
継続という挑戦——TOMOL プロジェクト2025
「灯を絶やさず、より遠くへ届ける。」――それが私、髙地耕平が 2024年に TOMOL プロジェクトを立ち上げた瞬間から胸に刻み続けてきた言葉です。2025 年度、TOMOL プロジェクトは経済産業省 AKATSUKI プロジェクト に 2 年連続で採択されました。(mitouteki.jp) これは“栄冠”ではなく“公約”です。若者の情熱と地域の未来を結ぶ「炎」をさらに大きくする覚悟を、ここに共有します。
令和6年度「未踏的な地方の若手人材発掘育成支援事業補助金(AKATSUKIプロジェクト)」採択案件一覧(5月12日現在)
No. | プロジェクト名/補助事業者名 | 事業実施地域 |
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1 | 新雪プログラム/一般社団法人新雪 | 北海道全域 |
2 | Ezofrogs/一般社団法人Ezofrogs | 北海道全域 |
3 | moctech(モクテック)/特定非営利活動法人北海道エンブリッジ | 札幌市、北海道中核都市(函館市、苫小牧市等) |
4 | アオタケプロジェクト/スパークル株式会社 | 青森県全域、秋田県全域、福島県全域、函館市 |
5 | 秋田イノベーション・プログラム ASHIOTO -足音-/株式会社NTT DXパートナー | 秋田県全域 |
6 | MiTOHOKU Program/株式会社Wasshoi Lab | 宮城県全域 ※募集範囲は東北6県(青森県、秋田県、岩手県、山形県、宮城県、福島県) |
7 | ETSUZAN/Socialups株式会社 | 新潟県全域 |
8 | 茨城frogsプログラム/一般社団法人茨城フロッグス | 茨城県全域 |
9 | S.T.A.R.(Saitama Talent Advancement Recreation)プロジェクト/株式会社地域デザインラボさいたま | 埼玉県全域、秩父市・皆野町を中心とした秩父地域(条件不利地域) |
10 | ミライツクル-デジタル技術を活用した北陸地域のミライ社会実現プロジェクト-/北陸朝日放送株式会社 | 石川県全域、石川県内震災復興指定地域12市町村 |
11 | TOMOLプロジェクト/EXPACT株式会社 | 静岡県(静岡市、浜松市、三島市、沼津市、下田市)、愛知県(豊橋市、豊川市) |
12 | Co-Do:Tech/株式会社レジスタ | 東海4県(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県) |
13 | Q-Quest-GROW/JellyWare株式会社 | 東海地区(愛知県、岐阜県、三重県)、九州地区(大分県、福岡県、長崎県、熊本県) |
14 | 関西テック・クリエイター育成事業/公益財団法人大阪産業局 | 関西地域全域(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県) |
15 | Alpha+ Project/一般社団法人Greek Alphabet Software Academy | 神戸市を中心とする関西地域 |
16 | ORANGE AI Project/Setouchi Startups株式会社 | 岡山県全域 |
17 | LEADING EDGE 四国/株式会社伊予銀行 | 愛媛県及び四国地域、瀬戸内圏域をメインとした四国外地域 |
18 | re-KOSEN/メディア総研株式会社 | 中四国地域(山口県、広島県、岡山県、鳥取県、島根県、香川県、高知県、愛媛県、徳島県) |
19 | 山口未来変革デジタル人材発掘・育成プログラム/国立大学法人山口大学 | 山口県全域、広島市 |
20 | [福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム]クリエータ公募プログラム/株式会社産学連携機構九州 | 福岡県全域 |
21 | 熊本版未踏的プロジェクトIPPO/株式会社熊本日日新聞社 | 熊本県全域 |
22 | 宮崎frogsプログラム/一般社団法人宮崎frogs | 宮崎県全域 |
23 | 鹿児島版AKATSUKIプロジェクト「ISHIN」/株式会社フォーエバー | 鹿児島市 |
24 | 琉球frogsプログラム/株式会社FROGS | 沖縄県全域 |
再採択の重み——責任と期待
AKATSUKI 事業は、地方で眠る IT・ハードテック人材を掘り起こし、社会実装まで伴走する国の挑戦です。総額 8.9 億円 の補正予算が投じられる中、静岡発のTOMOL プロジェクトが連続採択を勝ち取れたのは、地域資源 × 原体験 × 官民連携 という独自モデルが実績を示したからに他なりません。
