働き方という課題
スタートアップの課題は様々ありますが、一番はリソースが足りないことにあります。
ヒト・モノ・カネの中でも、ヒトの問題は経営を支える重要な要素のため、早い段階から整備充実と働き方改革の取り組みが必要と言われます。
そのような中、働き方改革を推進する厚生労働省は働き方改革の助成金での支援を行っています。
要件を満たしていれば必ずもらえるものなので、スタートアップやベンチャー事業にとって使わない手はありません。
このコラムでは、スタートアップのための働き方改革助成金について、
その大枠と取得方法を解説していきます。
そもそも働き方改革とは
厚生労働省の特設サイトには、
「働き方改革」は、働く人が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革。と書かれています。
一言でいうと、経営者は人それぞれの働き方ができるようにしていきましょう。
そのためには国として支援をしますよ!というもの。
狙いは『国民一人当たりの労働生産性の向上』にあります。
国が働き方改革を推進する理由
なぜ国は働き方改革を重要政策のひとつに位置づけ、
『国民一人当たりの労働生産性の向上』を支援するのか?
その背景には『日本の人口減少』が上げられます。
日本は2008年をピークに人口が減少し続けており、
将来労働力不足となる非常に高まっています。
国が掲げているのは「1億人総活躍社会」。
50年後(2070年)も人口1億人を維持し、
誰しもが活躍できる社会をつくることにありますが、
現在の試算では2060年には8,674万人となるデータもでています。
仮に日本の人口が1億人、国民1人が500万円を稼げるとなると、
日本は500兆円の生産力があることになりますが、
生産力はそのままにしても人口が8,600万人では、
国の生産力=国力は半減以下となってしまいます。
というわけで、一人当たりの労働生産性を高める、
人口(=働き手)を増やすために出生率を高める、
などの政策が「働き方改革」です。
いまの人口から働き手を増やすためには、正社員を増やす必要があります。
フリーターと正社員では賃金や年収が変わるためです。
また、労働市場に参加していない女性や高齢者を取り込むことも重要視されています。
出生率を上げるために、育休や産休の取りやすい環境づくりを支援をする。
労働生産性を上げるために、きちんと有休消化する制度をつくる。
など、すでに多くの取り組みが実施されています。
働き方改革の3つの課題とは
様々な課題がある中でも、大きくは3つの課題があります。
①長時間労働の解消
いわゆるブラック企業を減らそうというもの。
しかし、ニュースなどでも過労死などの問題が取り上げられたり、
身近にブラックな企業もまだまだ見かけるのではないでしょうか。
②格差是正
非正規と正社員の格差問題で、
いわゆるバイトや派遣と正社員の給与の格差、
保険や保証などの待遇の差がまだまだ根強く残っています。
③労働人口の減少(高齢化社会)
2035年には3人に1人が65歳以上となると言われています。
仮に65歳以上が一切働かなくなると、
単純計算で国力は3分の1削られることになります。
この65歳以上の雇用や生産性が重要視されていますが、
実際には、働けない、十分な給料のでる仕事は少ないなど、
問題点が多くあります。
なお先ほど、2060年に日本人口は8,674万人となるデータを紹介しましたが、2060年の65歳以上の人口は3,464万人という試算も出ており、2.5人に1人が65歳以上という構造になるのかと考えると非常に怖いですね。。
スタートアップのための3つの助成金
企業は人です。
一人の労働生産性が上がれば、当人の仕事もプライベートも充実したものになり、
更には企業の売上も上がります。日本での雇用の約7割を担う中小企業・小規模事業者が魅力ある職場になることで、人で不足の解消にもつながります。
というわけで、厚生労働省からは大きく3つの助成金がでています。
働き方改革推進支援助成金
「働き方改革推進支援助成金」は、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備等に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。
長時間労働の見直しのため、働く時間の縮減等に取り組む中小企業(スタートアップも含む)支援を受けられます。
業務改善助成金
「業務改善助成金」は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。
生産性向上のための設備投資(機械設備やPOSシステム等の導入)などを行い、最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部が助成されます。
キャリアアップ助成金
「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成する制度です。
労働者の意欲、能力を向上させ、事業の生産性を高め、優秀な人材を確保するために活用しましょう。
まとめ
長時間労働を是正し、非正規をなくす。
子育てや介護をしながら働くことができるように、
多様な働き方を可能にする法制度も制定していくことを、
首相官邸ホームページでも強く押し出されています。
スタートアップのような、情熱やアイデアで社会を変える事業を、
EXPACTは応援したいと考えており、
上記の助成金の獲得も含めたスタートアップ支援をご希望の方は、
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