国の観光需要喚起策では、さらなる期間延長の決定がなければ、「県民割(ブロック割)」事業の実施期間が9月30日宿泊分で終了。新型コロナウイルスの「第7波」の感染状況が落ち着きを見せる中、秋の観光シーズンに向けて全国旅行支援のスタートに注目が集まっている。
そうした中で、岸田文雄総理大臣は、「10月11日から全国旅行割を開始する」と発表。以前に行われていた「GoToトラベル」に代わる観光支援策となります。そして、全国を対象にした旅行支援を10月11日から12月下旬まで実施すると観光庁は発表しました。また全国旅行支援は、新たな行動制限が必要な事態が生じないことを前提に、年明け1月10日旅行分から再開されます。
12月27日まで約2カ月半にわたり実施された前回の全国旅行支援から補助額は減りますが、閑散期の底上げにつながると観光業界からも引き続き期待されています。ただし、都道府県に割り当てられた予算上限に達するなどすれば前倒しで終了する可能性あり。
また、『全国旅行支援』に加えて『イベント割』も開始予定となっており、コロナ禍で苦しんでいる宿泊業、旅行業、エンタメ業に向けての振興策となっています。
1日当たりの入国者数上限が撤廃され、短期滞在ビザの取得免除や個人旅行の受け入れも解禁されます。これまで段階的になされてきた緩和が大きく一気に前進することにより、今後、国際交流の復活に向けた動きが加速していく見込みです。
全国旅行割
「全国旅行支援」は、ホテルや旅館の宿泊代金の割引に加え、飲食や買い物に使えるクーポンを配布し、新幹線やフライト等とセットになった旅行で 日本全国への旅行を最大7,000円補助する形となります。
割引内容は、旅行代金を20%割引(1人1泊あたりの上限:交通付き5,000円、その他3,000円)。
土産店や飲食店などで使用できる地域クーポンを平日2,000円分・休日1,000円分が進呈。
実施期間は、1月10日旅行分から再開です。
対象エリアは全国が対象。参加を希望しない都道府県がある場合、その都道府県を目的地とした旅行は対象外。「全国旅行支援」の開始時期や補助内容は各都道府県で異なる場合があります。旅行先の自治体をご確認ください。また、割引を受けるには、本人確認書類などに加え、ワクチン接種歴3回接種済または PCR検査等の陰性結果の証明が必要となります。(12歳未満は、利用条件を満たす同居する親等の監護者が同伴する場合は検査不要です)。新幹線や飛行機のみの利用は適用外です。新幹線+宿泊、航空券+宿泊のセットであれば適用されます。
これまでは「県民割」として、県内や近隣県を割引支援の対象としていたが、対象を全国に拡大し、遠方への旅行を促進する政府の方針。
県民割(ブロック割) | 全国旅行支援 | |
期間 | 9月30日まで延長 | 10月11日(東京都は10月20日)〜12月下旬 1月10日旅行分から再開、 3月31日宿泊分まで ※予算がなくなり次第終了 |
割引率 | 旅行代金50%OFF | 旅行代金40%OFF 旅行代金20%OFF |
割引上限 | 5,000円OFF | ・交通付き宿泊 8,000円OFF / それ以外 5,000円OFF ・交通付き宿泊 5,000円OFF / それ以外 3,000円OFF |
クーポン | 平日・休日共に最大2,000円分 | ・平日 3,000円分 / 休日 1,000円分 ・平日 2,000円分 / 休日 1,000円分 原則として電子クーポン |
最大補助額 | 7,000円 | 11,000円 ※交通付き宿泊の場合 7,000円 ※交通付き宿泊の場合 |
補助対象 | ・県内及び隣接都道府県への旅行 ・地域ブロック内の都道府県からの旅行 (※対象拡大には都道府県間の同意が必要) | ・全国の都道府県からの旅行 (※各都道府県からの申し出により、”当該都道府県を目的地とする旅行”を支援対象から除外する) |
条件 | ・ワクチン接種歴3回 または PCR検査等の陰性結果 など | ・ワクチン接種歴3回 または PCR検査等の陰性結果 など |
イベント割
同時に始まる「イベント割」では、スポーツ観戦や音楽ライブ、演劇などのチケット代が割り引かれる方向です。「GOTOイベント」に変わる振興策として期待されています。
