クラウドファンディングで支援額7,000万円を突破!スマート翻訳機「ZERO」を開発する中国・深圳発スタートアップ Timekettle(タイムケトル)とは?!
中国・深圳発スタートアップTimekettle(タイムケトル)社は、クラウドファンディングにてAIによるスマート翻訳機「ZERO」プロジェクトを実施し7,000万円の資金調達に成功。現在もその金額を更新し続けています。(プロジェクト終了は2020年6月22日予定)これは翻訳機のクラウドファンディングによる資金調達において国内最高額とのことです。
今回は、“クラウドファンディング“で資金調達に成功したその背景や裏話から今後の展望、そしてタイムケトル社のスマート翻訳機「ZERO」について、日本市場責任者の山内さんにご自身のご経歴を交えてインタビューさせていただきました。
―山内さん、本日はよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
―まず初めに7,000万円達成おめでとうございます。80日という短期間の中でのクラウドファンディング達成、そして現在は支援者の数も約9,700人となっていますね。率直にどのように感じていますか?
弊社はプロジェクト開始時、支援目標金額を50万円としていました。ありがたいことに、スタートからわずか18分で目標金額を達成し、今もなお支援は増え続け7,000万円を達成することができました。
加えて新機能「双方同時翻訳機能」の開発を掲げてストレッチゴールも設定させていただいております。今回の金額達成については、支援者さんからの製品への期待を強く感じています。
また、クラウドファンディングの反響としては、メディアなどにも取り上げていただいたので、自分たちがやってきたことを見てもらえる機会が増えたのはとても嬉しいことですね。
―タイムケトル社は「ZERO」プロジェクトとして、これまでアメリカ、台湾でもクラウドファンディングを成功されてきました。資金調達として、クラウドファンディングを選択された理由はなんでしょうか?
はい、いくつか理由はあるのですが、クラウドファンディングは、ただの資金調達ではないと考えています。
というのも、クラウドファンディングでは支援者さんのコメントや支援者数、金額などが可視化され、支援者さん以外の皆様にも認知していただくことが大きいですね。
当社は、海外スタートアップなので日本市場での認知度はまだ低いと感じていて、そういった面でもプロジェクト期間の中で多くの方に製品を理解していただき、一緒に何かを作り上げ、成し遂げる、これはクラウドファンディングの醍醐味だと思っています。
支援者さんからの声は社内でも重要視していて、製品に関する要望などをいただくこともあるのですが、実際に反映させていただいた事例もあるんですよ。
―なるほど、支援者さんとの近さ、実績の可視化や情報の拡散などクラウドファンディングだからこそのメリットかもしれませんね。海外と日本ではクラウドファンディングを行う際の違いなどはありますか?
アメリカでは、クラウドファンディングは「新たなチャレンジを応援する」という考え方が大きいので、販売に至るまでのアイディア段階で挑戦するプロジェクトが比較的多く、支援者さんもそこをある程度理解した上で支援されている方が多い印象です。
一方、日本では製品プロジェクトであれば、支援者さんからの期待値が高く、挑戦時にもきちんと製品としての精度や完成度が求められる傾向にあると思います。
今回は、そういったこともあり、日本でのクラウドファンディングはアメリカ、台湾と行った後に挑戦しました。
社内でも、日本でのクラウドファンディングが開始されて、より従業員の意識が高まったような気がします。開発のスピードや精度がぐんと上がりましたね。
―続いて、AIによるスマート翻訳機「ZERO」の特徴に教えてください。
まずはこのサイズ感ですね。小指と同じくらいで、スマートフォンに挿せばすぐに翻訳画面が立ち上がる「プラグ&プレイ方式」を採用しています。
充電が不要なので、付属のカード型ケースに嵌めて、財布や名刺入れに入れてお気軽にお持ちいただけます。今後は、オフライン翻訳言語も拡充予定なので、海外への旅行時など、どこでも、いつでも、ご使用いただければと思います。
現在、日本市場で販売されている音声翻訳機の多くは、手に持って話す専用機タイプが多いと思います。
専用機も良い点がもちろんあると思うのですが、持っている人が会話の主導権を握ることになり、相手が話したい時に話せない、タイミングが合わせられないなどのもどかしさがあるほか、インタビューのマイクのように専用機を行き来させる面倒臭さや距離的な制限なども。
翻訳機は、これまで言葉の壁を壊すと言われてきましたが、同時に話者との間に翻訳機による壁ができていました。
一方、弊社の「ZERO」は、会話のしやすさという点において、強みを持っています。
話者との間にスマホを置いて、会話をするだけで自動的に翻訳をしてくれるので、インタラクティブに会話することが可能です。相手の目を見て、身振り手振りを交えながらの、より自然な会話が楽しめるようになります。
これは、日本において訪日外国人旅行者のモノ消費⇒コト消費へのシフトに対しても、「ZERO」は会話によるコミュニケーションに特化しているので、使用いただける場面が多く想定できると思いますね。
また翻訳機能だけでなく、文字起こしする機能を活かして会議の議事録を取るためのツールとして使われる方もいるようです。
―モノ消費は買い物など短い会話でも成り立ちますが、コト消費は体験を通してたしかに会話が必要になってきますね!使用イメージが湧いてきました。日本では7月末の発売を目指しているということですが、クラウドファンディング後の展望についてはいかがでしょうか?