- 参加者 22 人/最終発表者9人 —— 2024 年度実績(内部レポート)
- スポンサー 8社/メンター 13 名 —— 官民・学の垣根を越えた支援体制(https://project.tomol.jp/member)
コミュニティメンバー 100名超 —— 参加者、メンター、パートナー企業の皆様、また成果発表を見届けてくださった方々、行政の皆様などの支援ネットワーク
再採択は、“数字が語る信頼と実績”と“若者が放つ情熱”が合わさった結果です。しかし、これで十分だとは到底思えません。むしろ 炎が大きくなるほど、薪を投じる責務も増す——それが私たちの実感です。
TOMOL が生んだリアルストーリー
TOMOLが生んだリアルストーリー:命を守る情熱がビジネスへ
「ヒートショックで命を落とす人をゼロにしたい」――この強い想いから、静岡県浜松市の泉本悠さんはTOMOLプロジェクト2024年度に参加し、見事優勝を果たしました。彼が立ち上げたのは、IoT技術で浴室の事故を防ぐ社会課題解決型スタートアップ「ヒートショックゼロ」です。
原点は家族の悲しみ
きっかけは、自身の祖父母をヒートショックで亡くした経験でした。「お風呂場で冷たくなった祖母を目の当たりにした父の顔が忘れられない」――その深い悲しみが、「同じ思いをする人を一人でも減らしたい」という切実な願いへと変わりました。
仲間とともにプロトタイプ開発
TOMOLプロジェクトで出会ったエンジニア友田陽大さんとチームを組み、IoTデバイスのプロトタイプ開発に挑戦。心拍数や血中酸素濃度の異常をウェアラブルで検知し、危険時には浴槽のお湯を自動排水、さらに家族や医療関係者へ通報する――「予防&検知」「お湯抜き」「通報」を一体化した仕組みを実現しました。
地域の声と手応え
実証実験では高齢者施設や団地で実際にデバイスを見せ、住民の声を集めました。「危機感はあるけど、何をすればいいかわからなかった」「こういうデバイスがあるとありがたい」といった反応が多く、地域のニーズを実感。応援の声や協力も広がり、手応えを感じる瞬間となりました。
挑戦を支えるTOMOLプロジェクトの環境
TOMOLプロジェクトは、泉本さんのような若者が「自分の問い」と「情熱」を社会実装へと結びつける場所。起業体験合宿やメンタリング、仲間との出会いを通じて、アイデアは何度も磨かれ、最終成果発表会(デモデイ)でその社会的インパクトが高く評価されました。
未来のインフラを目指して
「シートベルトが交通事故死を減らしたように、IoT技術で浴室事故をゼロにできる社会を作りたい」。泉本さんは、国や大企業が何十年もかけて整備するような新しいインフラを、スタートアップの力で実現しようとしています。2024年12月の製品リリースを目指し、今も仲間とともに挑戦を続けています。
TOMOLが生んだリアルストーリー:25歳の挑戦が地域を変える
「やってみなきゃ、わからない。やってみると、見えてくる。」
2024年夏、TOMOLプロジェクトの合宿に一人の若者が参加しました。玉木りょうたさん、25歳。彼は「政治」という未知の世界にゼロから飛び込もうとしていました。不安や葛藤を抱えながらも、TOMOLでの体験が彼の背中を押します。
自分と向き合い、問い続けた日々
合宿やワークショップを通じて、「自分は何がしたいのか」「社会にどんなインパクトを与えたいのか」を徹底的に問い直しました。メンターからは「人の話を聞くだけではビジネスにならない」「マネタイズが厳しいのでは?」といった厳しい指摘も。しかし、玉木さんは自分の弱さや不安に正面から向き合い、「やってみる」という決断をします。
100日間の街頭活動と対話
年末、玉木さんは仕事を辞め、政治団体を立ち上げます。そこから約100日間、毎日街頭に立ち、地域の人々と対話を重ねました。話すことが得意ではなかった玉木さんですが、「だからこそ人の声に耳を傾けられる」と気づき、リアルでもオンラインでも対話会を開催。住民一人ひとりの想いに寄り添い続けました。
挑戦が生んだ“仲間”と“景色”
最初は孤独だった挑戦も、一歩踏み出すことで応援してくれる人が現れ、「ひとりじゃない」と実感できるように。TOMOLで学んだ「挑戦と失敗を恐れない心」と「自分自身との深い対話」が、玉木さんの原動力になりました。
そして磐田市議会議員へ
2025年4月、玉木さんは磐田市議会議員選挙に立候補。2,099票を獲得し、見事初当選を果たします。
「皆さんの声を聴かせてください。ここからがスタートです。全力で走ります。」
彼の言葉には、地域への感謝と未来への覚悟が込められています。