イベント割とは?(詳細は順次更新してまいります)
チケットの割引等により、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって甚大な影響を受けている文化芸術やスポーツに関するイベントの需要喚起を目的とした事業と考えられます。前回同様に、ワクチン接種証明や陰性証明などを活用した支援を行うことで、消費者が安心してイベントに参加できる環境を醸成していくとともに、文化芸術やスポーツに関するイベントに関係者に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の定着を促すものです。
現在、イベント割事業について、2022年10月11日以降 に開催されるイベントを対象として開始を予定されており、期間の詳細は以下の通りです。(変更の可能性あり)
- キャンペーン期間(予定):2022年10月11日~2023年1月31日
- イベント登録期間:2022年9月26日~2023年1月17日
- チケット販売期間:イベントID付与後~2023年1月31日
(販売したチケットが給付対象となるためには、イベントIDが付与された後にチケット販売を実施することが必要です。)
キャンペーンの仕組み
対象となるのは、全国のコンサート・展覧会・観劇・スポーツ観戦などのイベントです。イベント割に参加する販売会社からチケットを購入すると、チケットの割引等の特典が受けられます。フィジカル(リアル)に開催されるイベントは、イベント参加者の接種証明書等、又はPCR検査等の陰性の検査結果が確認できることが割引の条件となると考えられます。詳細は近く公表される予定です。https://wakuwari.go.jp/events/
イベント割は、
①イベント参加者
②イベントのチケット販売会社
③イベント主催者
3者すべてに関係があります。
まずはイベント参加者のポイントからまとめます。
イベント参加者のためのイベント割まとめ
対象イベントのチケットが20%割引で購入でき、参加規約に同意のうえ、登録時事業者からチケットを購入することが利用の条件になります。リアルなイベントはワクチン接種歴(3回以上完了)又は陰性の検査結果のいずれかが確認できることが割引の条件となる可能性があります。詳細は以下の通りです。
〇割引額
チケット金額の2割相当額(上限額2,000円)
〇割引適用するには
登録チケット販売事業者から、対象チケットを購入する必要があります。イベント会場で直接チケットを購入する場合でも、主催者がチケット販売事業者を兼ねており、本事業に登録済みで、かつイベント、及びチケットが要件を満たしていればイベント割の対象となります。
〇法人購入について
法人購入は不可。また、団体購入の場合も5名を越える団体による購入は給付対象外。
〇海外のイベントは対象か
海外は不可。リアルもオンライン配信イベントも原則日本で撮影されているものに限られました。
〇緊急事態宣言やイベントの開催制限等が発出されたらどうなるか
登録主催者と登録チケット販売事業者が連携し、チケットの購入者にその旨速やかに連絡および払戻し等の案内が行われるよう、事業会社に連絡がされます。
※ただし事務局に提出された販売実績報告の中に、自粛等の要請等がなされていた期間に当該地域にて要請等に反して実施されていたイベントが含まれる場合は、当該イベントは給付対象外になります。
〇キャンペーン期間が始まる前に販売済みのチケットは給付対象となるか
キャンペーンの対象となるのは、イベント登録受付開始日以降に登録の上、イベント登録審査完了以降に販売され、キャンペーン期間内に実施されたイベントのチケットとなり、イベント登録審査完了前に販売されたものは対象外です。
〇チケット購入枚数の制限はあるか
購入1回あたりの上限は5枚です。
〇キャンペーン適用期間を超えて開催されるイベントのチケットは、給付対象となるか
キャンペーンの対象チケットは、キャンペーン期間内に期日を特定して1回に限り利用できるチケットであることが条件であるため、キャンペーン期間を超えて開催されるイベントのチケットは対象外となります。
〇イベント割でイベントに参加する場合、購入者だけではなく参加者全員のワクチン接種券か陰性証明書必要ですか?
