自己資金での立ち上げ、資金調達なしで成長させる「Bootstrapping(ブートストラッピング)」とは?
「資金がないから起業なんて無理…」
そんな悩みを抱えているあなたへ。
夢を叶えるための強力な武器となるのが “ブートストラッピング” です。
「自分の力で、自分のペースで、理想の未来を創造する」
熱い想いを胸に、多くの起業家がブートストラッピングという航海に乗り出しています。
ブートストラッピングが選ばれる理由
- 経営の自由度MAX!
外部からの干渉を受けずに、自分のビジョンを貫き、自由な舵取りができます。 - 堅実経営で盤石な基盤を築く!
限られた資金をやりくりすることで、自然とコスト意識が高まり、収益性を重視した経営が身につきます。 - 揺るぎない自信と成功体験!
資金調達という難関を自力で突破することで、起業家としての自信が芽生え、今後の挑戦への糧となります。
「Bootstrapping」という用語は、特にスタートアップや新しいビジネスの分野で頻繁に使われます。これは、外部の投資家や貸し手からの資金援助を受けずに、自己資金や内部の資源を活用してビジネスを立ち上げ、成長させる方法を指します。
まずは用語を理解するために語源から見ていきましょう。
“Bootstrap“という言葉は、元々はブーツの上部にあるつまみ革(指で摘んで引っ張り上げることで足を靴に滑り込ませる取っ手)を意味していました。この言葉は、自力で何かを成し遂げるという意味を持つようになりました。
「人の手を借りないで努力で自分自身をより良くする」という意味の比喩として使用されていました。この比喩表現は、「他の助けなしに行われる、自己維持のプロセス」を指す一連の表現に新しい比喩表現をもたらしました。
コンピュータの文脈では、1953年には、”bootstrap”(名詞)は「コンピュータのオペレーティングシステムを読み込むための固定された命令のシーケンス」という意味で使用されていました。これは、最初に読み込まれるプログラムが自分自身(および残りのプログラム)をブートストラップで引き上げるという概念から来ています。
※ブーツストラップ×
そこから派生して「Bootstrapping」という言葉は、スタートアップや新しいビジネス分野で頻繁に使われ、外部の投資家や銀行などの貸し手から資金援助を受けずに、自己資金や内部の資源を活用してビジネスを立ち上げ、成長させる方法を指すようになりました。
Bootstrappingのメリット
このアプローチの最大のメリットは、ブートストラッピングの主なメリットは、経営の自由度とコントロールの維持です。創業者が自社の株式を外部に売却する必要がないため、経営上の自由とコントロールを完全に保持できる点にあります。Bootstrappingは、コストを最小限に抑えることと、初期の収益を再投資してビジネスを成長させることを重視します。
この手法は、特に資金調達が困難な初期段階や、創業者が自社のビジョンや方向性に強い信念を持っている場合に適しています。
スタートアップは自社のビジネスが向き合うべき課題解決やクライアントニーズに応じたサービス提供を行うことができます。
- 資金調達の自由度
ブートストラッピングでは、外部投資家からの資金調達を受けずに事業を運営するため、資金調達の方法やタイミングに柔軟性があります。 - 経営の自由度
ブートストラッピングでは、経営者が自社の株式を外部に売却する必要がないため、経営上の自由とコントロールを保持できます。 - リソースの効率的な活用
ブートストラッピングでは、限られた資金やリソースを効率的に活用することが求められます。これにより、受託開発やコンサルティングの業務において、より効果的な戦略や手法を採用することができます。 - 長期的生存率
米国中小企業庁(SBA)の研究によると、主にブートストラップで資金を調達した企業の5年間の生存率は52%で、外部資金に頼る企業の35%よりも高いです。
Bootstrappingのデメリット
しかし、Bootstrappingにはデメリットもあります。必要な資金が限られているため、ビジネスの成長速度が遅れる可能性があります。また、外部からの資金調達によって得られる追加の資金やリソース、ネットワークなどの利点を活用できないという点も考慮する必要があります。
- 個人的なリスク
ブートストラップでは、自己資金を事業に投入するため、事業が失敗した場合の個人的な財政リスクが高まります。米国立中小企業協会の調査によると、ブートストラップ企業の多くが資金的に制約を受けており、59%の企業が手元に25,000ドル未満の資本しか持っていません。 - 成長の遅さ
外部投資家からの資金を受け取らないため、資金調達が限られ、事業の成長が遅くなる可能性があります。カウフマン財団の研究によると、自己資金で運営されるスタートアップの平均年間成長率は15%で、外部資金を受けた企業の20%に対して低いです。 - 投資家からのサポートの欠如
外部投資家からの資金を受け取らないため、投資家からのネットワークやアドバイスを得ることができません。
グローバルトレンド
- ブートストラッピングを用いたスタートアップの成功率は、比較的高いことが示されています。ブートストラップを使用した企業の約61%が成功しており、これは非ブートストラップ企業の41%と比較して高い数値です。
- ブートストラップを行う企業の約80%は、財務的に慎重であり、その経営が成功の主要な要因となっています。
- ブートストラップを用いた企業は、VC(ベンチャーキャピタル)資金を受けた企業と比較して、長期的な生存率が高いです。ブートストラップ企業の約73%が5年以上存続していますが、VC資金を受けた企業では約32%に留まります。
- スタートアップの総合的なグローバル成功率は2023年に約10%と予測されています。これは、スタートアップの90%が運営初年度のうちに失敗するということを意味します。
このデータから、ブートストラップを用いたスタートアップは、非ブートストラップのスタートアップと比較して成功率が高いことがわかります。
また、長期的な存続率も高いことが示されています。ただし、全体的にスタートアップの成功率は低く、多くの企業が初期段階で失敗していることも念頭に置く必要があります。
参考記事:https://blog.gitnux.com/bootstrapping-statistics/
成功者たちが証明!
