未踏的人材発掘・育成事業（未踏事業）は、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構（IPA）が主催するプロジェクトで、IT分野における優れた人材を発掘し、その育成を支援することを目的としています。この事業は2000年に開始され、特に独創的なアイディアと技術を持つ若手IT人材を対象としています。
未踏事業の概要
目的
未踏事業の主な目的は、以下の通りです：
イノベーションの創出: IT技術を駆使して新しい価値を生み出すことができる独創的なアイディアと技術を持つ人材を発掘すること。
人材育成: 発掘された人材に対して、プロジェクトマネージャー（PM）による指導や支援を通じて、その能力を最大限に引き出すこと。
特徴
プロジェクト提案型: 提案者（未踏クリエイター）が自身のアイディアを基にプロジェクトを提案し、PMがその提案を審査・採択します。
多様な支援: 採択されたプロジェクトには、資金援助や技術的なアドバイスなどの支援が提供されます。
知的財産の個人帰属: 未踏事業で生まれた知的財産権は、提案者個人に帰属します。
スーパークリエイター
特に優れた成果を上げたクリエイターは「スーパークリエイター」として認定されます。この称号は、絶対基準に基づいて与えられ、認定されたクリエイターはその後もIT業界で高い評価を受けることが多いです。
具体的な事例
採択プロジェクト
過去には、以下のようなプロジェクトが採択されています：
まつもとゆきひろ: オブジェクト指向スクリプト言語Rubyの次期バージョンの開発。
登大遊: イーサネットのソフトウェア実装とトンネリングシステムの開発。
落合陽一: 「電気が見える」デバイスとソフトウェアの開発。
地域プロジェクト
例えば、福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアムは、九州大学や企業が連携して地域の若手IT人材を支援する取り組みを行っています。
まとめ
未踏的人材発掘・育成事業は、IT分野でのイノベーションを推進するための重要なプロジェクトであり、独創的なアイディアを持つ若手人材の発掘と育成を通じて、日本のIT技術の発展に大きく貢献しています。