イベント割HP に証明が必要なのは「参加者」と明記されています。ディズニーランドなどほぼ全てのイベント割対象業者のHPにも全員必要だと記載されています。ただし、事業者は全員分確認する or ランダムに確認するという2種類の証明確認方法を選べるため、必ずしも全員が証明確認をされるわけではないようです。
ちなみに以下の2つは例外です。
・12歳以下
12歳未満の小児はイベント割の対象となりうる保護者が同伴すればワクチン接種歴または陰性の検査結果の確認は不要とします。イベント割の対象となりうる保護者が同伴しない場合は、2回目接種を以て12歳以上の3回目接種と同様の扱いとします。
・オンラインイベント
このワクチン接種証明/陰性証明は宿泊先でのチェックイン時に提示を求めらますが、証明書を忘れてしまうと助成が受けられない(クーポンも受け取れない)ため、デジタル庁の「接種証明書アプリ」(Android版/iOS版)を利用するのがベター。ただし、アプリでの接種証明の発行にはマイナンバーカードを保有している必要があります。
チケット販売事業者のためのイベント割まとめ
取り扱うチケット代金の20%割引が支援されます。参加登録すると事業者一覧ページに掲載され、主催者の方が閲覧可能になり、取扱いイベントやチケット販売の増加が期待できます。登録手続きは専門チームがサポートします。
チケット販売事業者の登録方法とは
該当するボタンから公募要領・その他書類をダウンロードの上、
公募要領の記載内容を必ずご確認の上、参加登録を行ってください。
【同梱されている資料】
・チケット販売事業者等向け 公募要領
・チケット販売事業者等用 公募要領補助資料
・誓約書様式
・参加規約
・給付規程
(詳細は近く公表される予定)
チケット販売事業者等の登録申請の手続きについて
チケット販売事業者等の登録申請の受付期間は、2021年12月28日(火)~事務局がお知らせする日までです。(なお、新型コロナウイルス感染症の感染状況等により、予告なく期間を延長若しくは短縮する場合があります。)
まずは、「イベント割事業 公式サイト」からアカウント登録をして、マイページへログインするためのユーザー名とパスワードを取得。
チケット販売事業者等向け公募要領に同意してアカウント発行申請すると、アカウント発行申請完了メールが届きます。メールに記載されているURLから本登録用アカウントを発行する手続きを進めます。その後、マイページにて必要項目の入力と申請書類を提出し、登録申請してください。事務局による審査を通過した後、事務局と業務委託契約を締結して登録完了です(詳細は近く公表される予定)
〇いつからチケット販売可能か?
イベント登録開始日は、現在、2022年9月26日~2023年1月17日で決定しています。チケット販売事業者としての契約締結後、かつイベント登録審査完了によるイベントID付与以降、順次イベント割対象となったチケットが給付対象となりえます
〇給付対象外となる条件はあるか
公募要領で定めるイベントの要件を満たさない場合や、登録主催者として取り消された場合など複数の条件が考えられます。詳細は公募要領及び補助資料をご確認ください(詳細は近く公表される予定)
〇キャンペーン期間前に販売されたチケットで、キャンペーン期間内にイベント実施の場合は、給付対象となるか
キャンペーンの対象となるのは、イベント登録受付開始日以降にイベント登録され、イベント登録審査完了以降に販売され、キャンペーン期間内に実施されたイベントのチケットです。イベント登録審査完了前に販売されたチケットを遡って給付対象とすることはできません(詳細は近く公表される予定)
イベント主催者のためのイベント割まとめ
主催するイベントチケット代金の20%割引が支援されるため、チケット販売の増加が期待できます。また、感染症対策やオンラインイベント等の最新事例を知ることができ、新しい生活様式に対応した事業活動に役立てられます。登録手続きは専門チームがサポートします。https://wakuwari.go.jp/assets/pdf/hojoshiryou_shusaisha.pdf
イベント主催者の登録情報とは
該当するボタンから公募要領・その他書類をダウンロードの上、公募要領の記載内容を必ずご確認の上、参加登録を行ってください。
【同梱されている資料】
・主催者向け 公募要領
・主催者向け 公募要領補助資料
・誓約書様式
・参加規約
・給付規程
よくある質問はこちら
まとめ
オミクロン株などの影響もあり、イベントの健全な運営は難しいところがありますが、こういった支援事業を通じて日本経済やコロナで打撃を受けた観光やエンタメ産業が活性化していくことが望まれます。