「面談」が部下を育てるカギになる!
人事評価制度のある企業であれば、上司と部下が「面談」する機会が必ずあるはずです。
もし、評価結果が「ボーナスを決めるだけのもの」あるいは「昇格を判断するだけのもの」であれば、面談の必要性はありません。
では、なぜ多くの企業は面談を行うのでしょうか?
その答えは『従業員を育てるため』です。
とはいえ、効果的な面談をすることは簡単ではありません。
実際、私たちがご支援させていただく企業の役職者からはこんな声が聞こえてきます。
「いったい部下と何を話せばいいのだろう?」
「何のために面談が必要なのかうまく説明できない・・・」
「いつものクセで、ついついダメ出しばかりしてしまう・・・」
今回のコラムが、こうしたお悩みを抱える皆さまの参考になれば幸いです。
あらかじめ「面談ストーリー」を用意することが大切
面談を行う際、部下は「何を聞かれるんだろう?」という受け身の姿勢で臨むケースが多いはずです。
したがって、効果的な面談を行うためには上司が積極的に主導権を握って、スムーズな会話を引き出す必要があります。
いきなり何の準備も無いまま面談を始めてしまうと、ただ時間だけが過ぎてしまう「効果の薄い面談」になりかねません。
そうならないためにも、ぜひ上司の皆さまには、あらかじめ「面談ストーリー」を用意しておくことをお勧めします。
以下は、一般的な「面談ストーリー」の流れです。
事前対応:情報収集
- いつ、どんな行動があったのか?
- その行動によってどんな結果がもたらされたのか?
- 主観を入れずに事実を観察する
ステップ1:信頼の確保
- 部下の年齢や性別に関わらずに敬意をはらう
- 情報が漏れないような面談環境を整える
- 雑談や労いの言葉を交え、相手の緊張を解きほぐす
ステップ2:自己認識の確認
- 自己評価について本人の考えを聞く
- 途中で話を遮らずに最後まで聞く
- 自己評価が過大 or 過小な場合には、理由や原因をきちんと確認する
ステップ3:事実通知
- 余計なフォローやまわりくどい言い回しをしない
- 主観を入れずに事実をしっかりと伝える
ステップ4:問題行動の共有
- 対話を通じて認識のズレを確認する
- 一方的に話さずに、相手の想いをしっかりと聞く
ステップ5:振り返り支援
- 「このままで良い点」と「改善すべき点」を明確にする
- 「改善すべき点」について、これからどうやって行動変化していくかを本人の口から明示してもらう
ステップ6:期待通知
- 今後にむけた期待を伝える
- 相手の良いところを伝える
- 問題行動の再発防止について話し合う
事後対応:フォローアップ
- 面談だけで終わらせるのではなく、その後も上司としてしっかりとフォローする
上記を参考に「面談ストーリー」をつくったうえで、実際の面談に臨んでください。
そうすることで、きっと今まで以上にスムーズで効果的な面談となるはずです。
面談は「上司からの評価」と「自己評価」の差を埋める場
冒頭で、面談の目的は「従業員を育てること」であると定義しました。
もう少し具体的に言うと、面談の目的は以下のように定義することができます。
「上司からの評価」と「自己評価」の差を埋めること = フィードバック
つまり、効果的な面談とは「フィードバックの質」によって左右されるのです。
では、フィードバックの質を高めるためにはどうしたら良いのでしょうか?
下図をご覧ください。これは、横軸に「上司の評価」、縦軸に「被評価者の自己評価」を置いた面談ポイントのマトリクス図です。
面談を実施する際には、上司がこうしたポイントを押さえておくことで、フィードバックの質がグッと高まります。
<面談ポイントのマトリクス図>
もし上司と本人の評価にズレが生じていたとしても「上司の評価>自己評価」というズレ(図:右下)であれば大きな問題はありません。
もっとも注意が必要なのは「上司の評価<自己評価」というケースです(図:左上)。この場合、上司の取るべきアプローチは以下の3ステップとなります。
ステップ1
- 認識の不一致を確認し、本人の考えを説明してもらう
ステップ2
- 上司の期待がどこにあったのかを説明する
ステップ3
- 「求めること・求められていること」について、認識のすり合わせを行う
もちろんケースバイケースで面談の最適な形は変わりますが、こうしたポイントを押さえることで面談の質を高めることができるはずです。
上司は「話しやすい雰囲気づくり」に努める
面談では、相互のコミュニケーションが求められます。
日常業務における上司から部下へのアプローチは「指示・命令」が主となることが多いですが、面談時のアプローチは「アドバイス・サポート」を主としなくてはなりません。
ここを理解していないと、ついつい面談でも「指示・命令」あるいは「ダメ出し」を前面に出してしまい、結果、部下にとって満足度の低い面談になってしまう可能性があります。
ぜひ上司の皆さまは
「話す」よりも「聞く」
「押し付ける」のではなく「受け止める」
という姿勢を大事にしてください。
効果的な面談を通じて、皆さんの職場が明るく活力あるものになることを祈っています!
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