発売開始はスタート地点にすぎないと思っています。支援者さんや購入者さんの手に「ZERO」が渡って、必要な場面で使用していただき、役立てていただくことが大切だと考えています。
よく“アフターサポート”や“カスタマーサービス”など、購入後に企業側がサポート対応する言葉がありますが、弊社ではそれを“ユーザーコミュニティ”として考えており、購入してからもユーザーさんと近い距離感で繋がりを持ち続け、皆様から愛されるブランドを目指しています。
SNSや独自のコミュニティページなども展開していて、「ZERO」に関するユーザーの意見や反応もどんどんプロダクトに反映していく体制を目指しています。これは少しクラウドファンディングを行った理由と共通する部分がありますね。
―企業側の一方的な情報発信ではなく、ユーザーと企業が相互につながりを持てる場をつくるというのは購入を検討している人が興味を持つきっかけにもなりますね。発売がとても待ち遠しいです!最後になりましたが、なぜ日本人の山内さんが中国・深圳のスタートアップにジョインしたのでしょうか?
Timekettle(タイムケトル)には1年ほど前に入社しました。振り返ると、日本の外大で語学を学び、アメリカやスウェーデンに留学もしていました。
卒業後は、日本企業に入社し通訳などの仕事をしていたのですが2年ほどで退社し、東南アジアなどを旅行していました。知人が住んでいた香港へも行ったのですが、そこで新たな仕事の話などもあり興味をもちました。
中国語をまずは勉強したほうがいいと言われて、その翌日には深圳の大学へ申し込みに行きました(笑)その後、入学が決まって住居を探すといった感じで、とんとん拍子で進みました。
当時は大学に通いながら、別の仕事をしていましたが半年ほど経った頃にクラスメイトを通じてTimekettleに出会いました。ただその時は、翻訳機も全く知らずに興味も持てなかったんです。
さらにその半年後に、再びTimekettleの従業員と会う機会があり、そこでまた翻訳機に触れたのですが半年間で製品の品質が驚くほど上がっていたのを目の当たりにしました。そこで市場性や会社の将来性も感じ、入社を決めました。
今は、40名ほどの従業員がいるTimekettleですが、日本人は私ひとりです。実際に会議などで、自身が「ZERO」を使うこともあります(笑)
アジアのシリコンバレーとも言われる深圳、現地のスタートアップで働くことで、多くの経験をしてきました。最近になって、忙しい日々の中での貴重な経験を面白いなと考えられるようにもなりましたね(笑)
Timekettleの商品は、翻訳を通して人をコミュニケーションでつなぐことができると考えていて、Timekettleのコンセプトに「言葉の壁を越えた繋がりを」という言葉があります。
まさにそういったことを提供して、多くの人に幸せを届けられたらいいなと思っていますね。
―山内さんの貴重な経験の数々から、製品やその先にいるユーザーへの熱い想いを感じることができました。本日は、ありがとうございました。
ありがとうございました。
Timekettle(タイムケトル)社のクラウドファンディングは、2020年6月22日(月)18:00まで実施中です。
▼スマート翻訳機「ZERO」プロジェクト
URL:https://www.makuake.com/project/zero-translator/