今、なぜRPAなのか?
皆さんは、新聞やニュースなどでRPAという言葉を見聞きしたことがあるでしょうか?
RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック プロセス オートメーション)」の略であり、「ロボットによる業務の自動化」を意味します。具体的にはデスクワークの内、定型作業を切り出し、PC内のソフトウェア型ロボットに代行・自動化するシステムです。
さまざまな業界で人手不足が叫ばれている中、RPAはその解決策として急速に注目を集めている技術です。大手銀行などを中心として、RPAを導入する企業はどんどん増えています。
この流れに乗り遅れることは、企業としての成長を逃すことになりかねません。
RPAなどを含め、業務処理にデジタルを取り込んでいる企業は多
変化が激しい経営環境では、仮説検証のサイクルを迅速に回す必要
大量のデータを、多角的に、スピーディーに収集・分
本記事ではRPAの魅力をお伝えするとともに、具体的な導入ポイントなどもあわせてご紹介します。
ぜひ皆さんの業務にお役立てば幸いです。
RPAの基礎を理解しよう
【RPAの概要】
まず、よくある間違いを2つほど紹介します。
よくある間違い①:人型のロボットが仕事をしてくれるの?
RPAは人型のロボットではありません。
手も足も無ければ、話したりもしません。
もっと言えば、物理的な機械や装置として存在するわけでもありません。
では何か?
「アプリケーション上で動作するソフトウェア」です。
したがって目に見えるものではなく、あくまでもパソコンの中に存在するものだと理解してください。
よくある間違い②:AIと同じものじゃないの?
RPAとAIは別物です。
何が違うのかというと、AIは自己学習能力を持っていますが、RPAはそうした能力を持っていません。
RPAはあくまでも、あらかじめ決められた動作を忠実に反復して再現するものです。
RPAに適した業務とは
上記のように、RPAはなんでもできる万能な技術ではありません。業務内容によって、得意・不得意があります。ここではRPAを適用する業務を判断するための条件について解説します。
条件①:複雑な判断を必要としないルールベースの業務であること
RPAはあらかじめ決められた作業をするので、自分で物事を判断することはできません。(ここがAIとの違いですね。)とはいえ、「YES・NO」あるいは「10以上か10未満か」といった明確なルールベースでの判断は可能です。
条件②:音声認識を介さない業務であること
RPAは物理的なロボットではないので、音声でのコミュニケーションをとることができません。
しかし、最近では「音声認識型RPA」というものも登場しているようです。
ただ、認識精度はまだまだ甘く、実際の業務で使うにはまだ早いというのが現状でしょう。
条件③:紙媒体を介さない業務であること
RPAは目を持っているわけではないので、紙媒体のデータを読み込むことができません。
ただし先ほどの音声認識と同様に、最近では紙をスキャナで読み込んで処理するRPAがあるようです。
とはいえまだまだ精度は甘く、ミスに許されないような業務では使うことができないでしょう。
他にも細かな条件はありますが、まずはざっくりとこれらのことを理解してください。
こうした条件を知っておくと、RPA導入を検討する際の判断材料になります。
RPAを導入するメリット
ここではRPAを導入するメリットを、大きく3つ説明します。
メリット①:人的ミスの抑制
あらかじめ決められた指示にもとづいて作業するので、人的ミスが発生する余地がありません。
また疲れや体調不良によるケアレスミスも、当然発生しません。
メリット②:人件費の削減
RPA導入時のイニシャルコストおよびランニングコストがかかりますが、正社員やパートを雇うことを思えばコストを減らすことができます。
残業代の請求をされることもなく、労災やパワハラで訴えられることもありません。
メリット③:圧倒的な作業スピード
RPAの作業速度は、とにかく早いです。
お時間のある方は、動画サービスなどで「RPA 作業例」などと検索してみてください。
そのスピードに驚くはずです。
また、深夜でも休日でもロボットを動かしておくことが可能です。
月曜の朝に出社したら仕事がほとんど終わっている!なんてことも夢ではないでしょう。
RPAを導入する上でのポイント
前の章では、RPAに適した業務の条件について述べてきました。
ここではRPA導入を進める際に留意すべきポイントを2つ説明します。
ポイント①:RPAの特徴を理解する
前述したとおり、RPAには得意・不得意があります。
不得意な業務を任せてしまうと、逆に生産性を低下させてしまうことになりかねません。
安易な導入をせずに、事前準備として業務の見極めが必要です。
ポイント②:利害関係者と合意形成する
RPAを導入すると、反復業務の大半をロボットに任せることが可能となります。
これは素晴らしいことなのですが、見方を変えると「人の仕事を奪う」ことにもなります。
となると、「自分の居場所を奪われてしまう!」と感じる社員が抵抗勢力となる可能性があります。
RPA導入で生まれた余剰人員を、どこに振り分けるか?
