はじめに
多様な働き方を尊重し、個々の働く人を大切にするという視点は重要です。それにより、エンゲージメントを向上させ、生産性や労働効率を高めることにもつながります。
エンゲージメントの向上は、働く人が自身のスキルや好奇心をフルに発揮できる環境を整えること、また適切な評価や報酬の仕組みを整えることで実現します。個々の価値観や目標を尊重し、それに合わせた働き方を提案することも大切です。
また、労働力の拡大については、多様な働き手が活躍できる環境を整備することで実現できます。具体的には、テレワークやフレキシブルな働き方を整備し、子育てや介護等で働く時間に制約のある人々も含めた多様な労働力を活用すること、さらには共有値を明確にすることで、新入社員から経験者までが安心して働ける環境を作り出すことが重要です。
そんな働く人一人一人を尊重する風土を整えることで、はたらきやすい環境が実現し、企業も働く人も共に成長できる状況を作ることができます。
新卒採用は、採用ブランディングが8割。
静岡発の、いわゆる地方ベンチャー企業の弊社は、 3年間で56名の学生を、採用単価3万円で採用しています。 驚異的だと自負しています。 それは、ブランディングに力を注いでいるからです。 参考にして頂けると嬉しいです!
そもそも、ブランディングとはなんでしょう?
ブランディングとは、端的に言うと、 “商品(あるいはサービス)の裏側にあるストーリー”を伝えることです。
具体例をもとに、詳しく見ていきましょう。 山形県に、東北芸術工科大学企画構想学科という 商品開発や広告・マーケティング、PR・広報について学べる学部があります。
学長は『くまモン』を世に送り出した小山薫堂さん。 そこで「ブランディングとは何か?」を講義したのですが、 参考となるはずなので紹介します。
その日、学長は大鍋に入ったカレーを授業に持ち込みました。 「食べたい人いますか?」と聞くと、 昼食後の3限目ということもあり、手を上げる生徒はいません。 「では、ここでこのカレーを作って下さった方に入場していただきましょう」 と、教室に入ってきたのは一人の女性。
「このカレーのポイントは?」 「こんな風につくりました」 「このカレーはご家族のどなたが好きなんですか?」 「次男が好きでいつも食べていました」 「次男の方は何をされていらっしゃいますか?」 「野球選手です」 「お名前は?」 「平凡な名前なのですが、鈴木一朗(イチロー)と言います」 そこで生徒の反応が一気に変わりました。
持ち込まれたカレーは、イチロー選手が「世界一好き」とルーティンで食べていたカレーだったのです。 最後に学長は生徒に聞きました。 「このカレーを食べてみたい人?」 生徒全員が手を上げました。 学長が一言。 「これが、ブランディングです」
新卒採用におけるブランディングの重要性
Z世代の特徴的な価値観として、”イミ消費”といわれる消費行動があります。
イミ消費とは、単にサービスや商品を購入するのではなく、社会的価値や文化的価値に重きを置き、 社会に貢献することに価値を見出す消費活動です。
Z世代が「イミ消費」を重視する傾向があることから、企業のブランディングが新卒採用に大きな影響を与えます。Z世代は単に製品やサービスを購入するだけでなく、社会的価値や文化的価値を重視するためです。
採用活動も、消費行動も、「認知」→「興味喚起」→「検討」→「エンゲージ」というフェーズをたどる点からわかる通り、マーケティングと採用活動は共通点が多く、まずはイミ消費の観点から、 具体例をもとに、新卒採用にブランディングが大切な理由を説明致します。
Nike, Inc. ナイキが、有色人種差別に抗議して試合前の国歌斉唱で片膝を突き、リーグから事実上追放された選手を起用し、モノクロ写真に白抜きで、「何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にするとしても」と 広告した例があります。 この広告に対し、メディアで批判の嵐が起き、直後にナイキの株価は下落。 ナイキのスニーカーを燃やし、靴下からナイキのロゴを切り取る人も現れました。
しかし、Z世代からは、絶大な支持を受けたのです。 数週間後に四半期決算が発表されると、ナイキの株価は9.2%も急騰。広告によって消費者からのエンゲージメントは大幅に上昇し、エイペックス・マーケティングによれば、1億6,350万ドル相当のメディア露出が実現しました。
社会正義と社会運動に強い関心を持つZ世代の共感を呼び、ソーシャルメディアで爆発的拡散された典型例です。
ナイキの広告事例が示すように、社会正義や社会運動に共感を呼ぶブランディングは、Z世代からの支持を得ることができます。Z世代は、自分の好きなものを「推す」人たちです。そしてその推された情報を、信用しシェアします。 こと新卒採用においても、同じことが言えます。
つまり、パーパス、価値観、社風、事業内容などが広く認知され、企業ブランドが確立されれば、 それらに共感する質の高い母集団が形成され、SNSでシェアされ、自社のファンが勝手に増えていきます。
中小企業、スタートアップやベンチャー、不人気業界の企業は特に、 費用を抑えて自社の存在を広く深く認知させることができることは、採用成功に大きな意味を持つはずです。
「Z世代」というペルソナは存在しない。
気を付けてほしいポイントがあります。 Z世代、という人物はいません。しかし、Z世代をひとくくりにせず、ペルソナに合わせてブランディングすることが重要です。ペルソナを理解し、パーソナライズされた情報を提供することで、ミスマッチを防ぎ、ファンを獲得できます。彼ら彼女らは、マスに向けられた情報は信用しません。 ペルソナに刺さる、ブランディングをしましょう。
つまり、新卒採用においては、企業の理念や価値観、社風、事業内容などをブランディングし、それらに共感する質の高い母集団を形成することが成功の鍵となります。SNSを活用してブランディングを広め、自社のファンを増やすことも有効な手段です。Z世代がワークライブバランスを重視するからと言って、スタートアップ企業が採用ブランディングで、 ワークライフバランスを謳ってしまうと、ミスマッチにつながりかねません。
まずは自社の理解をし、ペルソナの明確化、ファンになるようなカスタマージャーニーを打ち立て、 そこに、ブランディングを打ちだしていきましょう!
難しいことはありません。 ペルソナを理解し、パーソナライズした情報で個別に訴求していくだけです。 事実、静岡発の地方ベンチャー企業の弊社も、 3年間で56名の学生を月額単価3万円で採用しています。
ご興味頂ければぜひお問合せください。ノウハウをお伝えさせて頂きます。
まとめ
いかがだったでしょうか? 新卒採用において、ターゲットであるZ世代の価値観(イミ消費)を理解し、 ペルソナに合ったブランディングさえできてしまえば、認知度向上、母集団形成、ミスマッチのない採用、 そして、わかりやすくコスト減と離職率低下などが見込めます。
まとめると、Z世代の「イミ消費」の傾向を踏まえ、ペルソナに合わせたブランディングを行うことが、新卒採用の成功に大きく寄与するということができます。弊社では、広報・社会労務士・キャリアコンサルタント・補助金活用・学生・採用コンサルタントの知見を総動員で、貴社をサポートいたします。 ご活用ください!