若者が地域を変えるリアルストーリー
玉木さんは今、磐田市が抱える少子化や高齢化、若者流出といった課題に、若者ならではの視点で正面から向き合っています。
「夢と挑戦を応援する教育環境をつくりたい」「誰もが安心して挑戦できるまちをつくりたい」――そんな想いを胸に、日々市民と対話を重ねています。
原体験から始まる「自分探し」の旅
TOMOLプロジェクトのスタートは「原体験探求ツアー」や自己内省ワークから。参加者は自分の過去や価値観を掘り下げ、「どんな瞬間に胸が高鳴るのか」「何に情熱を感じるのか」を見つけ出します。
挑戦と失敗から生まれる“本物の起業家精神”
TOMOLプロジェクトの合宿やワークショップでは、アイデアを実際にカタチにするプロセスを体験します。壁にぶつかり、失敗し、仲間やメンターと議論を重ねる中で、「挑戦する勇気」や「柔軟な発想力」が育まれます。
志を同じくする仲間との出会い
TOMOLプロジェクトには、静岡県内外から集まった多様なバックグラウンドを持つ若者が集まります。
「ひとりじゃない」――この実感が、挑戦の原動力となります。
社会を変えるリアルな力
TOMOLプロジェクトで得られるのは、社会課題を自分ごととして捉え、アイデアを行動に変える力。
SDGsや地域課題への理解を深め、実際に社会実装まで挑戦する経験は、人生の大きな財産となります。
実践的スキルと確かな自信
プログラミングやマーケティング、ファイナンス、プレゼン力――TOMOLで学ぶ実践的スキルは、どんなキャリアにも活きる“武器”になります。
何度も壁にぶつかりながらも挑戦し続けることで、「自分ならできる」という揺るぎない自信が身につきます。
「自分の未来を、自分で切り拓く」リアルストーリー
TOMOLが生んだ若者たちは、自己理解から始まり、挑戦と失敗を重ね、仲間とともに社会を動かす力を身につけています。
それは、単なるスキルアップや起業体験ではありません。
「自分を変え、社会を変え、世界を変える」――TOMOLは、そんなリアルな変化を生み出す場所です。
あなたの一歩が、リアルストーリーの主人公になれる
もし今、「変わりたい」「自分をもっと知りたい」と感じているなら、TOMOLプロジェクトで新しい一歩を踏み出してみませんか?
私の原点——銀行マンから挑戦者へ
1984 年静岡市生まれ。法政大学卒業後、静岡銀行で 9 年間、地方企業の資金繰りと向き合いました。その後、デロイトトーマツでベンチャー支援に従事し、「地方にこそイノベーションの土壌がある」と確信。2018 年、EXPACT を創業し現在に至ります。
過去の経験から学んだのは、資金よりもまず“想い”が循環する仕組みが地域を変えるという真理です。
2025 年度 TOMOLプロジェクト——3 つの進化ポイント
- Global Gateway
上位 5 チームをシリコンバレーやカナダに視察へ派遣し、ピッチやメンタリングを実施予定。 - Impact Dashboard
CO₂ 削減量・地域雇用創出など肯定的外部性を数値化し、インパクトレポートとしてスポンサー全社と共有。 - Cross‑Mentor Scheme
スポンサー社員がワークショップで“逆メンタリング”を受け、新規事業の気づきを持ち帰る設計。
パートナー企業の皆様へ——投資ではなく“共灯”
資金提供はもちろん大きな支えですが、真に求めているのは共に情熱に火を灯し、共に手を動かす仲間です。貴社の技術、ネットワーク、そして社員の挑戦心——それらが若者に重なったとき、地域に新しいビジネスが生まれます。
参画メニュー(抜粋)
メニュー | 内容 | 期待効果 |
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Gold Sponsor | 開発支援金 100 万円/チーム + メンター派遣 | 採用ブランディング/事業共創機会 |
Challenge Mentor | 社員 1 名をワークショップへ派遣 | 社内新規事業の種を逆輸入 |
Field Provider | 工場・店舗・農地等を実証フィールドとして提供 | DX 実証による業務改善・PR |
Goods Provider | プロトタイプ開発に必要な機材・部材等を無償または割引提供 | 実証採用による製品露出/市場テスト |
最後に——情熱の炎は拡散する
TOMOL プロジェクトに、貴社の灯を重ねてください。続けることは大きな挑戦です。 採択のこの瞬間から、私は再び走り始めます——どうか、我々と一緒に次世代の起業家や挑戦者を生み出す取り組みに力をお貸しください。
「情熱の数だけ、未来は明るくなる。」
髙地 耕平(EXPACT 代表取締役 CEO)