新型コロナウイルス・オミクロン株が広がり、保育所の休園数が過去最多になるなどの影響が出ています。子育てをする親は保育所の休園や学校の休校に伴い、有給取得を取らざるを得ない家庭も多いかと思います。こういった休暇を補助する助成金、『新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金』についてこの記事では解説します。
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新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金の対象者とは
まずこちらの助成金は事業主向けになります。有給取得したサラリーマンなど個人が申請するものではありませんのでご注意下さい。この助成金は、令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間に、以下の子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対して、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主が助成金の対象です。
条件
①新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどに基づき、臨時休業などをした小学校など(保育所等を含む)に通う子ども
②新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校や保育園などを休む必要がある子ども
【助成内容】有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10
対象労働者1人につき、対象労働者の日額換算賃金額※1×有給休暇の日数で算出した合計額が支給されます。
※1 各対象労働者の通常の賃金を日額換算したもの(日額上限額※2あり)
休暇取得期間 | 日額上限額※2 | 申請期限※3 |
令和3年8月1日~10月31日 | 13,500円 | 令和3年12月27日(月)必着 |
令和3年11月1日~12月31日 | 13,500円 | 令和4年2月28日(月)必着 |
令和4年1月1日~3月31日 | 令和4年1~2月:11,000円令和4年3月:9,000円 | 令和4年5月31日(火)必着 |
※2 申請の対象期間中(注)に緊急事態宣言の対象区域又はまん延防止等重点措置を実施すべき区域であった地域(原則都道府県単位)に事業所のある企業については15,000円。
注:事業主の方から申請いただいた休暇日の最初の日から最後の日までの間(申請対象の労働者が複数いる場合は、休暇の開始が最も早い労働者の開始日から、終了が最も遅い労働者の終了日までの間)
※3 ただし、やむを得ない理由があると認められる場合(以下Ⅰ又はⅡ)は、申請期限経過後に申請することが可能(令和4年6月30日まで)です。
Ⅰ.労働者からの都道府県労働局『小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口』への「(企業に)この助成金を利用してもらいたい」等のご相談に基づき、労働局が事業主への助成金活用の働きかけを行い、これを受けて事業主が申請を行う場合
Ⅱ.労働者が都道府県労働局『小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口』へ相談し、労働局から助言等を受けて、労働者自らが事業主に働きかけ、事業主が申請を行う場合
消印が申請期限内であっても、都道府県労働局への到達日が申請期限を徒過していた場合は申請期間内に申請したとは認められませんのでご留意ください。
令和3年3月31日までの休暇取得分の申請について、受付センターからの不備返却を受理した後に、申請書を再提出していない方の再提出については、令和4年2月28日(受付センター必着)を最終の受付となります。期限内に提出がない場合は支給されません。
労働者から事業主に利用を促したい場合
都道府県労働局『小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口』で、「企業にこの助成金を利用してもらいたい」等、労働者の方からのご相談内容に応じて、企業への特別休暇制度導入・助成金の活用の
働きかけ等を行っています。
事業主から申請する方法
① 支給要件の詳細や具体的な手続きは厚生労働省ホームページにて確認してください。申請書は厚生労働省HPから印刷してください。
*①雇用保険被保険者の方用と、②雇用保険被保険者以外の方用の2種類の様式があります。
*事業所単位ではなく法人ごとの申請となります。また、法人内の対象労働者について可能な限りまとめて申請をお願いします。
② 申請書の提出方法
本社所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)まで郵送でお願いします。
※必ず配達記録が残る郵便(特定記録郵便やレターパックなど)で配送してください。(宅配便などは受付不可)
新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子どもとは?
「臨時休業等」とは
・新型コロナウイルス感染症に関する対応として、小学校などが臨時休業した場合、自治体や放課後児童クラブ、保育所などから利用を控えるよう依頼があった場合が対象となります。なお、保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外です。※ただし、学校長が新型コロナウイルスに関連して出席しなくてもよいと認めた場合は対象となります。
※小学校等全体の休業のみでなく、学年・学級単位の休業や、オンライン授業、分散登校の場合も対象になります。
「小学校等」とは
・小学校、義務教育学校の前期課程、各種学校(幼稚園または小学校の課程に類する課程を置くものに限る)、特別支援学校(全ての部)ただし、障害のある子どもについては、中学校、義務教育学校の後期課程、高等学校、各種学校(高等学校までの課程に類する課程)なども含む。
・放課後児童クラブ、放課後等デイサービス
・幼稚園、保育所、認定こども園、認可外保育施設、家庭的保育事業等、
・子どもの一時的な預かりなどを行う事業、障害児の通所支援を行う施設など
新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校等を休む必要がある子どもとは
・新型コロナウイルスに感染した子ども
・新型コロナウィルスに感染したおそれのある子ども(発熱などの風邪症状、濃厚接触者)
・医療的ケアが日常的に必要な子ども、または新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクの高い基礎疾患などを有する子ども
※ 学校の場合は、学校長が出席を停止し、または出席しなくてもよいと認めた場合をいいます
対象となる保護者
・親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母など)であって、子どもを現に監護する者が対象。
・各事業主が有給休暇の対象とする場合は、子どもの世話を一時的に補助する親族も含みます。
対象となる有給の休暇の範囲
・日曜日、夏休みなどに取得した休暇の扱い
「新型コロナウイルス感染症に関する対応として臨時休業等をした小学校等に通う子ども」に関する休暇の対象は以下のとおりです。
・学校:授業日 ※日曜日や夏休みなどは対象外(夏休み期間が延長された場合、新たに夏休みになった期間は対象)
・その他の施設(放課後児童クラブなど):本来施設が利用可能な日
「新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校等を休む必要がある子ども」に関する休暇の対象は以下のとおりです。
・授業日であるかにかかわらず、その子どもの世話をするために休暇を取得した日
半日単位の休暇、時間単位の休暇の扱いも対象となります。
なお、勤務時間短縮は所定労働時間自体の短縮措置であり、休暇とは異なるため対象外となります。
・休暇制度について就業規則や社内規定の整備を行うことが望ましいですが、就業規則などが整備されていない場合でも、要件に該当する休暇を付与した場合は対象となります。
・年次有給休暇や欠勤、勤務時間短縮を、事後的に特別休暇に振り替えた場合の扱いも対象になります。ただし、事後的に特別休暇に振り替えることについて労働者本人に説明し同意を得る必要があります。
・労働者に対して支払う賃金の額は、年次有給休暇を取得した場合に支払う賃金の額を支払うことが必要で、助成金の支給上限額を超える場合であっても、全額を支払う必要があります。
まとめ
あまり知られていない助成金ではありますが、コロナ陽性者や濃厚接触者となって休暇取得した場合もも対象となりますので有効活用できる助成金の一つではないかと感じます。
感染が拡大している時こそ、こういった助成金を活用して経営を強化しましょう。