静岡を起業家精神の溢れる地域にする | トビタテ!留学JAPAN 吉井謙太さん
こちらの笑顔が爽やかな男性は、静岡大学大学院に在籍されている吉井謙太さんです。
吉井さんは先月まで「トビタテ!留学JAPAN」という官民協働海外留学支援制度の9期生としてシリコンバレーで半年間留学をされてきました。
「静岡を起業家精神に溢れる地域にする」ためにスタートアップの聖地シリコンバレーに留学した吉井さん。
インターンの若月、伊藤、井上の三人でシリコンバレーでの経験や、留学を終えた現在についてインタビューしてまいりました。
――吉井さん、まずはお帰りなさい!
ただいま!笑
――さっそくなんですが、シリコンバレーでの半年間の留学はいかがでしたか?
本当に多種多様な価値観の人と関わることができ、たくさんの刺激を受けた半年間でした!
――そうなんですね、逆に辛かったことというのはありましたか?
実は向こうで引きこもりをしていた時期がありまして笑
――ひきこもりですか!
というのも、やはり謎の日本人青年が急に来てもシリコンバレーのアントレプレナーのコミュニティになかなか関わることができなくて…。自分はせっかくシリコンバレーに来たのに何もできていないという無力感に苛まれ、3日ほど引きこもりました。
――どのようにしてそのスランプを抜け出したのでしょうか?
単身で飛び込みをするのではなく、知り合いに知り合いを紹介してもらう、という数珠つなぎで徐々に活動の幅を広げることができました。
――なるほど、人の繋がりに助けられたというわけですね。シリコンバレーで出会った学生のスタートアップに対してのイメージはどうでしたか?
実は、僕が通っていた大学は思っていたほどスタートアップに対して積極的ではありませんでした。
しかし、留学中何度も訪問させていただいたスタンフォード大学は、周りにスタートアップ企業がたくさんあり、研究室自体も技術や学問を突き詰めていくというよりかは、どうビジネス化していくか、社会にどう役立てていくかというスタートアップ的な視点を強く持っていました。
優秀な学生ほど、大企業で型にはまるのではなくて、自分たちがやりたいことがあるから起業しようという意識が強いのが印象的でした。
――シリコンバレーのスタートアップのエコシステムはどのように機能しているのでしょうか?
まずはこの図を見てください。
↑シリコンバレーで聴いた講演の内容を参考に、吉井さんが作られた図
全体の生態系の循環はこの様になっています。
このエコシステムの中では、例えば途中のフェーズで試行錯誤の末失敗しても、そのノウハウをもってアイデア事業企画からやり直すことができる、再チャレンジが可能な文化が根付いていました。
また、成功してノウハウやお金を持っている人たちが、チャレンジをしている人たちにアイデアの段階から投資をしたり、自分も一緒にチャレンジに参加したりすることが盛んでした。
このエコシステムが機能している要因として、人材の流動性がすごく高いということが言えます。抜けていく人を全力で応援する空気感があり、それが気持ちよく感じました。人が動けば、考え方ややり方も入れ替わっていきます。これはイノベーションが起こりやすいことにもつながっているのだと思います。
――吉井さんはシリコンバレーのスタートアップエコシステムからどういったことを学ばれましたか?
色々あるのですが、大きく分けて「多様性を受け入れる価値観」と「オープンイノベーション」の2つの必要性を学びました。
人種も言語も思想もみんな違うのが当たり前で、それを受け入れて互いを尊重し合うという価値観は、たくさんの人が集まって、そこでそれぞれが何か新しいモノを生み出していくというシリコンバレーのイノベーティブな部分の土台になっているのかなと感じました。
――多様性を受け入れることがオープンイノベーションにもつながっていると。
そうだと思います。
日本のとある大企業の現地オフィスにお邪魔したときの話なのですが、そこのオフィスはスタッフ数に対して倍以上の広さとデスクがありました。スタッフの方に理由を伺うと、空いているスペースには、大企業のリソースを利用したいスタートアップや同じ技術系の会社が入り、お互いに刺激し合うことができるのだとおっしゃっていました。
例えば、バイクの自動運転をやりたいというスタートアップが、その為のバイクを一から用意することは時間的にもお金的にも大変です。そこで、自動運転の研究をしたい大手バイクメーカーがバイクやバイクの知識を提供し、代わりにスタートアップに研究をしてもらうことで、互いにwin-winな関係を築くことができます。
そういった助け合いが自然と発生する環境がありました。
――シリコンバレーから帰ってきて、得られた知見を活かし、これから精力的に活動されることと思います。どういったことをされていく予定ですか?
日本の中でも東京など都会に行けば、多様な価値観を受け入れるグローバルな環境はあるかと思います。
しかし、静岡を含め地方では残念ながら、多様な価値観を受け入れるという考えが一般的であるとは言えません。
グローバルに挑戦する人が増え、そういった出る杭が打たれない文化、これをまずは僕が所属している静岡大学に作っていきたいと思っています。そうすることで、これから大学生になる人たちに、静岡大学に行けば面白いことできるぞ、と思って来てもらえる。それが多様性をはぐくみ、静岡や浜松のような地方にシリコンバレーのようなエコシステムを築く礎になると思います!
その活動の一環として、EXPACTさんでインターンをさせていただくことにしました。
――なぜ弊社EXPACTでインターンをされるのでしょうか?
先日開催されたStartup Weekend静岡というイベントで高地さん(弊社代表取締役)とお話する機会がありました。
高地さんは、
『今、ベンチャー支援をやめたら誰もいなくなる 静岡で専業でやってるのはウチだけ。とにかくワクワクする会社を増やそう!まずはEXPACTをそういう会社にしたい』
というお話を熱く語ってくださいました。
そこで、僕がシリコンバレーで学んだことを活かして何かお役に立てるのではないか、またそれは僕の「静岡を起業家精神に溢れる地域にする」という思いにもつながっているのではないか、そう感じたためインターンをさせていただくことになりました。
――なるほど、高地さんの熱い言葉に惚れたんですね笑
そうですね笑
高地さんはすごい情熱持って活動されていてビジネスパーソンとしても尊敬しています笑
――私たちも吉井さんとこれから一緒に働けるのが楽しみです!本日はありがとうございました。
ありがとうございました!
○終わりに
インタビューにもありましたが、今回お話していただきました吉井謙太さんが、7月より弊社にインターンとして参加してくださることになりました。
吉井さんが加わり、弊社は今後、より多様でグローバルな視点をもって事業を展開していけることと、私たちインターンは確信しております。
新たなメンバーの加わったEXPACTにどうぞご期待ください。
EXPACT株式会社 井上裕太郎