ブートストラッピングの可能性
Bootstrappingのアプローチを採用し、成功を収めたスタートアップも存在します。資金調達なしで成功を収めた起業家たちは、ブートストラッピングの可能性を身をもって証明しています。以下はその代表的な事例です。
- MailChimp
メールマーケティングサービスを提供するMailChimpは、創業者が自己資金で立ち上げ、徐々に顧客基盤を拡大していきました。Mailchimpは2021/2022年の世界的な顧客数に基づいて、メールマーケティングと自動化のブランドとしてNo.1とされています。現在では、数百万人のユーザーを抱える大規模な企業に成長しています。
Mailchimpは、2021年にIntuitに120億ドルで売却されました。これはブートストラップ(自己資金)で立ち上げられた企業としては最大の売却額となりました。
- Basecamp
プロジェクト管理ツールのBasecampは、創業者が自己資金で開発し、利益を再投資して事業を拡大しました。Basecampは、プロジェクト管理ツールとして広く認知されています。このツールは、タスクの割り当て、マイルストーンの追跡、リアルタイムのメッセージングなど、効率的なワークフロー管理を保証する包括的なプロジェクト管理ツールを提供します。
Basecamp は当初から、成長のための成長に反対していました。彼らは顧客に役立つものを提供し、会社が確実に利益を上げられるようにすることに重点を置いていました。
彼らは当初から急速な成長ではなく、安定した成長を優先していました。チームは、合理的に達成して利益を得ることができる以上の速度で成長しないようにしました。
彼らは、利益が企業の成功を示す最良の指標の 1 つであると、その軌跡全体を通じて信じていました。
- Hotjar
ブートストラップで立ち上げたスタートアップhotjarを年間40万ドルの収益に導いています。成功の鍵は、完成品ではなく最小限の実用製品(MVP)から始めることで、これにより柔軟な開発と市場のフィードバックへの迅速な対応が可能になりました。彼らは2014年の設立以来、製品主導の成長戦略を用い、顧客からのフィードバックに基づいて製品を改善し、結果として大きな成功を収めました。
- Kinsta
Kinstaは、WordPressのサイトオーナーやビジネスオーナー向けの先進的なホスティングサービスを提供し、一箇所ですべてのサイトを管理できます。2013年に設立され、ブートストラッピングのアプローチを採用しています。創業者が自己資金で立ち上げ、徐々に顧客基盤を拡大していきました。現在では、7桁の収益を上げる企業に成長しています
。Kinstaのブートストラッピングの経験から得られた教訓は、自己資金で事業を立ち上げることの困難さと、それによって得られる可能性を示しています。創業者は、資金、リソース、コネクションがなくても、利益を上げるSaaSビジネスを構築することが可能であると述べています。
また、Kinstaは、顧客との良好な関係を保ち、価格を一定に保つことで、競争力を維持しています。VCからの資金を受け取らないことで、品質とサポートを維持しながら適切にスケールアップする時間を確保できています。
これらの事例から、スタートアップがBootstrappingを採用することで、外部投資家からの資金援助に頼らずに自社のビジョンに従ってビジネスを大きく成長させることが可能であることがわかります。
しかし、Bootstrappingはリスクも伴い、資金調達が困難な場合や成長速度が遅れる可能性があります。
そのため、スタートアップがBootstrappingを選択するかどうかは、ビジネスの特性や創業者のビジョン、資金調達の可能性など、さまざまな要素を考慮する必要があります。
熱い情熱と明確なビジョン、そして、行動力があれば、誰もがブートストラッピングで成功を掴むことができるのです!
スタートアップのブートストラップに有効な戦略
スタートアップのブートストラップにおいて有効な戦略は以下の通りです。
リモートチームの活用:Kinstaの事例を参考に、リモートチームの導入によりオフィスコストを削減し、世界中から優秀な人材を採用することができます。適切なチームビルディングは、スタートアップの成功に不可欠です。
初心の保持:ブートストラップでビジネスを立ち上げる際、ビジネス開始時の熱意や目標を忘れずに保持することが重要です。成長とともに、提供したい価値を忘れずに、一貫したビジョンを持続することが求められます。
持続可能なキャッシュフローの確保
ブートストラップの成功の鍵は、持続可能なキャッシュフローを迅速にビジネスに還元することです。これにより、自己資金での持続的な成長が可能になります。
コスト管理
ブートストラップでは、キャッシュフローとコスト管理に焦点を当て、緻密な財務計画を策定することが必要です。
収益の再投資
ブートストラップでは、得られた収益を再投資し、ビジネスの成長を加速させることが重要です。これにより、自己資金による成長が促進されます。
リソースの効率的な活用
限られた資金やリソースを効率的に活用し、最小限のコストで最大限の成果を達成することが、ブートストラップにおいて重要です。
まとめ
結局のところ、Bootstrappingはスタートアップが成長の初期段階で取ることのできる資金調達の選択肢の一つです。この方法を選択するかどうかは、ビジネスの性質、市場の状況、創業者のビジョンとリソースによって異なります。
ブートストラップは自己資金や内部リソースに依存してビジネスを立ち上げ、成長させる方法です。一方で、補助金は外部からの無償資金提供であり、特定の条件や目的に基づくものが多いです。
ブートストラップに補助金を組み合わせることで、資金獲得の選択肢が広がり、特に初期段階のリスク軽減や成長促進に役立つ可能性があります。しかし、補助金の申請や管理には時間と労力が必要なため、そのバランスを考慮することが重要です。
自己資金での立ち上げはリスクが伴いますが、成功すればその報酬は大きく、完全に独立性を保って自由度の高い経営ができるでしょう。