
【富士市長選挙2025】現職勇退、新人4名の激戦へ
ー 市川真未市議も出馬意向、最新動向を解説
2025年12月に予定されている静岡県富士市の市長選挙。任期満了(2026年1月18日)を迎える現職・小長井義正市長が、7月31日に「3期12年が一区切り」「新しい風が望ましい」と不出馬を正式表明し、地域は新時代のリーダー選びへと舵を切りました。
現職・小長井義正市長の不出馬表明に続き、8月21日には市川真未市議(37歳)が新たに出馬意向を固めたことが判明。選挙戦は「新人4名による激戦」の様相を呈してきました。
概要・最新状況(2025年8月24日現在)
現職市長の不出馬発表を受け、選挙は新人候補同士の争いになる公算が大きく、新鮮な顔ぶれに注目が集まっています。投票日はまだ公式発表がありませんが、前回(2021年)が12月19日だったことから、今回も12月の執行が見込まれています。
📋 選挙の基本情報
投票予定日: 2025年12月(詳細日程は未発表)
任期満了日: 2026年1月18日
選挙の特徴: 現職不出馬により、新人候補同士の争い
投票日は未確定ですが、前回同様12月執行が有力。市選管/県選管からの告示・公告はまだ発表なし。
任期満了日は2026年1月18日。
前回2021年の市長選挙が12月19日に実施されたことから、今回も12月中の執行が有力視されています。市選挙管理委員会からの正式な告示はまだですが、各候補者の準備は着々と進んでいる状況です。
🎯 現職・小長井義正市長の不出馬決定
7月31日、小長井義正市長が正式に不出馬を表明しました。「3期12年が一区切り」「新しい風が望ましい」との理由で、富士市政の舵取りを後進に託すことを決断。これにより、選挙戦は完全に新人候補同士の争いとなることが確定しました。
小長井市政では「生涯青春都市」をスローガンに、JR富士駅北口再開発や新総合体育館整備など、大型の都市基盤整備事業を推進してきました。これらの実績をどう継承・発展させるかが、次期市長の大きな課題となります。
「新しい風を吹かせることが望ましい」と述べており、むしろ自らの地盤を特定の後継者に継承させるのではなく、完全に新しいリーダーシップを求める姿勢を示しています。
主な立候補予定者(50音順でご紹介)
補者 | 経歴・プロフィール | 出馬表明・主な政策訴求 |
---|---|---|
市川 真未 市議選結果 1,914票 (前回) | 37歳 / 富士市議1期・民間経験 | 市議では意見を伝えるにとどまり、実行は当局任せ。市長として自らの責任で未来を形にしたい。100年後に『ありがとう』と言われるまちづくりを目指して挑戦したい |
一条 義浩 市議選結果 2,773票 (前回) | 富士市議(1999年初当選、現在6期目/55歳) | 2025年7月23日会見で出馬表明。「産業強みを生かしたまちづくり」「切れ目のない医療体制」など |
小沢 映子 市議選結果 2,433票 (前々回) | 元富士市議 | 2025年5月出馬表明。「私の見えている景色は市政に必要」とアピール |
金指 祐樹 | 私設図書館「ワンダー図書館」館長、無所属 | 出馬表明済み。公式サイト・選挙情報サイトでプロフィール・若年層向けの活動を発信 |
📊 3候補の市議選実績比較
一条義浩氏:2,773票(2023年・7位)
小沢映子氏:2,433票(2019年・18位)
市川真未氏:1,914票(2023年・22位)
New! 市川真未(いちかわ・まみ)氏 (37歳/無所属)【最新】
経歴・プロフィール
富士市出身、現在1期目の市議会議員(2023年初当選)
石油会社勤務などの民間経験あり
15年間県外・海外での生活経験
「よそ者視点」を強みとして政治活動を展開
出馬理由
「市議の立場では、意見を伝えることにとどまり、実行は当局に委ねられる。市長となり、自らの責任で未来を形にしたい。100年後に『ありがとう』と言われるまちづくりを目指して挑戦したい」
今後の予定
10月に市議辞職予定
辞職後に正式な立候補表明会見を開催
政策の特徴
海外・県外経験を活かした「外部視点」のまちづくり
多様性重視(国籍・年齢・性別の違いを活かす)
分かりやすい政治・市民参加の促進
「ワクワクする富士市」の実現
👉 37歳という若さと15年の市外経験を武器に、既存候補とは異なる新しいアプローチを打ち出す可能性。
一条 義浩(いちじょう・よしひろ)氏
無所属、富士市議会議員(55歳)。1999年初当選、現在6期目。
7月23日に出馬表明し、「産業の強みを生かしたまちづくり」「切れ目のない医療体制」など具体的な政策をアピール。地場産業、特に製紙を中心とした産業振興・DX推進が主軸。議会活動の経験を活かし、“未来志向”の行政モデルに挑む。
