スタートアップのための補助金を徹底解説!資金調達できるだけじゃない、補助金のメリットとは?
スタートアップの悩みは大きく1つ、『リソースがない』ことに尽きます。具体的には人やモノ、そしてお金(資金)です。
特に創業時には大きな資金を借りられないことがほとんどの中で、人を雇うにもお金、モノを揃えるにもお金と、何かにつけてお金が必要な場面が多々でてきます。
そこでぜひ活用してほしいが補助金や助成金です。この記事ではスタートアップのための補助金の基本と、申請方法のコツをお伝えします。
補助金は使わないと損!正しく補助金を知って活用しよう
自社に合った補助金は、積極的に取りにいきましょう。用途に対して正しく使えば補助金は返済義務がないものも多いので、使わない手はありません。
一方で、補助金の受給までには数ヶ月におよぶ期間とどんなにスムーズでも最低7つ以上の提出書類が発生し、何度も事務局とやり取りが発生し、手続きが面倒ではあります。
社内リソースで対応できない場合は、機動力のある外部ブレーンやコンサルタントを活用することをおすすめします。
そもそも補助金とは?
「補助金」とは、国の目標に沿った事業者をサポートするためのお金です。
国には政策があり、目標があります。日本発のスマートシティをつくる、長く地域に根付く産業・文化を生み出し地方創生するなど、多岐にわたる項目が設定されています。
例えば、国が日本発のスマートシティをつくりたいとなった時、家をつくる会社があり、クルマをつくる会社があり、土地を整理する会社がありと、国が目標達成するためには、
それぞれの事業者にしっかりと取り組んでもらうことが重要になります。
補助金は各事業者の設備や従業員、製品開発などをサポートすることで、国の目標達成に近づいていくことが狙いです。そのため企業だけではなく、民間団体、個人、自治体を問わず、幅広い事業者が交付を受けることができます。
スタートアップが補助金を獲得するための3つの心得
補助金とは何かを十分に理解したうえで、積極的に情報を集めて、申請を出していきましょう。
補助金獲得の心得1:補助金の目的を把握する
国のさまざまな政策ごとに、補助金の募集がされています。補助金の「目的・趣旨」を理解し、特徴を把握することが大切です。
どんなに優れたアイデアや製品開発であっても、補助金の目的・趣旨に合っていないと採択される可能性は極めて低いです。
自社の事業と重なる補助金を見つけましょう。
ここはすごく大切なところです。
なぜなら、自社に補助されない(お金がもらえない)計画に、時間を使うことになり、大きな機会損失になりかねません。
補助金獲得の心得2:補助金は上限額がある
○○万円~○○万円と幅が持たされている補助金が多いです。補助を受けられるのは事業全部または一部の費用となります。
必ずしも、事業者が取り組むための全費用が交付される訳ではありません。補助金はその名の通り、補助を目的としていますので、事前に募集要項等で補助対象となる経費・補助の割合・上限額などを確認して下さい。
補助金獲得の心得3:審査と検査がある
補助金には審査があります。1回ではありません。「事前の審査」と「事後の検査」によって決定します。
審査には「申請」が必要で、補助金は後払いです。事業を実施した後に報告書等の必要書類を提出して検査を受けた後、はじめて受け取ることができます。
つまり、申請から実際の給付までには数ヶ月~数年かかるものもあります。
補助金獲得についてもっと知りたい方はこちら
補助金と助成金の違いとは?
一言でいうと、『助成金』は受給要件を満たせば誰でも受けられるもの(募集件数内で)『補助金』は受給要件を満たし、申請後の審査に通過して、さらに申請時の計画を実行し検査した後に受けられるものです。
審査のある・なし、また実施検証の有無が大きな違いとなります。助成金は各自治体などが公示している受給要件を自社が満たしていれば、誰でも受け取ることができるので、比較的ハードルは低いです。
しかし、補助金は申請した企業の中から”審査を通過した企業だけ”が対象となり、申請時の計画を実行してはじめて支給されるので少し手間がかかります。
補助金獲得までのフロー
実際に補助金を獲得するまでに、大きく5つのステップを踏みます。
①情報収集⇒②申請⇒③採択⇒④事業の実施⇒⑤請求⇒交付
細かく見ていきましょう。
※重要※ステップ①情報収集
まずは自分の事業に合った補助金の情報を探しましょう。
中小企業庁サイト:「補助金等公募案内」ページなどを参照ください。
前述していますが、ここの補助金公募選択はとても重要です。
自社に補助されない(お金がもらえない)公募に、申請のための時間や人的リソースを割くことは大きな機会損失になりかねないからです。
第三者の意見もきちんと聞きながら、公募する補助金を選定して下さい。
ステップ②申請
自社に合った補助金を見つけたら、最初のハードルが申請です。
申請を通過しないと補助金を受ける資格が得られません。申請通過する確率(採択率)はおおよそ40%程度と言われています。
申請したい補助金の募集要項・申請書をダウンロードし、必要な内容を記入して事務局に提出します。
※事業が補助対象となるかについての確認、補助対象になる経費とならない経費の確認をチェックします。
ステップ③採択
選定結果を受け取り、採択されたら書類が送付されてきますので、「交付申請書」を事務局に提出します。
ステップ④事業の実施
交付決定された内容で事業を開始します。実施途中で状況について事務局のチェックが入ります。
ここで注意したいのが、申請した時の計画を勝手に変更することができません。
※勝手に変更すると支給されません
また補助金の対象となる経費については、領収書や証拠書類をすべて保管しておく必要があります。
ステップ⑤請求⇒交付
申請した事業計画が実施されたと確認されると、補助を受けられる金額が確定し、補助金を受け取ることができます。
計画終了後5年間は補助金の対象となる領収書や証拠書類は、補助事業の終了後も保管しておく必要があります。
この間に一定以上の収益が認められた場合は、補助金の額を上限として国に納付しなければなりません。
多くのステップを踏んで、補助金は交付されます。
なお、本来は事務局や役所などに書類を提出していましたが、最近では『電子申請』も可能になりました。
『Jグランツ』というサービスで、詳しくはこちらを参照ください。
補助金はどこからもらえるのか?
各省庁やと地方自治体などからもらえます。
例えば、経済産業省や厚生労働省、静岡県や浜松市など。金額も数百万円~大きなものでは数千万円単位もあります。
下準備を確実に行い、申請・実施していきましょう。
補助金にはどのようなものがあるのか?
・IT導入をサポートしてくれる『IT導入補助金』
・日本のものづくりを支援する『ものづくり・商業・サービス補助金』
・静岡県浜松市内ベンチャー企業等に対し、
研究開発・事業開発に必要な資金を浜松市が支援する『浜松市ファンドサポート』
上記は一例になりますが、本当に多種多様な補助金があります。
まとめ
補助金の1番のメリットは返済不要な資金補助が受けられることですが、実はもう一つ大きなメリットがあります。
『自社事業について見つめ直し、将来図を描ける』ことです。国の目標に合わせた事業やアイデアを提出しますので、社会貢献性が少なからず含まれてきます。