これを考えておかないと、社員の合意を得ることはできません。
社員の合意を得られないとRPA導入プロジェクトでは手戻りが発生してしまうので、要注意です。
RPAの導入効果を最大化するために
RPAの導入は単に業務の自動化にとどまらず、企業の生産性向上と業務変革をもたらす可能性があります。しかし、RPAを効果的に活用するには、適切な準備と戦略的なアプローチが不可欠です。ここでは、RPAの導入効果を最大化するためのポイントをいくつか提案します。
1. 業務プロセスの見直し
RPAを導入する前に、現在の業務プロセスを徹底的に分析し、非効率な部分や改善の余地を特定することが重要です。RPAは既存の業務プロセスを自動化するだけでなく、プロセス自体を最適化する機会ともなります。
2. 優先順位の設定
RPAに適した業務を特定し、優先順位をつけることで、限られたリソースを最も効果的に活用できます。高い自動化効果が期待できる業務から着手し、段階的にRPAの適用範囲を広げていくことをお勧めします。
3. 従業員の巻き込み
RPAの導入は従業員の業務スタイルに大きな影響を与えます。そのため、従業員を早期から巻き込み、RPAの目的と効果を理解してもらうことが不可欠です。従業員の不安や懸念に耳を傾け、適切な研修やスキル向上の機会を提供することで、変化への抵抗感を和らげることができます。
4. ガバナンスの確立
RPAの導入は単なるツールの導入ではなく、企業のデジタルトランスフォーメーションの一環です。そのため、RPAの管理と運用に関するガバナンスを確立し、セキュリティ、コンプライアンス、プロセス標準化などを徹底する必要があります。
5. 継続的な改善
RPAの導入は一過性のプロジェクトではなく、継続的な改善が不可欠です。定期的にRPAの運用状況を監視し、新たな自動化の機会を探すとともに、従業員からのフィードバックを収集し、改善につなげていくことが重要です。RPAの導入は企業の生産性向上と業務変革の起点となる可能性がありますが、その効果を最大化するには、戦略的なアプローチと継続的な取り組みが不可欠です。上記のポイントを参考にしながら、RPAの導入を検討していただければ幸いです。
ChatGPTとRPAの連携
ChatGPTとRPAを連携させることで、より高度な業務自動化が可能になります。以下のようなユースケースが考えられます。
1. RPAの自動化シナリオ作成支援
RPAのシナリオ(自動化の手順)を作成する際に、ChatGPTに自然言語で説明することで、必要なコードを生成してもらえます。これにより、RPAの開発工数を大幅に削減できます。
2. 非定型業務の自動化
RPAは定型的な業務の自動化に適していますが、非定型的な判断が必要な業務は自動化が難しい場合があります。しかし、ChatGPTと連携することで、そうした非定型業務の一部を自動化できるようになります。4例えば、顧客からの問い合わせに対して、RPAがデータを収集し、ChatGPTが最適な回答案を生成、RPAが回答を送信するといった流れが考えられます。
3. データ分析・レポーティング支援
RPAでデータを収集し、ChatGPTにデータ分析やレポート作成を行わせることで、人手を介さずに高度な分析レポートを自動生成できます。
4. 音声・画像データの処理
RPAは主に画面上のデータ処理に特化していますが、ChatGPTなら音声や画像データも処理できます。両者を連携させることで、より幅広いデータ処理の自動化が可能になります。ChatGPTとRPAを上手く連携させるためには、APIの活用が不可欠です。RPAツールベンダーがChatGPT連携用のAPIを提供していれば、比較的簡単に連携できます。一方で、セキュリティ面での課題もあり、機密データの取り扱いには注意が必要です。ChatGPTとのデータのやり取りは必ず社内環境で行うなど、対策を講じる必要があります。ChatGPTとRPAの連携は、まだ発展途上の分野ですが、業務自動化の可能性を大きく広げる有望な手段だと言えます。今後の技術進化に注目が集まります。
まとめ
RPAの概要をざっくりと説明しましたが、いかがだったでしょうか?
使い方さえ間違えなければ、反復業務の大幅な削減・人件費の圧縮などを実現することができるはずです。
そしてヒトは「誰にでもできる単純作業」から解放され、「知的で高度な業務」に専念することができるようになるのです。
ただし、なんの準備も無しにRPA導入に飛びつくのは危険です。
どの業務をRPAに任せるべきか?
導入した場合の人件費削減効果はどれくらいか?
そもそも今の業務フローは適切か?
こういったことをきちんと精査すれば、RPA導入の効果はさらに高いものとなります。
「興味があるけれど、何からはじめればいいかわからない」という方は、下記までお気軽にご相談ください。
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