そもそも金利とは何か?
そもそも金利とは何か?
住宅ローンを組もうと考えたとき、皆さんは何を基準に金融機関を選ぶでしょうか?
全国的に知名度の高い銀行を選ぶ人もいるでしょう。
中には、「担当者の感じが良かった」という理由で選ぶ場合もあるかもしれません。
はたまた、もともと給与口座がある地方銀行や信用金庫を選ぶという考え方もあるでしょう。
上記のように選択基準はいろいろあると思いますが、おそらく皆さんが強く関心を持つ要素は金利ではないでしょうか?
金利とは、お金を借りた際にその対価として支払う利息のことです。
金融機関が店頭やホームページで示しているのは、上図の【年利】にあたります。
仮に3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、金利が1%変わると、返済総額は500万円以上も変わる計算になります。
これから住宅ローンを検討する皆さんは「たかだか数パーセントの違いなんて・・・」と考えるのではなく、しっかりと金利のことを理解して金融機関を選んだ方が良いでしょう。
金利の種類・特徴
金利は大きく、以下の2種類にわけることができます。
- 固定金利
- 変動金利
皆さんが住宅ローンを借りる際には、どちらかの金利タイプを選択しなくてはなりません。
いざという時に困らないためにも、この記事でそれぞれの違いや特徴をつかんでおいてください。
固定金利
あらかじめ決められた期間において、金利を固定することができます。
固定期間中は世の中の金利がどれだけ上がっても(または下がっても)、金利が見直されることはありません。
期間選択型の場合、契約時に固定期間を3年、5年、10年といったように選ぶことができます。
これに対して、借入の全ての期間を固定金利とする商品を全期間型と呼んだりします。
<メリット>
- 世の中の金利が上がった場合でも、住宅ローン金利が上がらない
- 金利が固定されているので、心理的に安心できる
- 返済額が変わらないので返済計画を立てやすい
<デメリット>
- 世の中の金利が下がった場合でも、住宅ローン金利が下がらない
- そもそもの金利水準が変動金利より高く設定されている
変動金利
返済期間中、半年ごとに金利が見直されます。
一般的に、固定金利よりも利率が低く設定されています。
金利が下がれば返済額は減り、逆に金利が上がれば返済額も増えることになります。
とはいえ、金利の見直しごとに返済額が変わるわけではありません。
返済額の変更は5年ごとに行われることになっているので、借主は急な返済額増加にあわてることなく対処することが可能となっています(いわゆる5年ルール)。
また、金利見直し後の返済額は前回の125パーセントまでを上限とするルールがあります。
このルールも5年ルールと同様に、借主の返済負担を一定の範囲内におさえる効果をもっています。
<メリット>
- 固定金利よりも金利が低い
- 世の中の金利が下がった場合、住宅ローン金利も下がる
<デメリット>
- 世の中の金利が上った場合でも、住宅ローン金利も上がる
- 金利が固定されていないので、心理的に不安がつきまとう
住宅ローンは「複利計算」
住宅ローンは、『利息が利息を生む』という利子の計算方法「複利」になっています。
複利は、利息が元本に組み込まれるていくのが特徴です。住宅ローンは、元本を返していかなければ、利息が複利で増えていくことになり、利子を含めた返済額は大きくなっていきます。
年間の利払いだけでなく、複利効果も加味して変動・固定金利を選択しなければなりません。
金利上昇を想定せず、複利効果だけを考えた場合には、当初借入金額の大きい時期にいかに安い金利で借りることが重要かがわかると思います。
複利の計算はローン電卓をつかって計算できるので、ご自身で計算されるか、専門家に相談しましょう!
住宅ローンの借替の検討
最近では、オンラインで住宅ローンの申し込みできるサービスも増えてきました。ネット銀行系は金利は安いですが申し込みから実行まで時間がかかります。また住宅ローン初心者の方には大量に書類が送られてくるなど少しハードルが高いかもしれません。新築でなく借替の利用であればネット銀行で十分だと思います。
リアル店舗を持っており、対面で対応してくれる銀行の中では三井住友信託銀行が一番金利が安いと思います。またネットによる返済などサービスも充実しており、ネット銀行には抵抗のある方にはオススメです。
銀行店舗に来店するのも煩わしいとか、近くに三井住友信託銀行がない場合は、地元の地方銀行や信用金庫に相談しましょう。場合によっては訪問により対応してくれるケースもあります。
また借替を検討されている方には登記費用や住宅ローン利用手数料、保証料など金利メリット以外にも加味するファクターがたくさんありますので合わせて専門家に相談してください。
実際に選ばれているのは?
ここまで、固定金利と変動金利の違いを見てきました。
では、世の中の皆さんはいったいどちらの金利タイプを選んでいるのでしょうか?
出典:住宅金融支援機構 「2018年度 民間住宅ローン利用者の実態調査」
図をみていただくとわかるように、近年では半数以上の人が変動金利を選んでいるようです。
短期的に見た場合には変動金利のほうが低金利に設定されているため、変動を選ぶ人が多いのでしょう。
また金融機関側も、特別の事情が無い場合には変動金利をオススメしているようです。
絶対的な正解はありませんが、皆さんもぜひ参考にしてみてください。
まとめ
将来の金利動向は、誰にも分りません。
したがって「固定金利と変動金利のどちらが良いか?」という質問には「わからない」としか答えられないのが正直なところです。
住宅ローンを組んで思考停止してしまってはいけません。
特に変動金利を選んだ場合は、ローンを組んだ後も世の中の金利動向をきちんと確認し、金利の変動リスクを意識する必要があると言えるでしょう。