
【令和7年度補正予算】サナエノミクスの全貌を徹底解剖
―「危機管理投資」と「中小企業支援」の決定版ガイド
2025年11月、高市早苗政権の経済政策「サナエノミクス」が、ついに具体的な予算案として姿を現しました。掲げられたのは「強い国、強い経済」。公開された「令和7年度経済産業省関連補正予算案」の資料(PR資料)を読み解くと、単なる物価高対策にとどまらず、国家の存立に関わる「危機管理投資」と、地域経済を支える「中小企業の稼ぐ力」へ、異次元の投資が行われようとしていることが分かります。
本記事では、経営者が押さえておくべき重要施策を4つの柱で解説します。
1. 【攻め】経済安全保障とディープテックへの巨額投資
サナエノミクスの真骨頂とも言えるのが、サプライチェーン強靭化と先端技術への集中投資です。「国家としての自立」を目指す意思が、予算規模に明確に表れています。
宇宙戦略基金(740億円):JAXAをハブに、民間企業による衛星開発やロケット打ち上げを10年単位で支援。
ポスト5G・半導体(計 約2,500億円):
ポスト5G情報通信システム基盤強化(1,537億円)
半導体設計・製造基盤整備(988億円)
量子コンピュータ産業化(1,004億円):次世代計算基盤の確立に向けた大型投資。
サプライチェーン強靭化:
重要鉱物・レアアース(937億円)
永久磁石(170億円)
ドローン(139億円)& 人工衛星・ロケット部品(146億円)
これらは大企業だけでなく、ディープテック・スタートアップにとっても巨大な参入チャンスとなります。特にドローンや宇宙分野での国産回帰トレンドは、技術系ベンチャーにとって追い風となるでしょう。
2. 【足腰】中小企業の「賃上げ」と「省力化」を強力支援
地方経済を支える中小・中堅企業に対しては、人手不足解消と賃上げ原資の確保を目的とした、実効性の高い支援策が並びます。
中堅・中小・スタートアップ大規模成長投資補助金(4,121億円):
今回の目玉。工場新設や大規模設備投資を行い、賃上げを目指す企業を支援。
スタートアップも明示的に対象となっており、製造業系ベンチャーの量産化フェーズに最適です。
中小企業生産性革命推進事業(3,400億円):
おなじみの「ものづくり補助金」「持続化補助金」「IT導入補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」の4点セット。
従来の枠組みを維持しつつ、賃上げやインボイス対応など、環境変化への適応を後押しします。
省エネルギー投資促進支援(175億円):工場の省エネ設備更新を支援し、ランニングコスト削減と脱炭素を両立。
3. 【守り】物価高対策と災害復旧
直面するコスト増への即効性ある対策も措置されています。
電気・ガス料金負担軽減(5,296億円):
1月〜3月の電気・ガス料金を補助。
家計だけでなく、企業の光熱費負担も直接的に軽減されます。
災害復旧・レジリエンス強化:
能登半島地震や豪雨災害からの「なりわい再建」支援。
工業用水道の強靭化(120億円)など、インフラの防災対策も強化。
4. 【未来】グローバル・スタートアップの創出
サナエノミクスは、国内市場にとどまらない「世界で勝てる企業」の育成も忘れていません。
グローバル・スタートアップ創出支援(46億円):
海外VCからの調達や海外展開を目指す企業を支援。
若手起業家や学生の海外派遣プログラムも強化。
ディープテック債務保証の拡充(19億円):
「上場後の赤字企業」も対象に加える画期的な制度変更。IPO後の「死の谷」を埋める資金調達を国がバックアップします。
まとめ:経営者が今、準備すべきこと
令和7年度補正予算は、「危機管理(セキュリティ)」と「稼ぐ力(生産性向上)」の2点に明確なメッセージがあります。
設備投資のチャンス:4,000億円規模の「大規模成長投資」は、製造業やハードウェア系スタートアップにとって千載一遇の機会です。
賃上げへの対応:多くの補助金が「賃上げ」を要件や加点事由としています。人への投資計画を早めに策定しましょう。
経済安保領域への参入:ドローン、宇宙、サイバーセキュリティなど、国の重要物資に関連する事業には手厚い予算が付きます。自社技術の転用(デュアルユース)の可能性を探るのも一手です。
サナエノミクスの追い風を掴み、自社の成長と日本の未来をリンクさせる。そのための準備を、今すぐ始めましょう。