医療体制の充実や安心・安全な暮らしの基盤づくりに意欲。事業者との連携や新規起業支援にも積極的。
主要政策
産業の強みを生かしたまちづくり
切れ目のない医療体制の構築
DX推進による未来志向の行政モデル
新規起業支援の強化
製紙業を中心とした地場産業の振興に長年取り組んできた経験を武器に、産業政策と医療・防災体制の充実を訴えています。
一条義浩氏が市議辞職、選挙一本に専念へ
8月15日(金)の戦没者追悼式への出席を最後に、
一条義浩氏は富士市議会議員を辞職。8月18日付で正式に議員バッジを返上しました。
いただいた議席なのだから最後までやりきるべきだという声もあれば、
報酬をいただいている以上、選挙に力を入れるなら潔く辞めるべきだというご意見もありました。
これまで力を注いできた『地域医療』の再興、そして集大成となる「救急医療を守り抜く条例」の提案準備が整った今こそ、一つの区切りの時期だと判断しました。(一条氏ブログより抜粋)
辞職のポイント
公務と選挙活動の“二足のわらじ”を解消し、フルコミット体制をアピール
市議欠員に伴う補欠選挙は、日程次第では市長選と同日実施の可能性
「救急医療を守り抜く条例」など、これまでの医療政策実績を全面に押し出す布石
今後のインパクト
市議経験“6期”という看板が「前職」へと肩書変更。
フットワークが軽くなる一方、議会舞台での発言機会はゼロに。
補欠選挙が同時実施となれば、若手・新人の台頭チャンスが拡大。
→ スタートアップ/DX人材など“次世代型”候補者が市政に流入する可能性も。小沢 映子(おざわ・えいこ)氏
元富士市議会議員。5月1日に出馬表明し、「私の見えている景色は市政に必要」として自らの市政観を訴求。
教育と福祉の現場経験、障害当事者家族としての視点から“現場主義”を重視。社会的弱者や子育て世代、女性の参画推進が強い特徴。社会福祉法人理事として、福祉専門職の待遇・人材拡充を訴求。
主要政策
女性・子ども・福祉分野の充実
社会的弱者への支援強化
障害者支援の拡充
福祉専門職の処遇改善
「私の見えている景色は市政に必要」として、福祉現場での経験と障害当事者家族としての視点を市政に活かすことを訴えています。
金指 祐樹(かねざし・ゆうき)氏
私設図書館「ワンダー図書館」館長(無所属)。若年層への発信力を武器に、公式サイトやイベントを通じて地域活動や政策を積極的に展開。
主要政策
教育環境の充実
若年層への支援強化
現役世代の子育て支援
地域コミュニティの活性化
若年層への発信力を活かし、教育と子育て支援を中心とした政策を展開。8月11日には「もし高校生が富士市長になったら?」という斬新な企画にも参加し、若い世代との対話を重視する姿勢を示しています。
候補者 | 経歴の特徴 | 政策重視ポイント | キーワード |
---|---|---|---|
一条 義浩 | 議員歴長、地場産業/医療政策推進 /8月18日付で辞職 → 市長選へフルコミット | 産業振興・医療・DX推進 | 未来志向・安心安全・産業 |
小沢 映子 | 福祉分野・女性/障害者支援 | 女性・子ども・福祉目線 | 当事者視点・弱者支援 |
金指 祐樹 | 若年層/教員/図書館運営・営業経験 | 教育・子育て・現役世代支援 | 挑戦・教育・若者育成 |
🏛️ 現在の立候補予定者の位置づけ
現在出馬表明している3名の候補者を見ると
一条義浩氏
富士市議会議員として6期の経験を持ち、小長井市長と同じく議会出身
政策面では「産業振興」「医療体制」を重視し、小長井市政の都市基盤整備路線と親和性が高い
ただし、明確に「後継者」として位置づけられているわけではない
小沢映子氏
元富士市議会議員で福祉分野に強み
小長井市政とは異なる「福祉・弱者支援」を前面に押し出した独自路線
金指祐樹氏
私設図書館運営という新しいバックグラウンド
若年層重視の政策で、従来の政治とは一線を画した新しいアプローチ
むしろ今回の選挙の特徴は、誰も既存の地盤に頼らない新しい政治が展開されることです。これは地方政治の活性化という観点で非常にポジティブな状況と言えるでしょう。
小長井市長が「新しい風が望ましい」と述べたように、富士市は既存の枠組みを超えた新しいリーダーシップを求めている状況にあります。これは、スタートアップ支援や起業家育成といった新しい政策領域にとって、非常に良い環境と言えるのではないでしょうか。
今回の注目ポイント・争点
富士市ならではの課題・可能性が、各候補の主張を通じて浮き彫りになっています。
1. 世代・ジェンダー構成の多様化
女性候補:2名(市川氏・小沢氏)
30代候補:2名(市川氏・金指氏)
議会経験者:3名 vs 民間出身:1名(金指氏)
2. 政策軸の明確化
産業・経済軸:一条氏
福祉・生活軸:小沢氏
教育・若者軸:金指氏
多様性・変革軸:市川氏 ←NEW!
