最大250万円の助成金!「働き方改革推進支援助成金」とは?要点解説とまとめ
「働き方改革推進支援助成金」は、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備等に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。
助成金の概要
- 対象は従業員を雇用する中小企業事業主や事業主団体です。
- 生産性向上と労働時間短縮、年次有給休暇の取得促進などを目的としています。
- 5つのコースがあり、コースごとに支給要件や上限額が異なります。
コースと支給額の上限
- 適用猶予業種等対応コース:最大250万円
- 労働時間短縮・年休促進支援コース:最大480万円
- 勤務間インターバル導入コース:最大480万円
- 労働時間適正管理推進コース:最大160万円
- 団体推進コース:最大500万円(構成事業主10以上の場合)
コースがいくつかあり、主なものは以下のとおりです。
①労働時間短縮・年休促進コース
生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部が助成される。
②勤務間インターバル導入コース
勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設けることで、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止を図る中小企業主を支援します。
③労働時間適正管理コース
生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取組む中小企業事業主への支援になります。
上記3つのうち、この記事は①労働時間短縮・年休促進支援コースについて解説します。
「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースとは
令和2年4月1日から、中小企業に時間外労働の上限規制が適用されています。
時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がない限りこれを超える(違反した)場合には、罰則の恐れがあります。(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
政府は中小企業の生産性を向上させ、労働時間の効率化や有給休消化促進などの環境整備に取組む事業主に支援を行っています。
労働時間短縮・年休促進支援コースの助成内容
助成金対象事業者とは
支給対象となる事業主は、次のいずれにも該当する中小企業事業主(※1)です。
(1)労働者災害補償保険の適用事業主であること
(2)交付申請時点で成果目標1から3の設定に向けた条件を満たしていること
(3)全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
※1中小企業図業主とは、以下のAまたはBの要件を満たす中小企業となります。
支給対象となる取組みとは
支給対象となる取組みは次の通りです。
①労務管理担当者に対する業務研修も含む研修 |
②労働者に対する業務研修も含む研修 、周知・啓発 |
③外部専門家によるコンサルティング |
④就業規則・労使協定等の作成・変更 |
⑤人材確保に向けた取組 |
⑥労務管理用ソフトウェアの導入・ 更新 |
⑦労務管理機器の導入・更新 |
⑧デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新 |
⑨労働能率の増進に資する設備・機器等の 導入・更新 |
※研修には、勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含みます。
※原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
一つでも該当すれば良いため、ハードルは低くなっており、
これを機に働き方改革に取り組む企業は多いのではないでしょうか。
労働時間短縮・年休促進支援コース申請方法
2023年度の主な変更点
- 交付申請期限が2023年12月28日まで延長されました。
- 事業実施期間が2024年2月29日まで延長されました。
- 支給申請期限が2024年3月8日まで延長されました。
ステップ1
「交付申請書」を、最寄りの労働局雇用環境・ 均等部(室)に提出して下さい。
締切は2023年12月28 日(木)
電子申請システムによる申請も可能です。詳しくはこちら(https://jgrants.go.jp/)
※弊社別記事も参照ください
交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施
事業実施締切は2024年2月29日(木)※2023年11月30日までに交付申請をした場合は、1月31日(水)です。
労働局に支給申請
締切は2024年3月8日(金)※2023年11月30日までに交付申請をした場合は、2月9日(金)です。
申請後の手続き~成果目標について~
① | 月60時間を超える36協定の時間外・休日労働時間数 を縮減させること。 ・時間外労働と休日労働の合計時間数を月60時間以下に設定 ・時間外労働と休日労働の合計時間数を月60時間を超え月80 時間以下に設定 |
② | 年次有給休暇の計画的付与制度を新たに導入すること。 |
③ | 時間単位の年次有給休暇制度を新たに導入し、かつ、 交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育訓練 休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症 対応のための休暇、不妊治療のための休暇、時間単位 の特別休暇)のいずれか1つ以上を新たに導入すること。 |
助成金の支給額について
実施事例イメージ
【ケース①】
新たに機械・設備を導入して、生産性を向上させる
今まで人のリソースを使っていたものを、機械の導入によって自動化、省人化する取り組みも働き方改革の一つです。そのための設備導入やシステム導入にも助成金が活用できます。
【ケース②】
始業・終業時刻を手書きで記録しているが、クラウドを活用する
出退勤を紙や手打ちで行うのではなく、テレワークにも対応したクラウドシステムを導入することなども有効的です。こちらのクラウド導入での改善にも助成金対象になりそうです。
【ケース③】
業務上の無駄な作業を見直し、原因と対策を企てたい
外部のコンサルタントを利用し、第三者的な目線から自社の問題点や課題を明確にし、改善を行うことも助成金の対象になりそうです。
まとめ
新型コロナウイルスの影響で売上が減少したなどの事業者に対しては、ほかにも様々な補助金や助成金があります。
申請期限や条件など確認の上、対象であればどんどん活用していきましょう。今からやろうとしていることが助成金の対象なのか、どのように申請すればよいのかなどあれば、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。