コロナ禍を機に、スタートアップ業界にも様々な変化が訪れています。その中でも特に注目なのが、トレンドワード化した「DX」(デジタルトランスフォーメーション)。DXとは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念ですが、ここに来て従来のアナログの仕組みからデジタルへ移行する動きが、政府にも見えるようになりました。このコラムでは脱ハンコで追い風を受けるリーガルテックスタートアップについて解説します。
政府主導で急スピードで進められる『脱ハンコ』とは
脱ハンコとは、これまで決裁において上長など回覧者の印鑑を紙で取得していたものをデジタル化し、ハンコを押さなくても(例えば電子サインなどで)決裁が出来るようにするというものです。
安倍政権から菅政権へと変わり、新任の河野太郎規制改革担当大臣と平井卓也デジタル改革担当大臣の両名がニュースで取りだたされるようになりました。河野大臣が就任後まもなく「ハンコの廃止」や「FAXの廃止」というテーマを掲げ、各省庁をはじめ政府のデジタル化推進を進めていることが大きな『脱ハンコ』の話題になっています。
『脱ハンコ』で勢いを加速させるリーガルテックのスタートアップ
脱ハンコのトレンドを追い風に伸びている企業がリーガルテックです。
リーガルテックとは法律もしくは法務(リーガル=Legal)と技術(テック、テクノロジー=Tech)を組み合わせた造語で、スタートアップの中でも、法務業務において発生するさまざまな課題を技術で解決するソリューションを生み出す会社に注目が集まっています。
そもそも、この『脱ハンコ』は政府主導で強力に推進される以前に、コロナ禍に伴うテレワークの広がりを背景に、世の中には広まりつつあります。
契約業務を巡り、電子署名サービスや人工知能(AI)を使った契約書の作成補助など新サービスが続々登場しているだけではなく、契約書からの請求業務、事務処理から売上管理まで様々な企業・サービス間の連携も相次いています。
リーガルテックのスタートアップ企業一例
・Cloudsign(クラウドサイン)
東証マザーズ上場の弁護士ドットコムが提供するサービスで、契約書の電子化ができ、そのファイルをクラウド上で管理できるサービスです。
印刷代、製本の手間、郵送の準備や切手代など、諸々の経費削減に繋がります。
WEB完結型かつ無料で利用可能であり、クラウドサインに登録していない企業とも契約を締結することができます。(契約書の送付側はクラウドサイン登録が必要)
https://www.cloudsign.jp/
・NINJA SIGN(ニンジャサイン)
契約に関する課題をクラウド上で解決し、ビジネスを「影」で支える「ワンストップ契約サービス」です。北村弁護士を起用したCMが話題でこちらも弁護士監修のクラウド完結型のサービスとなります。運営元は株式会社サイトビジット。
https://ninja-sign.com/
・DocuSign (ドキュサイン)
サンフランシスコに本社を置くアメリカ企業で、世界で数億人が使用する電子署名等のサービスです。場所やデバイスを選ばず契約や合意、稟議処理が行えます。場所やデバイスを選ばないサービスです。
https://www.docusign.jp/
・SmartHR
全国2万社以上が登録するシェアNo.1のクラウド人事労務ソフトです。法務の中でも入退社手続きや従業員情報の一元管理、年末調整などの人事・労務管理をペーパーレスにし、電子申請対応で人事労務のDX化を進めることができます。
https://smarthr.jp/
・BtoBプラットフォーム
全国47万社以上に導入実績がある、商談・受発注・規格書・請求書・見積書・契約書・業界チャネルなど7つのシステムを展開する東証一部上場会社・インフォマート社のサービスです。サービスは個別になっていますが、組み合わせることで一貫したクラウドサービスを受けることができます。
https://www.infomart.co.jp/products/index.asp
まとめ
紙からデジタルへ。脱ハンコをはじめとしたDXの流れは来年以降も続いていくものと考えられます。新しく生まれてくるリーガルテックのスタートアップにも注目しながら、テレワークという働き方を考えてみてはいかがでしょうか。
弊社では、テレワークの推進もサポートしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。