銀行借入(デット・ファイナンス)とは?
デット・ファイナンスとは「借入」による資金調達方法です。大まかに以下の3つがあげられます。※あまり一般的でない私募債等社債引き受けによる借入は説明から除外します。
①銀行/信用金庫等からの借入
②親族や知人等、個人からの借入
③公的機関からの借入(新創業融資制度・資本性ローン等)
デット・ファイナンスのメリットは、後述のエクイティ・ファイナンスと違い金融機関等が経営に直接関与することがない点が挙げられます。デメリットは期限までに利息の払い込みや元金の返済義務が生じる点や、自己資本比率が下がる点に注意が必要です。
せっかく起業するのだから経営の自由度を高めるために、デット・ファイナンスを選ぶベンチャー/スタートアップも多いと思います。しかし起業前や起業直後のタイミングでは、「銀行からの融資」を受けるのは困難なケースもあります。銀行審査に耐えうる事業計画や実行体制、売上(受注)の見込みを数字を交えて説明する必要があります。IPOを目指す上で、まずは創業時にオススメしたい創業融資制度をご案内します。
・日本政策金融公庫の「新創業融資制度」
特に、創業資金の調達先として第一の選択肢に挙げられるのが新創業融資制度です。無担保・無保証人で利用できる上に、制度融資に比べて融資速度も速い。融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)となっています。
概要 | 新しく事業を始められる方の事業計画を審査して、無担保・無保証で開業資金を融資する制度。 |
---|---|
対象業種 | 金融業、投機的事業、一部の娯楽業等を除くほとんどの業種 |
融資の対象 | 詳細は こちら |
資金使途 | 設備資金、運転資金 |
貸付限度額 | 3,000万円(うち運転資金1,500万円) |
貸付利率 | 詳細はこちら |
返済期間 | 運転資金7年程度 |
保証人・担保 | 原則不要 ※原則、無担保無保証人の融資であり、代表者個人には責任が及ばないものとなっております。法人でご希望される場合は、代表者(実質的な経営者や共同経営者を含む)が連帯保証人となることも可能です。その場合は利率が0.1%低減されます。 |
問合せ先 |
実績のない企業にとっては貴重な資金調達源であり、厳正な審査が行われます。実現可能性の高い事業計画を持って審査に臨みましょう。一般論として運転資金で10百万円調達する場合、年商20~30百万円は必要です。通常創業時には3百万円~8百万円程度の利用が一般的です。
・信用保証協会の「制度融資」
全国統一保証制度である全国小口資金の場合
概要 | 小規模企業向け融資 |
---|---|
融資の対象 | 従業員数が製造業等 20 人以下(卸・小売・サービス業は 5 人以下)の事業者等であって、この融資を含め、全国の信用保証協会の保証付融資の合計残高が 2,000 万円以下のもの |
資金使途 | 設備資金、運転資金 |
貸付限度額 | 2,000万円以内 *全国の信用保証付融資残高(根保証においては融資極度額)との合計で2,000万円の範囲内に限る。 |
貸付利率 | 金融機関所定の利率 |
返済期間 | 運転資金7年程度(上限:証書貸付 10年以内(据置期間は1年以内を含む)) |
保証割合 | 100%保証(負担金方式) |
保証人・担保 | 原則として法人の代表者のみ(組合の場合は代表理事) |
問合せ先 | 各都道府県の信用保証協会、金融機関等 |
・オンライン レンディング
オンライン・レンディングサービスは、決算書だけでなく銀行口座の入出金情報など過去の取引履歴(トランザクション)や、信用スコア(売上や利益など)から、総合的に審査するトランザクションレンディングを採用しております。今後このようなストレスなく借入できるオンライン銀行が増えてくると思います。住信SBI銀行など、
・ベンチャーデット
成長が期待されるベンチャー企業へのデットファイナンスを通じて、ベンチャーキャピタル(エクイティ投資)から、一般的な銀行融資へと繋いでいく”橋渡し”役を担い、ベンチャー企業の成長をサポートするファイナンススキームと言えます。
<デット・ファイナンスのメリット>
・金融機関が経営に直接関与しない(決算内容の報告義務やモニタリングは必要)
<デット・ファイナンスのデメリット>
・利息および元金を期限までに返済しなければならない
・自己資本が棄損する
・エクイティファイナンスとは?
エクイティファイナンスとは、企業が新株を発行して、事業のために資金を調達することを意味します。「エクイティ」(日本語:株式資本、自己資本)を増加させる資金調達方法のため、このような呼び名になっています。エクイティファイナンスで資金調達すると貸借対照表の資本が増加するのに対して、デットファイナンスで資金調達すると負債が増加するといった違いがあります。