話題のユニコーンとは?日本のユニコーン企業について徹底解説!!
「ユニコーン企業」を御存知でしょうか?現在上場しているメタ(Meta Platforms)社やツイッター(Twitter)社も、日本のメルカリもかつてはユニコーン企業でした。
日本政府は「スタートアップ創出元年」を宣言し、「スタートアップ育成5か年計画」を策定しました。これにより、5年後のスタートアップへの投資額を10兆円規模に拡大し、将来的にユニコーン企業100社、スタートアップ企業10万社の創出を目指しています。
この流れを受け、日本のスタートアップ市場は大きな成長を遂げています。2023年のスタートアップへの投資額は約7,500億円と、前年とほぼ横ばいでしたが、世界的な資金調達の落ち込みの中でも健闘しました。
一方で、日本のユニコーン企業数は2024年で8社にとどまっており、さらなる施策の必要性が指摘されています。
この記事では、今大注目のユニコーン企業を紹介します。
ユニコーン企業の解説
「ユニコ―ン企業」は一般的に「創業10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」を満たす企業と定義されています。
- 創業10年以内
- 評価額10億ドル以上
- 未上場
- テクノロジー企業
この評価額は、ユニコーン企業の成長見込み(将来のキャッシュフロー等)を基に、出資を行ったベンチャーキャピタルや投資家が付けているものです。
「ユニコーン企業」という言葉は2013年にカウボーイ・ベンチャーズのリー氏が作った用語とされています。2013年当初、評価額が10億ドルを超える創設10年以下の企業はとても少なく珍しかったことから、額に一本の角が生えた伝説の生き物ユニコーン(Unicorn)になぞらえて「ユニコーン企業」と名付けました。さらにユニコーン企業の枠組みの中でも、評価額が100億ドルを超える企業を「デカコーン企業」、1,000億ドルを超える企業を「ヘクトコーン企業」と呼びます。
ユニコーン企業は現在(*2022年1月時点)世界に900社以上ありましたが、2024年6月末には1,240社以上に増加しています。一方、日本のユニコーン企業は2023年で5社にとどまっています。
日本のユニコーン企業 評価額ランキング
現在(*2024年9月時点)、日本では8社がユニコーン企業の要件を満たしています。(CBINSIGTSより引用)
※日本円換算は1ドル=約141.92円(2024年9月18日時点)で計算
- 株式会社Preferred Networks(20億ドル、約2,838億円)
機械学習、深層学習、強化学習などの人工知能技術の研究開発と、その技術を活用した製品・サービスの提供を行うスタートアップ企業。自動運転、ロボット、バイオ・ヘルスケア、製造業など幅広い分野に取り組んでいる。 - スマートニュース株式会社(20億ドル、約2,838億円)
独自のアルゴリズムでユーザーの好みに合わせたニュースを配信するスマートフォン向けニュースアプリ「SmartNews」を運営。日本、米国、中国などで展開し、月間アクティブユーザー数は1,000万人以上。
- 株式会社SmartHR(16億ドル、約2,270億円)
クラウド型の人事労務ソフト「SmartHR」を提供。煩雑な人事労務業務のデジタル化・自動化を支援し、バックオフィス業務の効率化を実現。大企業からスタートアップまで幅広い企業に導入されている。 - Spiber株式会社(12.2億ドル、約1,731億円)
バイオテクノロジーを活用して、クモ糸の主成分であるタンパク質を微生物発酵により生産する新素材「Brewed Protein」を開発。アパレル、自動車、航空宇宙など様々な分野への応用が期待されている。 - Sakana AI(11億ドル、約1,561億円)
複数のAI技術を組み合わせることで、より高度なAIを生み出す新手法を開発している。 - Opn(10億ドル、約1,419億円)
「決済をシームレスに」をビジョンに、オンライン決済プラットフォームを提供。EC事業者向けの決済ソリューションや、個人間送金アプリなどのサービスを展開している。
- Playco(10億ドル、約1,419億円)
「ゲームを通じて人と人をつなぐ」をミッションに、スマートフォン向けのインスタントゲームプラットフォームを開発・運営。日本を含む世界中のゲーム開発者にプラットフォームを提供している。 - 株式会社Mobility Technologies(10億ドル、約1,419億円)
AI配車システムを搭載したタクシー配車アプリ「GO」を運営。需要予測に基づく効率的な配車により、タクシー業界のDXを推進している。
日本でユニコーン企業が少ない理由
日本のユニコーン企業が世界と比べて少ない主な理由は以下の通りです。
理由①:起業に対するインセンティブが小さい日本では新卒一括採用が主流で、同じ会社に長く勤めることが有利になる制度や慣行があるため、起業へのインセンティブが小さくなります。また一度失敗するとリカバリーが難しいことも起業を躊躇させる要因です。
理由②:スタートアップへの資金供給が少ない日本のベンチャーキャピタルからスタートアップへの投資額は、米国や中国と比べるとまだ少ない状況です。そのため、資金調達のハードルが高く、早期の株式公開(IPO)を目指す企業が多くなっています。
日本政府の取り組み
政府は2022年に「スタートアップ創出元年」を宣言し、「スタートアップ育成5か年計画」を策定。2027年までにスタートアップへの投資額を10兆円規模に拡大し、ユニコーン企業100社、スタートアップ企業10万社の創出を目指しています。
主な施策は以下の通りです
- スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
- スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
- オープンイノベーションの推進
- スタートアップフレンドリーな制度の整備
また、グローバルに活躍するスタートアップを支援する「J-Startup」プログラムを通じて、有望企業への集中支援も行われています
まとめ
日本でもユニコーン企業の創出に向けた機運が高まっています。政府主導の施策により、スタートアップ・エコシステムの強化が進められており、今後のユニコーン企業の増加が期待されます。世界と伍していくためには、起業マインドの醸成やリスクマネーの拡大、イグジット環境の整備など、引き続き官民一体となった取り組みが求められるでしょう。日本から新たなユニコーン企業、さらにはデカコーン企業やヘクトコーン企業が誕生する日も近いかもしれません。
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