3. 「外部視点」vs「地域密着」の対立構図
市川氏の「15年間の市外経験」「よそ者視点」は、他候補の「地域に根ざした活動」と明確な差別化要素となる見通し。
産業振興・地域経済の活性化
富士市の基幹産業である製紙業の高付加価値化と新産業の育成が大きな焦点です。DX推進や起業支援策についても各候補の具体策が注目されます。特に注目すべきは、起業家育成とスタートアップ支援策の具体的な展開です。
期待される施策
起業家育成プログラムの実施:学生から社会人まで幅広い層を対象とした起業教育の実施
スタートアップインキュベーション施設の整備:共同オフィス、メンタリング、資金調達支援を一体化した拠点づくり
地場産業×スタートアップ連携:製紙業の技術力を活かした新事業創出支援
DX推進とデジタル人材育成:行政のデジタル化と民間のIT人材育成を同時進行
創業資金支援制度:補助金・融資制度の拡充と手続きの簡素化
一条氏が掲げる「新規起業支援」が具体的にどのような形で実現されるか、また他の候補者がスタートアップ施策をどう位置づけるかが重要な判断材料となります。
医療・防災体制の強化
「切れ目のない医療体制」の構築と、大規模災害に備えた減災・避難体制の強化が重要課題として浮上しています。
期待される施策
ヘルステック・防災テック企業の誘致:医療・防災分野でのイノベーション創出
産学官連携による研究開発拠点の設置
災害時のデジタル活用:AIやIoTを活用した避難支援システムの構築
若者・女性の参画促進
人口減少・高齢化が進む中で、若年層の定住促進と女性の社会参画をどう進めるかが問われています。各候補の世代や経験の違いが、この分野での政策の差となって現れています。
期待される施策
学生起業家支援プログラム:高校・大学との連携による起業体験教育
女性起業家支援ネットワーク:子育て世代の女性が起業しやすい環境整備
Uターン起業家支援制度:富士市出身者の起業による地元回帰促進
若手起業家コミュニティ形成:同世代の起業家同士のネットワーキング支援
副業・複業推進:公務員の副業解禁検討や民間の働き方改革支援
金指氏の「もし高校生が富士市長になったら?」企画のような斬新なアプローチが、実際の起業家育成施策にどう反映されるかも注目ポイントです。
スタートアップエコシステム構築
地方発イノベーション創出への挑戦
富士市が静岡県東部のスタートアップハブとして機能するための基盤整備が、新たな争点として浮上する可能性があります。
期待される施策
企業版ふるさと納税活用:スタートアップ支援への企業参画促進
近隣自治体との連携:静岡市、沼津市、三島市との広域スタートアップエコシステム構築
東京圏企業のサテライトオフィス誘致:リモートワーク拠点としての富士市の魅力向上
起業家メンターネットワーク:成功した経営者による後進指導体制の構築
これらの施策により、富士市が「製造業の街から起業家の街へ」と進化する可能性を秘めており、各候補者の起業家支援に対する本気度が問われています。
直近の動き(時系列で振り返り)
日付 | 主な出来事 |
---|---|
2025/5/1 | 小沢映子氏が出馬表明 |
2025/6/5 | 小長井市長、「出馬は未決断」と会見(のちに不出馬へ) |
2025/7/23 | 一条義浩氏が出馬表明(3人目) |
2025/7/31 | 小長井市長が不出馬を正式表明 |
2025/8/11 | 金指氏、関連イベント参加の告知投稿(若年層向け企画) |
2025/8/15 | 一条氏が市議辞職を表明(8/18付で正式離任) |
2025/8/21 | 8/21 市川真未市議、出馬意向固める New! |
2025/10ごろ | 10月予定 市川氏、市議辞職→正式表明会見 |
📌 この記事は 2025年8月24日時点 の最新情報に基づきます。
🔄 次回更新:市川氏の正式表明会見、他候補の政策発表等があり次第
小長井市政の実績
「生涯青春都市」のスローガンのもと、JR富士駅北口再開発や新総合体育館整備など、都市基盤・地域経済の強化に力を入れてきました。市民の生活基盤を支える施策は今後の継承・発展が期待されています。
EXPACTの視点 / スタートアップエコシステムへの期待💡
EXPACTは、起業家支援を行う立場から、今回の富士市長選挙で特に注目しているのは新規起業支援とDX推進に関する各候補の姿勢です。
一条氏が掲げる「新規起業支援」は、地方都市でのスタートアップエコシステム構築において重要な要素です。また、若年層にフォーカスする金指氏の取り組みも、次世代の起業家育成という観点で興味深いものがあります。
静岡県全体のスタートアップエコシステム発展のためには、各市町村レベルでの起業支援策の充実が不可欠です。富士市の新市長がどのような起業家支援策を打ち出すかに期待しています。
おわりに ― 新時代への“選択”が富士市の未来を左右する
今回の富士市長選挙は、まさに「現職勇退・新人三つ巴」という歴史的な構図となりました。製造業の街として発展してきた富士市が、次の時代にどのような方向性を選ぶのか——その答えは市民の皆さんの一票に委ねられています。
産業振興×医療・防災×若者・女性参画 という3つの軸で各候補の政策を比較検討し、富士市の未来を担うにふさわしいリーダーを選んでいただければと思います。
選挙の詳細日程や新たな情報については、今後も継続的にフォローしていきます。地方から日本を変える——そんな気概を持ったリーダーが富士市から生まれることを期待しています!
