【事業承継・M&A補助金】最大2000万円!M&Aを強力に支援する補助金とは?(旧事業承継・引継ぎ補助金)
事業再編・事業統合等に伴う中小企業者の経営資源の引継ぎを後押しするために「事業承継・M&A補助金」があります。※令和3年度から「経営資源引継ぎ補助金」は「事業承継・引継ぎ補助金」、令和7年度から「事業承継・M&A補助金」となりました。
事業承継・M&A補助金は、中小企業や小規模事業者が円滑に事業承継やM&Aを行えるよう支援するための制度です。この補助金の独自の特徴と最新の公募情報について詳しく説明します。
目的
事業承継・M&A補助金の主な目的は、事業承継を機に中小企業が新しい取り組みを始めたり、事業再編・統合によって経営資源を引継ぐ支援を行うことです。これにより、日本の中小企業の持続可能な発展と雇用維持を促進します。
2025年度の主な変更点
- 名称変更:「事業承継・引継ぎ補助金」から「事業承継・M&A補助金」に変更されました。
- 補助上限額の引き上げ:最大2,000万円まで拡大
- PMI推進枠の新設:M&A後の経営統合支援を強化
- 申請枠の再編
- 事業承継促進枠
- 専門家活用枠
- PMI推進枠(新設)
- 廃業・再チャレンジ枠
補助対象
補助金は主に以下の4つの事業に分かれています:
- 事業承継促進枠
- 専門家活用枠
- PMI推進枠(新設)
- 廃業・再チャレンジ枠
事業承継促進枠
- 対象:5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している事業者
- 補助上限額:800万円~1,000万円(一定の賃上げ実施で上限引き上げ)
- 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
- 補助対象:設備投資、産業財産権等関連経費、専門家費用など
専門家活用枠
- 対象:M&A時の専門家活用に係る費用
- 補助上限額:最大2,000万円
- 補助対象:フィナンシャル・アドバイザー(FA)費用、仲介費用、表明保証保険料など
PMI推進枠(新設)
- 対象:M&A後の経営統合(PMI)に係る費用
- 補助対象:専門家費用、設備投資など
廃業・再チャレンジ枠
- 対象:事業承継・M&Aに伴う廃業等に係る費用
- 補助上限額:150万円(一定の賃上げ実施で最大800万円に引き上げ)
- 補助対象:原状回復費、在庫処分費など
補助率と上限額
補助金の上限は、支援の種類によって異なります。例えば、事業統合投資類型では800万~1,000万円、買い手支援類型では600万~800万円と設定されています。また、中小企業者の中でも小規模事業者に該当する場合は、補助率が引き上げられることもあります。
事業承継・M&A補助金の対象企業と補助額
申請類型 | 補助対象 | 補助率※1 | 補助上限 |
---|---|---|---|
事業承継促進枠 | 5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している事業者 | 中小企業1/2 小規模事業者2/3 | 800万円~1,000万円※ |
専門家活用枠 | M&A時の専門家活用に係る費用 | 1/2・2/3 | 最大2,000万円 |
PMI推進枠(新設) | M&A後の経営統合(PMI)に係る費用 | 未定 | 未定 |
廃業・再チャレンジ枠 | 事業承継・M&Aに伴う廃業等に係る費用 | 1/2・2/3 | 150万円~800万円※ |
※ 一定の賃上げ要件を満たす場合、補助上限額が引き上げられます。
注意点
- 補助率は事業者の規模や条件によって異なる場合があります。
- 専門家活用枠では、M&A未成約の場合は補助上限が変更される可能性があります。
- PMI推進枠の詳細な補助率と補助上限は、公募開始時に発表される予定です。
- 各枠の具体的な要件や補助対象経費は、公募要領で確認する必要があります。
対象となる経費
対象となる経費は多岐にわたります。例えば、M&Aに関連する専門家の費用、事業承継後の設備投資や販路開拓費用、さらには廃業に伴う費用などです。
- 設備投資費用:事業承継に際して必要な設備の購入費用。
- 専門家活用費用:M&A時の金融アドバイザーや仲介業者に支払う費用。
- PMIに関する費用:M&A後の経営統合に必要な専門家費用や設備投資。
- 廃業支援費用:事業承継やM&Aに伴う廃業に関連する費用(原状回復費、在庫処分費など)。
特徴
- 既に事業承継を完了した企業も対象:承継後の事業再編や設備投資も支援対象となる場合があります。
- 専門家の利用が必須:M&A支援機関登録制度に登録された専門家を利用することが条件となる場合があります。
- 電子申請対応:全ての手続きは電子申請(Jグランツ)を通じて行われます。
支援体制
全国各地の「事業承継・引継ぎ支援センター」が補助金に関する相談や申請支援を行っています。これにより、事業者が直面する問題に迅速かつ適切に対応できます。
申請スケジュール
2025年の初回公募は2025年1月頃に開始される可能性があります。過去の情報を参考にすると、年間2~4回の公募が予想されます。
申請の流れ
- 補助対象事業の確認
- 申請枠の要件確認
- 認定経営革新等支援機関への相談(経営革新事業または廃業・再チャレンジ事業の場合)
- gBizIDプライムアカウント発行
- jGrantsから交付申請・交付決定通知
- 補助対象事業の実施・実績の報告
- 補助金交付
まとめ
2025年度の事業承継・M&A補助金は、名称変更や新枠の設置、補助上限額の引き上げなど、大幅な改善が行われています。特にPMI推進枠の新設により、M&A後の経営統合支援が強化されました。
事業承継やM&Aを検討している中小企業にとって、より活用しやすい制度となっています。申請を検討する際は、各枠の要件や補助対象経費を十分に確認し、自社の状況に最適な枠を選択することが重要です。
- 短い事業期間を考慮し、実現可能な計画を立てる:現実的かつ具体的な計画を練ることが重要です。
- 専門家活用枠の特徴を理解し、適切な申請を行う:補助金制度を最大限に活用するためには、詳細な理解が不可欠です。
- 過去の採択傾向を参考にし、質の高い申請書を作成する:競争率が高まる可能性もあるため、準備は入念に。
- 専門家や認定支援機関のサポートを受ける:成功率を高めるために、専門家の助けを借りることが推奨されます。
しっかりとした準備と計画があれば、採択の可能性を高めることができるでしょう。