【スタートアップ担当相】とは?新興企業支援を目的に新設される担当相に期待!
先日、後藤茂之氏が新しいスタートアップ担当大臣に任命されました。この記事では、スタートアップ支援政策の変遷や、後藤氏が掲げる新しい政策・これまでの経歴について分かりやすく詳細に解説します。
後藤氏のビジョンと、スタートアップ業界へのインパクトに注目が集まります!
<後藤茂之氏のプロフィール>
後藤氏は、米ブラウン大学を修士で卒業し、経済学者としての卓越した経歴を持つ人物です。政治家としても国土交通大臣政務官、法務大臣を経て、厚生労働大臣を務めるなど国内外で高い評価を受けています。過去には、経済産業省での活躍や、国際経済フォーラムのメンバーとして、グローバルな視野での政策提言にも携わるなど世界経済の発展や問題解決に深く関わっています。
参照:経済再生担当 後藤 茂之 (ごとう しげゆき) – 内閣 – 首相官邸
スタートアップ企業に対する岸田首相の方針とは
2022年は「スタートアップ創出元年」として、官民を挙げてのスタートアップ支援強化を岸田総理大臣自身が表明しました。スタートアップ振興は「新しい資本主義」の柱の1つでもあり、日本のスタートアップを今後5年で10倍に増やす「スタートアップ5カ年計画」の作成や、2022年6月発表の経済財政運営の指針「骨太の方針」でも司令塔機能の新設などスタートアップ支援方針が盛り込まれるなど、積極的な取り組みが目立ちます。
デジタルトランスフォーメーション(DX)をはじめとする国内巨大産業のアップデートや日本発グローバル展開を志すスタートアップへの投資を通じて、「次世代を担う産業創造」の契機となりうるマーケットやテーマに取り組むユニコーン、デカコーン(時価総額100億ドル以上、日本円で約1兆円以上)を創出していくことを狙いとしています。
2022年1月4日の岸田首相年頭記者会見では、新しい資本主義を実現するための決意として、
①スタートアップの創出
②地方における官民のデジタル投資倍増
③気候変動問題への対応(エネルギー・脱炭素など
の3つが挙げられました。その一番手に来ているのが「スタートアップの創出」であり、岸田総理は政調会長の時代から、アメリカや中国などに比べて日本では起業文化がいまだ育っていないことに危機感を持っていることが大きな背景と考えられます。
スタートアップ向けの成長支援とは
成長戦略が掲げられる中で、「スタートアップへの徹底支援」もその一つとなっており、オープンイノベーションへの税制優遇や政府からの資金調達支援などが具体策として提示されています。
国内の資金調達トレンドとしては、「オープンイノベーション促進税制」により大企業からスタートアップへのエクイティ投資は引き続き拡大の方向で、さらに新しく起業を促すスタートアップだけではなく、中小企業の事業再構築・生産性向上への支援として”事業再構築補助金”や”ものづくり補助金”も継続しています。
デジタル技術の社会実装についても、社会実装を強力に後押しする”ものづくり補助金(ビジネスモデル構築型)”や”地域・企業共生型ビジネス導入創業促進事業補助金”やなどの補助金を活用することで、地方の社会課題に対してデジタル技術を用いて課題解決に導く動きも継続されています。
岸田政権の政策、「 株式市場や資金調達環境に追い風 」 2割強
グロース・キャピタル株式会社が行ったスタートアップ企業の 役員 CEO・CFOなど464名(上場企業役員:152名未上場企業役員:312名)が対象の、「市場環境の見通しと岸田政権の政策に関する意識調査」では、
【岸田政権が掲げる「新しい資本主義」をはじめとした政策は株式市場(未上場の場合は資金調達環境)に対して追い風か】
という設問に対して「追い風となる」と答えた企業が20.7%にとどまり、特に上場スタートアップ役員では、約9割が追い風になると考えていない結果となりました。今後の方針転換やスタートアップ担当相の活躍に期待が寄せられます。
新興企業支援を目的に新設される担当相に期待!
岸田首相は2022年8月1日、新設するスタートアップ担当相を山際大志郎経済財政・再生相が兼務する人事を発令しました。首相が推し進めるスタートアップ計画の主導者として、持続可能な経済成長と社会課題解決を両立すべく行政各部の事務の調整を担うことが目的です。また同日、木原官房副長官から、内閣官房に「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想推進室」が設けられ、スタートアップ企業を5年で10倍に増やす政府の目標に向けた5カ年計画の策定を主導することが表明されました。政府が国内外の大学などと協力し、大学発のスタートアップなどの育成をめざすもので、山際氏はこの役割も担ってきました。
新スタートアップ担当相に後藤茂之氏を起用
そんな中、2022年10月に新しいスタートアップ担当相に起用された、後藤茂之氏が掲げるスタートアップ支援をご紹介します。
1、創業支援プログラムの充実:国内外のスタートアップが活発化するために、資金調達や人材確保、海外進出などの支援を一元化するオンラインプラットフォームを提供。また、新たな創業支援制度を創設し、国が主導する投資ファンドを設立することで、スタートアップに対する投資環境を整備します。
2、スタートアップと大企業の連携強化:大企業とスタートアップの協業を促進し、イノベーションの創出を支援するため、インキュベーションプログラムや技術開発支援策を実施。これにより、新たな技術やサービスが生まれることを期待しています。また、オープンイノベーション促進税制を拡充し、事業会社によるスタートアップのM&Aを拡充します。
3、人材育成・スキルアップ支援:若手起業家や技術者の育成を図るため、研修やセミナーを充実させ、スキルアップを支援する教育プログラムを展開。さらに、国内外の名門大学やビジネススクールと連携し、起業家や技術者向けの専門教育プログラムを開設することで、より高度な人材を育成することを目標にしています。シリコンバレーへの起業家派遣は人員を選抜20名から今後5年で1000名に伸ばしていきます。
4、女性や多様な人材の活躍促進:女性や異文化背景を持つ人材がスタートアップ業界で活躍できるよう、メンタリングプログラムや研修制度を整備。ダイバーシティの観点からも、新たなイノベーションを生み出すことを期待しています。
5、地方創生とスタートアップの連携:地方でのスタートアップの育成やイノベーション創出にも力を入れることで、地域経済の活性化に貢献します。地方自治体と連携し、地域資源を活用したスタートアップ育成プロジェクトやイベントを開催し、地方創生につなげていく方針です。
日本のスタートアップ業界における後藤茂之氏の新たな役割は、これからのイノベーションを生み出す若手起業家たちにとって大きな期待がかかるものです。後藤氏が提唱する施策によって、日本のスタートアップ業界がさらなる飛躍を遂げることを期待しています。
スタートアップ庁も今後設立予定
経団連がまとめるスタートアップ振興に関する提言の最終案では、関連政策を一元的に担う省庁横断の司令塔組織として「スタートアップ庁」を創設する可能性が示唆されています。
岸田政権下においてスタートアップの強化は重要な施策の位置づけになっており、大規模かつ長期的な成長資金供給のために、国内外の機関投資家や事業会社の投資拡大のための環境整備を行い、スタートアップの成長にかかせない高度な経営人材や技術者を確保すべく、イノベーション人材育成や、国際経験豊かな人材のマッチング支援を強化することが自民党の総合政策集にもまとめられています。
まとめ
2022年のスタートアップ関連情報はこちらでもまとめております。
スタートアップ5か年計画についてはこちらで詳しく解説しています。
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