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概算要求は、日本の予算編成における重要な手続きで、各省庁が財務省に対して翌年度の政策実行に必要な予算を要求することです。
概算要求の基本的な仕組み
概算要求は、各省庁が翌年度に実施したい政策や事業に必要な経費を見積もって財務省に要求する手続きです。財政法第17条に基づき、毎年8月末までに財務省へ提出しなければなりません。
政府は要求額の無制限な増大を防ぐため、事前に「概算要求基準(シーリング)」を設定し、各省庁に提示します。この基準により、地方交付税交付金等、年金・医療等、防衛力整備計画対象経費、裁量的経費、義務的経費といった項目別に上限が決められています。
予算編成のスケジュール
予算編成は以下のような流れで進められます:
6月:経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)が閣議決定
7月:財務省が概算要求基準を決定し、閣議了解
8月:各省庁が概算要求書を財務省に提出
9~12月:財務省による査定と各省庁との折衝
12月末:政府予算案を閣議決定
1月:予算案を国会に提出
3月:国会で可決・成立
2025年度概算要求の特徴
2025年度の概算要求では、以下のような特徴があります:
重要政策推進枠の設定
政府は4.2兆円規模の「重要政策推進枠」を設定し、構造的な賃上げの実現、少子化対策、防衛力の抜本的強化などの重要政策に対する要求を受け付けます。
社会保障費の抑制
年金や医療などの社会保障費については、高齢化に伴う自然増を4100億円以内に抑えるよう求めており、これは前年度の5200億円から1100億円の減少となっています。
事項要求の容認
物価高騰対策や賃上げ促進等の重要政策については、金額を示さない「事項要求」も認められています。
概算要求の規模と課題
2025年度の概算要求総額は117兆円超と過去最大となり、4年連続で110兆円を超える見込みです。日銀の利上げによる国債利払い費の増加、防衛費の拡大、高齢化に伴う社会保障費の増加が主な要因となっています。
政府は2025年度にプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を目指しており、厳しい財政状況の中で政策の優先順位付けとメリハリのついた予算編成が課題となっています。