デュアルトラックプロセスについて、主要なポイントを説明します。
基本概念
デュアルトラックプロセスとは、スタートアップ企業がIPO(新規株式公開)とM&A(合併・買収)の2つの出口戦略を同時に進める手法です。
主なメリット
企業価値の最大化: IPOの評価額をM&A交渉における最低評価額として活用できます
交渉優位性: 「IPOを実施する」という選択肢があることで、M&A交渉を有利に進められます
タイムリミット効果: 買い手候補に対して「IPO手続きが終わるまで」という期限を設定できます
実施条件
主に以下の条件を満たすスタートアップ企業が対象となります56:
50億円以上でのEXITを目指している
証券会社や監査法人との契約を締結している
ミドル・レイターステージのスタートアップである
市場動向
アメリカではスタートアップの出口戦略として既に一般的な手法として定着しています
日本では近年注目され始めており、成功事例としてPaidyがPayPalに3,000億円で買収された事例があります
実施体制
デュアルトラックプロセスを実行するには、以下の2つの専門チームが必要です3:
IPO準備チーム:引受証券会社と法務・会計専門家で構成
M&A準備チーム:財務・法務アドバイザーで構成