シンボルマークやパッケージデザイン等を開発し、社内外へのコンセプトの浸透・発信に取り組む必要があります。
弊社では、ブランディング支援も行っています。お気軽にお問合せください。
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