次回アップデート予定
📌 この記事は 2025年8月24日時点 の最新情報に基づきます。
🔄 次回更新:市川氏の正式表明会見、他候補の政策発表等があり次第
関連リンク
富士市選挙管理委員会
各候補者の公式サイト・SNS
静岡県選挙管理委員
JR富士駅北口再開発
静岡県富士市では、「生涯青春都市」のまちづくりスローガンのもと、JR富士駅北口の再開発事業が都市基盤強化の柱として進められています。
この再開発は、地域経済の活性化や市民生活基盤の向上を目的とし、駅周辺の利便性や安全性の強化を通じて、街全体の価値を高める狙いがあります。
具体的な内容には、公共空間の整備、交通結節点としての機能拡充、商業施設や市民サービス拠点の設置などが含まれており、富士市民の“暮らしやすさ”を底上げする役割を担っています。これらは今後も市政継承の重要な方針として位置づけられています。
新総合体育館整備
新総合体育館の整備は、富士市全体の都市基盤強化ならびに地域経済活性化、そして市民スポーツ・交流の中核施設として計画されています。
現職市長が主導したこの整備は、大規模イベントへの対応、生涯スポーツの推進、災害時の拠点機能強化など、多面的な地域メリットを生み出すものとなっています。
体育館内には、市民が気軽に利用できる設備やバリアフリー設計が取り入れられ、地域コミュニティの結束を図るハード面の充実が図られています。
富士市政の基盤強化として
いずれも2025年市長選挙における争点・注目事項のひとつ。次期市長が誰になっても、これまで培われた都市基盤整備の実績(JR富士駅北口再開発・新総合体育館整備)は、今後も市民サービスと地域経済活性に直結する重要政策として、継承・発展が期待されています。
🎯 注目イベント:高校生模擬市長選が開催!
チャレンジセミナー「もしも高校生が富士市長になったら〜夢と妄想の市長選!?〜」
📅 開催概要
開催日時:2025年8月24日(日)13:30〜15:30
開催場所:富士駅南まちづくりセンター小木の里ホール
主催:PowerupFuji(小櫛)
協力:富士市(市民活躍・男女共同参画課)
🎯 イベントの目的と内容
選挙を通して女性や若者といった多様な市民の声をまちづくりに反映するために開催された市民参加型イベント。高校生が模擬的に市長選への立候補を行い、自分の思い描くまちの姿を発表する取り組みとして実施されました。
📋 プログラム構成
第1部:高校生による模擬市長選挙(演説・模擬投票)
第2部:グループワーク「10代の投票率向上策」の議論
🌟 候補者の参加状況
市川真未氏が参加者として参加し、高校生たちの熱い想いを直接聞く機会に
金指祐樹氏も参加を表明し、「どんな話が聞けるのか楽しみ」とコメント
このイベントの選挙戦への影響
📈 若者政策の具体化
このセミナーは富士市が継続開催している「チャレンジセミナー」シリーズの一環で、政策・方針決定の場への女性と若者の参画促進を目的とした人材育成講座として位置づけられています。
🎯 候補者への示唆
市川氏:多様性重視政策の具体的実践例として参加
金指氏:若年層重視政策の象徴的イベントとして注目
💡 富士市の先進性
高校生による模擬市長選という斬新な企画は、若い世代の政治参画促進と地域まちづくりへの関心向上を目的とした重要な取り組み。富士市の将来を担う高校生たちの創造的アイデアが披露される貴重な機会となりました。