
「働き方改革推進支援助成金」は、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備等に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部を助成するものです。
コースがいくつかあり、
〇労働時間短縮・年休促進コース※申請多数により受付終了
=生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部が助成される。
〇勤務間インターバル導入コース
詳しくはこちら
〇労働時間適正管理コース※11月30日まで
生産性を向上させ、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取組む中小企業事業主への支援になります。
上記3つのうち、この記事は③労働時間短縮・年休促進支援コースについて解説します。
「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースとは
令和2年4月1日から、中小企業に時間外労働の上限規制が適用されています。
時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間で、臨時的な特別の事情がない限りこれを超える(違反した)場合には、罰則の恐れがあります。(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
政府は中小企業の生産性を向上させ、労働時間の効率化や有給休消化促進などの環境整備に取組む事業主に支援を行う意味で人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)を創設し、本コースの支給を受けた事業主が、助成の対象事業主となります。
詳細は以下のHPをご参照ください。
(働き方改革推進支援助成金とは窓口が異なります。) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199313_00001.html
労働時間短縮・年休促進支援コースの助成内容
助成金対象事業者とは
① 労働者災害補償保険の適用を受ける中小企業事業主(※1)であり、全ての対象事業場について下記に該当することが条件です。
・36協定を締結している
・年5日の年次有給休暇の取得に向けて 就業規則等を整備している
・交付申請時点で「成果目標」①から④の設定に向けた条件を満たしている以下グラフ要件を満たす企業
支給対象となる取組 ~いずれか1つ以上を実施~
①労務管理担当者に対する業務研修も含む研修
②労働者に対する業務研修も含む研修 、周知・啓発
③外部専門家によるコンサルティング
④就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤人材確保に向けた取組
⑥労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・ 更新(原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。)
⑦テレワーク用通信機器の導入・更新(原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。)
⑧労働能率の増進に資する設備・機器等の 導入・更新(原則として、パソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。)
一つでも該当すれば良いため、ハードルは低くなっており、
これを機に働き方改革に取り組む企業は多いのではないでしょうか。
労働時間短縮・年休促進支援コース申請方法
ステップ1
「交付申請書」を、最寄りの労働局雇用環境・ 均等部(室)に提出して下さい。
締切は11月30 日(月)
電子申請システムによる申請も可能です。詳しくはこちら(https://jgrants.go.jp/)
※弊社別記事も参照ください
交付決定後、提出した計画に沿って取組を実施
事業実施締切は1月29日(金)
労働局に支給申請
締切は2月12日(金)

申請後の手続き~成果目標について~

① 全ての対象事業場において、月60時間を超える36協定の時間外労働時間数を縮減させる
=時間外労働時間数で月60時間以下に設定 ・時間外労働時間数で月60時間を超え月80時間以下に設定
②全ての対象事業場において、所定休日を1日から4日以上増加させる
③交付要綱で規定する特別休暇(病気休暇、教育 訓練休暇、ボランティア休暇)の何れか1つ以上を全ての対象事業場に新たに導入する
④時間単位の年次有給休暇制度を全ての対象事業場に新たに導入させる
助成金の支給額について
以下のいずれか低い額
・①~④の上限額及び加算額の合計額
・対象経費の合計額×補助率3/4(※4)
(※4) 常時使用する労働者数が30名以下かつ、「支給対象となる取組」で⑥から⑧を実施する場合で、その所要額 が30万円を超える場合の補助率は4/5●成果目標①の上限額
以下グラフ参照


●成果目標②の上限額
・所定休日3日以上増加:50万円
・所定休日1~2日以上増:25万円
●成果目標③達成時の上限額:50万円
●成果目標④達成時の上限額:50万円
●賃金引上げの達成時の加算額
以下グラフ参照
実施事例イメージ
ケース①新たに機械・設備を導入して、生産性を向上させる
今まで人のリソースを使っていたものを、機械の導入によって自動化、省人化する取り組みも働き方改革の一つです。そのための設備導入やシステム導入にも助成金が活用できます。
ケース②始業・終業時刻を手書きで記録しているが、クラウドを活用する
出退勤を紙や手打ちで行うのではなく、テレワークにも対応したクラウドシステムを導入することなども有効的です。こちらのクラウド導入での改善にも助成金対象になりそうです。
ケース③業務上の無駄な作業を見直し、原因と対策を企てたい
外部のコンサルタントを利用し、第三者的な目線から自社の問題点や課題を明確にし、改善を行うことも助成金の対象になりそうです。
まとめ
新型コロナウイルスの影響で売上が減少したなどの事業者に対しては、ほかにも様々な補助金や助成金があります。
申請期限や条件など確認の上、対象であればどんどん活用していきましょう。今からやろうとしていることが助成金の対象なのか、どのように申請すればよいのかなどあれば、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。