令和2年度(2021年)はコロナ対応をはじめ、デジタル改革やグリーン社会の実現など以前より経済産業省が取り組むべきテーマとして掲げた事業に予算が割かれる予定です。本コラムでは、経済産業省関係令和2年度第3次補正予算案のポイントを解説します。
2021年度の予算案の合計は約4.7兆円です。
現在補正予算案として予算取りに上げられている予算・項目を以下解説します。
①デジタル改革支援
・デジタル改⾰~900億円~
ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業多数同時接続や超低遅延の機能が強化されたポスト5G及び先端半導体の開発・製造を強化する補助金です。
・コンテンツグローバル需要創出促進事業等 ~456億円~
デジタル技術を活⽤する等収益基盤の強化に資する取組を取り⼊れた公演の実施に必要な経費が補助されます。
②グリーン社会の実現
・カーボンニュートラルに向けた⾰新的な技術開発に対する継続的な⽀援を⾏う基⾦事業(仮称)~2兆円~
NEDOに基⾦を設け、2050年までのカーボンニュートラル実現に必須となる3つの要素(電化と電⼒のグリーン化、⽔素社会の実現、CO2固定・再利⽤)等の重点分野における技術開発・社会実装に向けた研究開発プロジェクトを10年間継続して⽀援される事業です。
・災害時にも活⽤可能なクリーンエネルギー⾃動⾞導⼊事業費補助⾦ ~37億円~
現⾏ではEV購⼊時に40万円が補助されます。補正では、EVと充放電設備セットの場合60万円、再エネ100%電⼒とセットの場合80万円まで引き上げられます。 ※併せて、令和元年度補正予算において措置された「サポカー補助⾦」の残余額を、令和3年度に繰り越し、サポカーの導⼊を促進。
③中⼩企業・地域 ・資⾦繰り⽀援 【8,391億円(経産省計上)】
⺠間⾦融機関を通じた実質無利⼦無担保融資を2021年3⽉まで実施されます。さらに、経営改善や業態転換等に係る新たな信⽤保証制度・⽇本公庫等の融資制度の創設・拡充を⾏われます。
・中⼩企業等事業再構築促進事業 【1兆1,485億円】
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中⼩企業の新分野展開や業態転換等の事業再構築を⽀援する。特に中堅企業に成⻑する中⼩企業については補助上限を1億円に引き上げて⽀援を重点化する。
・中⼩企業⽣産性⾰命推進事業(特別枠)【2,300億円】
感染防⽌と⽣産性向上を両⽴するビジネスモデルへの転換を⽀援する。
・Go To 商店街事業 【30億円】
感染拡⼤防⽌対策を徹底しながら、地域の活性化や需要の喚起を⽬的とする商店街イベント等の取組を⽀援する。
④レジリエンス
・サプライチェーン強靱化・多元化 【2,225億円】
⽣産拠点の集中度が⾼く、サプライチェーンの途絶によるリスクの⼤きい重要な製品等や国⺠の健康な⽣活にとって重要な製品等について、国内増産等に寄与する設備投資を⾏う事業者(必要な部品等を⽣産する中⼩企業を含む)や、海外⽣産拠点の多元化に資する設備投資を⾏う事業者に対する⽀援を継続する。
⑤TPP等関連政策⼤綱の実現・海外展開⽀援
中堅・中⼩企業の海外展開等を通じた地域活性化⽀援事業等 【104億円】
⽇英EPA、RCEPの署名等を踏まえ、JETROによる情報提供・相談体制拡充、中堅・中⼩企業の海外販路開拓や越境ECを通じた海外展開⽀援の他、アジアのデジタル企業との協業プロジェクト等を⽀援。