【解説】令和6年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業」とは
中小企業庁が主導する令和5年度予算「成長型中小企業等研究開発支援事業」の公募が開始されました。これは中小企業等が大学・公設試等と連携して行う、研究開発及びその事業化に向けた取り組みを最大3年間支援するものです。デザインやIT、高度なものづくりの分野で大学と提携したい!AIやIoTといった先端技術を使って、下請けを脱却したいなどの中小企業は、ぜひご活用ください。なおこの事業は中小企業者等を中心とした共同体を構成する必要がありますので公募要領を必ずご覧ください。
申請はe-Rad(府省共通研究開発システム)から申請してください。郵送、持参、FAX又は電子メール等による申請書の提出は受け付けられません。
こちらの記事では成長型中小企業等研究開発支援事業について解説します。
本事業以外の補助金を検索されたい場合はこちらもご参照くださいませ
対象事業
中小企業者等が、ものづくり基盤技術及びサービスの高度化に向けて、大学・公設試等と連携して行う研究開発等が支援対象となります。具体的には、「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化等に関する指針」を踏まえた研究開発、試作品開発及び販路開拓への取り組みが支援対象になります。
*生産を目的とした設備備品の導入や営利活動に関する補助事業ではないので、ご注意ください。
▲制度の仕組み(公募要領より)
中小企業の特定ものづくり基盤技術の高度化に関する指針(令和4年2月18日改正)
特定ものづくり基盤技術に関する事項
- デザイン開発 製品の審美性のみならず、ユーザーが求める価値、使用によって得られる新たな経験の実現・経験の質的な向上等を追求することにより、製品自体の優位性加え、製品と人、製品と社会の相互作用的な関わりも含めた価値創造に繋がる総合的な設計技術
- 情報処理 IT(情報技術)を活用することで製品や製造プロセスの機能や制御を実現する情報処理技術
- 精密加工 金属等の材料に対して機械加工・塑性加工等を施すことで精密な形状を生成する精密加工技術
- 製造環境 製造・流通等の現場の環境(温度、湿度、圧力、清浄度等)を制御・調整するものづくり環境調整技術
- 接合・実装 相変化、化学変化、塑性・弾性変形等により多様な素材・部品を接合・実装することで、力学特性、電気特性、光学特性、熱伝達特性、耐環境特性等の機能を顕現する接合・実装技術
- 立体造形 自由度が高い任意の立体形状を造形する立体造形技術(ただし、(3)精密加工技術に含まれるものを除く。)
- 表面処理 バルク(単独組織の部素材)では持ち得ない高度な機能性を基材に付加するための機能性界面・被覆膜形成技術
- 機械制御 力学的な動きを司る機構により動的特性を制御する動的機構技術
- 複合・新機能材料 部素材の生成等に際し、新たな原材料の開発、特性の異なる複数の原材料の組合せ等により、強度、剛性、耐摩耗性、耐食性、軽量等の物理特性や耐熱性、電気特性、化学特性等の特性を向上する又は従来にない新しい機能を顕現する複合・新機能材料技術
- 材料製造プロセス 目的物である化学素材、金属・セラミックス素材、繊維素材及びそれらの複合素材の収量効率化や品質劣化回避による素材の品質向上、環境負荷・エネルギー消費の低減等のために、反応条件の制御、不要物の分解・除去、断熱等による熱効率の向上等を達成する材料製造プロセス技術
- バイオ ヒトや微生物を含む多様な生物の持つ機能を解明・高度化することにより、医薬品や医療機器、エネルギー、食品、化学品等の製造、それらの評価・解析等の効率化及び高性能化を実現するバイオ技術
- 測定計測 適切な測定計測や信頼性の高い検査・評価等を実現するため、ニーズに応じたデータを取得する測定計測技術
先端技術を活用した高度なサービス開発に関する事項
第4次産業革命の進展により、ものづくりとAI、IoT等の先端技術を活用した高度なサービス開発の融合の重要性が高まっていることを踏まえて、先端技術を活用した高度なサービス開発についての考え方や方針について整理したもの。
高付加価値企業への成長・変革に関する事項
研究開発により磨き上げた技術を用いて高付加価値製品の製造等を通じて下請け構造を脱却し、成長を遂げるために必要な考え方や方針について整理したもの。
対象者・申請方法
この事業は、中小企業者等を中心とした共同体を構成する必要があります。
共同体は、研究等実施期間、事業管理機関を含む2者以上で構成する必要があります。
※詳細は、以下の公募要領(7ページ)をご覧ください。
▲モデルケースの例(公募要領より)
本事業の申請書の提出は「e-Rad(府省共通研究開発管理システム)」上でのみ受け付けることとしています。
※申請にあたってはe-Radへの登録が必要になります。手続きに日数を要する場合がありますので、余裕をもって登録手続きを行ってください。
e-Radを通じた成長型中小企業等研究開発支援事業の申請について(準備中 3月上旬頃公表予定)
e-Rad(府省共通研究開発管理システム)ホームページ(本事業の応募申請受付は準備中 3月上旬頃予定)
補助事業期間
2年度又は3年度
補助率
- (1) 中小企業者等(補助率:2/3以内)
- (2) 大学・公設試等(補助率:定額)
- ※定額補助の者(2)に関しては補助金総額の1/3以下であることが必要
※大学・公設試等が事業管理機関として共同体に参加している場合に限り定額(ただし、補助率2/3が適用される場合がある(注1))
(注1) 事業管理機関である場合は、通常枠では300万円、出資獲得枠では600万円まで定額とし、それ以上については、採択審査委員会(注2)において高い評価を受けた上位50%については定額とし、下位50%については補助率2/3以内を適用する。研究等実施機関である場合は、通常枠、出資獲得枠ともに公募申請時における共同体全体の補助金額の1/6まで定額とし、それ以上については、採択審査委員会(注2)において高い評価を受けた上位50%については定額とし、下位50%については補助率2/3以内を適用する。
(注2)2年目についても採択審査委員会の結果によることとする。3年目については中間評価の結果によることとする。
3. 補助金額(上限額)
- (1) 通常枠:
- 単年度あたり4,500万円以下
2年間合計で7,500万円以下3年間合計で9,750万円以下 - (2) 出資獲得枠:
- 単年度あたり1億円以下
2年間合計で2億円以下
3年間合計で3億円以下
ただし、補助上限額はファンド等が出資を予定している金額の2倍を上限とする。
※詳細は、公募要領をご覧ください。
公募期間
令和5年2月22日(水)~令和5年4月20日(木)【17時締切】
採択想定件数
通常枠:120件程度、出資獲得枠:5~10件程度(予定)
※あくまで見込みであり予告無く変更されることがあります。
公募要領等
以下の公募要領等をダウンロードし、提案内容を記載のうえ、e-Radから申請してください。郵送、持参、FAX又は電子メール等による申請書の提出は受け付けられません。
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