皆様は「プレバリュー/ポストバリュー」という言葉を耳にしたことはありますか?
この記事ではこれから起業される方や既に起業されている方に向けて、「プレバリュー/ポストバリュー」に関して例を交えながら解説していきます。是非ご覧ください!
プレバリューとは?
プレバリューは資金調達前の企業価値のことです。
プレマネー、プレマネーバリュエーションとも呼ばれ、下の式で表されます。
プレバリュー=1株あたりの株価×資金調達前の株式総数
資金調達にあたって、投資家と起業家は投資時点での企業価値(=プレバリュー)を決めます。資金調達前の株式総数は決まっているので、合意したプレバリューによって投資家に譲渡する株式数が変化します。
つまり、プレバリューが高ければ高いほど投資家に譲渡する株式数は必然的に少なくなります。(数値を用いた例は、次のセクションに記載しています。)
よって、起業家と投資家の両者にとってプレバリューは重要であり、特に起業家は企業価値を高く見せることも重要となってきます。資金調達前のバリュエーション(企業価値評価)の仕方はDCF法や類似企業比較法など様々な手法があります。しかし、不確定要素が多いスタートアップ企業では正しい企業価値を算出することは非常に難しくなります。
バリュエーションについて詳しく知りたい方は下の記事をご覧ください。
ポストバリューとは?
ポストバリューは資金調達後の企業価値です。
ポストマネー、ポストマネーバリュエーションとも呼ばれ、下の式で表されます。
ポストバリュー = 1株あたりの株価×資金調達後の株式総数
=プレバリュー+資金調達額
資金調達後の株式総数は、資金調達前の発行株数+資金調達時の発行株数の和です。ポストバリューは株価×株式総数による計算だけでなく、単純にプレバリューに資金調達額を足すことでも計算できます。
次にプレバリューとポストバリューの関係について、例を使って説明しましょう。
ある起業家が2,500万円の資金調達をしたいと考えています。
資金調達前の発行株式総数が2,500株の時に、プレバリューが1億円の場合と1億2,500万円の場合では、株式保有率やポストバリューなどは下の図のように変化します。
プレバリューが1億円の場合、1株あたりの株価は40,000円です。2,500万円を資金調達するには、2,500万円÷1株あたりの株価(40,000円)=625株を新たに発行する必要があります。その結果、資金調達後のポストバリューが1億2,500万円となり、起業家自身の株式保有率は80%となります。
一方で、プレバリューが1億2,500万円の場合、1株あたりの株価は50,000円です。
上と同様に計算すると、資金調達後のポストバリューが1億5,000万円で、新規発行株式数は500株になるので起業家の株式保有率は83.3%となります。
同じ額を調達しているので、ポストバリューはプレバリューの差額分2,500万円の違いとなります。
一方で、株式保有率は3.3%という僅かな差に見えますが、この差が将来的な意思決定のしやすさや上場後には数億円という違いを生むことになります。
しかし、企業価値が高ければ高いほどいいという訳ではありません。あまりにも企業価値が高いと投資家が集まらなかったり、次のラウンドで資金調達前より安い価格で株式を発行して、既存の株主に損をさせてしまう可能性もあります。
終わりに
最後までご覧いただきありがとうございました。今回は、プレバリュー/ポストバリューについてご紹介いたしました。
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